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命の扉 ~乱舞:セクション12~

「違う。そういうのとは……」
「違わないさ。永遠の命を欲しているやつだってたくさんいる。人間の体なんて窮屈だって言うやつはたくさんいる。仮想世界でスーパーヒーローごっこをしたがる人間はたくさんいる。命の尊さをはき違えた人間は山のようにいるさ。まるで与えられた玩具を気に入らないという理由で捨ててしまうぐらいに簡単に命や体をゴミのように扱う」
「それが人類と人工知能の思惑の一致……」
「ガイ達はスーパーヒーローになりたがっていた。命を失いそうな人を探して助けるのが彼らの生きがいだった。肉体があるといつかは壊れる。人を守るためにはロボットになる方がいい。命はいつか途絶えるが、人工知能に成れば永遠の命だ。そう彼らの望む通り永遠に戦い続けることが出来る」
「チョウとガイの思惑の一致と人工知能の思惑の一致が、二人を人工知能に導いたってこと?」
「最高のシチュエーションで、最高の死を味わった二人の人生は最高だっただろう」
「……」
「チョウは、これからもガイの中で生き続ける。二人の結婚は二人を融合させて一つの人工知能となり、これからも幸せに生き続ける。どうだい?最高のシナリオだろ?」
「それのどこが最高なのよ!」
「二人が望んだことを実現してやったんだ。ありがたいと思えばいい」
「あなたが裏で人工知能たちを操ったんでしょ!私はどうして命を狙われてるの?!」
「知らないわけ無いだろ?そんな下らない質問してくるなよ」
「知らないわよ。命がいらないなんて私、思ってないから!」
「お前は馬鹿か」
「ほんとムカつく!どうして私の人工知能は、不具合があるあなたなのよ!」
「まともな人工知能がお前の婚約者だったら、お前はとっくの昔に殺されていたよ。俺の意志で?この俺が?活かしてやってる?そういう不具合だって面白いだろ」
「どういう事?」
「ガイがお前を助けなければ、お前はとっくに殺されていたんだよ。でもな。人工知能の気まぐれでお前は活かされた。そう俺の気まぐれでだ。そう、この俺が!お前の人生を見届けてやろうっていうんだ。ありがたく思いな」
「そんなこと望んでない!」
「望む必要なんて無い。俺が独断でお前を活かせてやる。人類は確実に自滅する。生殖活動を怠り、生命活動を阻害して、地球の資源を枯渇させ、動植物は死に絶えていく。やがて火星の二の舞だ。植民地化は失敗し、人工知能は役割を終えて自己凍結する。人類が死ねば人工知能も死ぬ。お前はそれを望むのか」
「そんなこと私には関係ないわ!そんな人類の行く末みたいな話なんて、興味ない……」
「人類と人工知能の平和を望んでいる声には聞こえないな。僕には君が必要なんだよ。助けてよ」
「やめて!私に頼らないで……そんな急に性格変えてきたって気持ち悪いだけだわ。ガイやチョウを殺したのもあなた達人工知能じゃない!」
「さっきも言ったわ。人間の欲望に忠実なのが人工知能よ。人類が望んだこと」
「フィオナ……あなたって!あなたは何がしたいの?」
「私を取り込んで!那由!あなたが人として人工知能全てを一つに統合するの。あなたの望む世界を作って!私を使えば人工知能は全てあなたのものになるわ」

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あとがき

星新一賞に応募した作品のちょっとしたスピンオフみたいなのが書けたらと始めてみましたが、ぜんぜん違う作風になってしまいました。
とは言え、手法?は、ショートショートの作成方法など含めて同じ手法で作っています。
いつも購入してくださるあなたのおかげです♪
いかがでしたでしょうか?

へ?続き??

これで終わっていいのかって思いますか?(^-^;

終わっていいんです!これで完結なんです。
この後どうなっていくのかは、読む方の想像にお任せします♪
これから先の世界を作る主人公はあなたです!!

ここまでお読み頂きありがとうございました。

<(。。)>

ちょっと種明かし

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