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「瓜」


果汁を絞り出すみたいに。西に傾きかけたみかん色の太陽が。容赦なく絞り出す陽射しが熱い。熱すぎます。

みかん色の夕暮れのなか野菜を担いで友人がやって来ました。仕事仲間数人で畑をやりはじめたらしく。時々、採れたて新鮮な野菜屋さんになって届けてくれるのです。

この度の目玉野菜は。とびきり大きな冬瓜。
抱えた瞬間。ぐりとぐらになった気分です。半分こにシェアしましょう。と、包丁をたてますがなかなかどうして手強いです。時間をかけて夏の畑で成長した冬瓜の皮は実(身)を守る鎧だったのかもしれません。武将のような冬瓜です。

「瓜太郎を傷つけないようによ」
「もしかして双子かもね」
 
分厚く固い皮に包まれた柔らかな実を思えば。力にだけ任せるわけにはいきません。瓜太郎の寝顔を想像しながら。優しい気持ちを刀、いや包丁に込めて深呼吸をします。

見事な畑の恵みです😆


包丁の刃が最初に冬瓜の実を捉えた時。ポチャンって。包丁の刃が水の中に入っていくイメージがしました。しっかりとした武将のようなまな板の上の冬瓜を支える友人に向けて。冬瓜の中は水の世界だと興奮気味に説明する私に。3回くらい小さく頷いた友人。気持ちを代弁するなら。

「わかった。分かった。はやくね。」
だろう。多分に。

真ん中で2個になった冬瓜の切口の美しさに目を奪われました。円形に並んだ種と。種を保護するような綿のふわふわな繊維の様子が。いつか見た(本でだけど)水の結晶にそっくり。冬瓜の鎧の中は真っ白な水の世界でした。

冬瓜は果実の96%は水分だとウィキペディアに書いてありました。ほぼ水分なんですね。人の水分量と比較すると。新生児で75%くらいで年齡を重ねながら減少して老人になると50%くらいになるようです。老人の目安は人それぞれにつけてもらうとして。私の場合は55%くらいかなぁ。

こんだけ興奮したのだから冬瓜の切口を掲載したかったのですが。つい、いつものうっかりでとりわすれてしまう私です。気の利く友人が撮ってくれた写真には。冬瓜に顔を寄せる自称水分量55%の私が写り込んでいて。トホホです。

冬の瓜と書いて夏の野菜の冬瓜。夏に収穫して冬まで貯蔵できることから冬瓜という名前をもらったようです。ふたりがかりで半分にした冬瓜を転がしてはおけないので。教えてもらったように。軽く下茹でして冷凍保存しました

下茹でキラキラ1回分です


冬瓜を熱湯にくぐらせたり。大根葉を刻んで炒めたり。みょうがの土を落としたり。こんな小さな手仕事にも四元素が生きているのを体感します。

収獲した野菜は時間の経過のなかでみるみる水分を失っていきます。火・風・水・土のバランスが崩れて野菜の抜け殻になってしまう。時間はあっという間もなく過ぎ去って行きますね。

今朝はこちらは雨降りです。足元が気になるけれど。サンダルで出掛けようと思います。この夏最後のサンダルかも。

それでは、行ってきます!











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