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地域活動を活性化させるヒントは「連絡手段」にあるのかもしれない。

3月に入り、もうすっかり春ですね。春になると色んなことが動き始めます。

先日、地元で毎年開催される「逗子アートフェスティバル」の次年度キックオフMTGに参加したのですが、ひとつ印象的だったシーンがありました。

参加者全体に「名前とメールアドレス記入欄のある小さな紙」が配られた後に主催者からこんな一言が。

「次回以降の連絡は基本的にFacebookグループ内でやろうと考えていますが、この中でFacebookをやられていない方はいらっしゃいますか?」

そこで挙手されたのは約50名中4〜5人ほどで、いずれも自分よりだいぶ上の世代の方。ちなみに参加者全体の年齢層はおそらく20〜70代でした。

50名いてその9割がFacebookに登録しているということで、割と連絡はスムーズにいきそうな気もしますが「以前登録したけど普段は全く見ていない」という方も割といる気がします。

このやりとりを聞いて、過去の地域活動での取り組みを思い出し、地域活動のスピード感のボトルネックのひとつは"連絡手段"だなと思ったのです。


地域活動で"全員に"連絡できる手段はいまだにメーリングリストだったりする

過去に実行委員をやっていた親子向け地域イベントの運営がまさにそうでした。SNSのアカウントを持っていない方も多いため、全員に連絡告知するためのツールは最大公約数的に「メール(=メーリングリスト)」でした。

しかしそもそも「メールアドレス"しか"ない(電話ならある)」という方はメールチェックの習慣もあまりないはず。

そのため、確認〜返信のタイミングがインターネットを駆使するメンバーとは合わず、全体の合意形成や認識の足並みをそろえるのにだいぶ時間がかかっていました。


実行委員メンバーの一部ではFacebookのグループやメッセンジャー機能上でリアルタイムに連絡を取り合っていましたが、「市内の有志から企画を募集して、それを取りまとめる」という作業においては、主な連絡〜確認手段がメールや紙の書類の受け渡しで行われていたため、どうしてもスピード感が遅くなりがちです。


地域活動のスピード感は、早すぎてもみんながついていけないという現実

じゃあ、地域活動に関わる老若男女の人々がみんな同じチャットグループ上にいて、そこで色んな告知や確認、意思決定がスピーディーに行われていくのが理想かといえば、それはほぼ100%無理でしょう。

みんな"本業"も生活時間帯も異なりますし、週末単位で物事が進むくらいのスピード感でないと、逆についていけません。

それに現実問題として、前述の「インターネット利用スキルの壁」も立ちはだかりますし、直接会ってお互い顔を見ながらじっくり話し合うことが大切だと考える世代には、そもそも受け入れ難いことかもしれません。

地域活動も仕事のように効率的に進めることを良しとする人もいれば、「そんな冷たい感じじゃなくてさ、みんなでじっくり話し合って決めていこうや」と考える人もいるはずです。


それでも、地域活動はもっとスピード感を上げて取り組むべき理由

ここまで色々と書きましたが、結論からいえば地域活動はオンライン上のやりとりの比率をもっと増やして、スピード感を出していくべきだと考えています。

それには3つの理由があります。

1つ目は、地域活動と密接に関わっている行政は基本的に「一年単位で動いているもの」だからです。それはすなわち「一年単位で状況が変わったり、リセットされる可能性がある」ということです。

行政との関係において「一年間を通じてどれだけの実績や良い変化を生み出したか?」という点が次年度の動きやすさにけっこう関わってきます。行政の予算に依存しているような地域イベントの場合、なおさらです。

2つ目は、純粋にクオリティアップのためです。たとえ年に一回の地域イベントだとしても、意思決定の場が週末単位のMTGだけでは、どうしても直前になってバタバタしたりして「無事に終わらせることが目的」になりがちです。

地域活動の成果物クオリティを高めるためには、週末単位よりも早いサイクルで物事を進められる場所が必要で、そしてその場所はインターネットのオンライン上にあると考えています。

そして、3つ目の理由はこれです。


若い世代には、直接会っている時間的余裕はない

常日頃からLINEやSNSなどでほぼリアルタイムのコミュニケーションに慣れている若い世代にとっては、メーリングリストのスピード感は遅すぎて、苦痛にさえ感じるはずです。

それに、週末の時間を使ってまで地域活動に参加する人というのは全体的にみればごく僅かの人です。仕事や子育てで忙しい若年層のファミリーは基本的にそんな時間的余裕はありません。

貴重な時間をつかって地域活動的なMTGに出席してみたのに、おじさんやおばさんが自分の意見を主張するだけで、肝心の「アイデアを出したり議論する時間」が全然なかった、なんて経験をした人は残念ながら二度と近寄ってこないかもしれません。

でも、地域活動にもっと以下の要素があれば若い世代の参加者はもっと増やせるのではないでしょうか。

1)スキマ時間にサクッと出来て、
2)仲間と一緒に参加できる、
3)ネタになったり自慢できたり面白そうなこと

10代〜20代が集まりやすいコミュニティの特徴に「おじさん、おばさんがいない場所」、すなわちFacebookすらも該当してしまうという現実がなかなか痛いところですが...。

そうだとしても、「オンライン上で参加できる地域活動」というキーワードは、なかなか深掘りする価値がありそうです。

簡単なところでは、埋もれがちな若い人の意見を集める方法としてハッシュタグをうまく活用するなど、ですね。

地域活動がテーマの話については、引き続き投稿していこうと思います。

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