やまかわ

音を作ったりする会社をやってます。都内。時々モノを書いたりもします。

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GO TO XXXX

飴色の傘で天を突いて歩いた 理性の靴底の通奏低音が泥濘に沈んだ 全方位に向けて認識は遅延し 私たちの粗末な言葉は瓦解した 口の中に僅かに残った言葉の残滓は美味くも不味くもない、普通の缶コーヒーでまろやかに蕩け喉の川を下っていった 俺は何かを思った筈だった、何かを感じた筈だった、私たちは世界の移り変わりの、その瞬間に立っていたのではないか 路地裏から、七月の雨に練り込んだメランコリックの匂いがした 辺りを見上げると、月明かりに照らされた赤いカーテンが垂れた窓、そこ

    • ソーシャルディスタンス

      時折SNSを開く。そこにはいつだって無知蒙昧な言論や、対立を煽り無用な火種を撒いていく奴らの万華鏡じみた鬱積、言論にすらなりきれていない雑言、承認欲を潤すためのlook at meの代名詞、類義語、三文笑いを誘うネタ、それらがパンパンに膨れ上がった焼き餅のように所狭しと陳列されており、液晶を透過してもぬるぬる、テカテカと鈍い光を我先にと放り投げている。 触らぬ神に祟りなしの精神で、私はそれらを見なかったことにする。彼らの生産する大量の焼き餅、あるいは発言に私は殆どの場合なんの

      • 泥水

        俺の躰の中には泥水の川が流れている 意識の法衣を脱ぎとってみろよ 人間など、一枚皮を剥ぎ取ればトロトロとした粘着質な泥の塊が模造擬態した、吸音剤の塊りに過ぎない 肉袋の中に流れる泥水の川 俺たちは適宜、愛すべき日々の余響を演出するためオキシトシンやらエンドルフィンなんぞを泥の川に放流してやるのである 泥水とは何かのメタファーではない 俺たちはあらゆる足跡、痕跡に反撥する、仮装的な液体であり個体なんだ 一体パーティはどこで開かれるって言うんだ? その前提にたったとき、苦痛や幸

        • その腹痛、ただの腹痛?

          鶏肉の刺身にあたってしまい、昨日今日にかけてトイレ・ベッド間のみを活動領域とするウォーキングデッド化してました。妻がいなかったらただのデッドになっていたと思います。 加えて腹痛が過ぎて尻(尾てい骨周辺)まで痛くなるという面白現象にも初めて遭遇。味わい深い貴重な体験でした。 そして今回の経験で最も嬉しかったのは会社のメンバーが僕に休んでくださいと進言してくれたこと。 20代の僕なら「お前らがサボりたいから俺にも休ませるんやろ?!笑」なんて訝しがったと思いますが、今や僕も30

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          遮光

          今日、いや、正確には昨日かもしれない。 まぁそんなのはどうでもイイことで、とにかく風呂場の照明が壊れた。何かの隠喩みたいに点けても消しても何の反応も示さなくなった。 仕方がなく風呂場のドアをあけ、リビングの灯りを頼りに足場を確認しながらゆっくりと湯に浸かる。 湯に浸かりながら数十分、時には数時間本を読む。僕の1日はこうやって終わる。 最近の小説はつまらないなと思う。僕がつまらない人間になったのか、あるいはつまらなくないモノ全てが僕の目を避けているのかもしれない。どちらでも構わ

          嵐のあとで

          昨日はPCやら機材周りの電源を全て落とし臨戦態勢を取っていましたが、弊社は特に被害ありませんでした。 丸一日ぶりに外に出てみると、全ての景色が一変しているように感じました。光の粒の細かさとか色の鋭さとか音の輪郭が鮮明過ぎて、自分の存在の所在無さを突き付けられてるみたいな、青臭く懐かしい気分になりました。 周りの全てが急に若返ったみたいな感じというんでしょうか。不思議な感覚でした。台風によって物理的環境にどういった変化が起きるのか詳しくは知りませんが、もしかしたら人が捉え

          嵐のあとで

          抽斗の中の脳

          最近の潮流的に少し落ち着いてきたと思っていたのだが、 「やりたいことだけやる!」 「やりたい仕事だけやって食っていこう!!」 「やりがい!!ワクワク!!」 「挑戦!!挑戦!!うふふふふ」 みたいな紋切り型の毒にも薬にもならない(私にとってはもうお腹いっぱいで致死量相当なのであるが)文句を垂れ流す奴らの生命力たるや、ゴキブリのDNAを体内に宿しているのか?と思うほどである。 敵を作るのは承知の上で、こういう奴らがホントに、恐ろしいほど、、リアルでもネットでも私の周りでハザードラ

          抽斗の中の脳

          大きな琵琶の木の下で

          会社を起業して約2週間。 はやくもトラブル、というか予期せぬ事態の連続である。 事実をありのまま書いてもいいけれど、今後入ってくる新入社員のため、お客様のため、僕の人となりを理解してもらうため、読み物としてつまらないとあれなので、多少色を付けてグルーヴィに綴る。容赦されたし。 一、 令和元年9月吉日。私はおもむろに新入社員の出社に備え、PCパーツを購入し、自作で組み立てをすることにした。 ぼん○揚とマザーボードの違いすらよく分からない類人猿、あるいは四足歩行の豚であった私は

          大きな琵琶の木の下で