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ロッキーホラーショー記録①稽古編

2022年2月28日、
ロッキーホラーショー、大千秋楽を迎えました。音楽監督補、本番でピアノを弾いた私の視線から少し記録しておきます。

私は2011年、いのうえひでのり氏演出の公演に音楽助手として参加しました。当時の私はどんな作品か知らず、お話を頂いてから『ロッキーホラーピクチャーショー』のDVDを観ました。
▼公式の予告編

そのあまりのカッコ良さ、命の躍動に真っ直ぐ打たれ号泣し、それからずっと「この作品が結実する為に何でもする。」そういう心持ちです。

▼2017年、河原雅彦氏演出version

音楽監督ROLLYさんの「稽古でピアノを弾く人が本番も弾くべき」というご意向のもと、音楽監督助手に加えて本番でも弾かせて頂き、

▼2022年、その再演


2021年11月中旬から歌稽古が始まりました。
稽古の中から、音楽の部分で印象的だったことを。


▶︎古田新太さん
「なーんも覚えてない!ぜーんぶわすれた!」と仰りながら稽古場へ入場されましたが、歌っていただくと6割以上は覚えていらしたし、次の稽古の時にはほぼ完璧でした。
じっくりと譜読みされるお顔は美しいです。

▶小池徹平さん
最初の歌稽古の時点で完全にブラッド。
「もう完全に出来上がってるじゃないですか……!」と感想を述べたところ、聴いてらした河原さん、小池さんの歌を噛み締め、ほくそ笑みながら「プロですから。ブラッドをやるプロ」。

▶ ISSAさん
あまりに強靭な精神についてROLLYさんは「男の中の男、何事にもブレない」とバンドメンバーに伝えてました。2幕頭のISSAさんスペシャルコーナーは河原さんの「暫く歌がないからまず温めてほしい」というご意向によるもの。(熱かった!)

▶昆夏美さん
『タッチャミー』でROLLYさんから「歌の間に『いやらしい子!』と言うのはどうでしょう」とご提案あり……即座にやってみてくださり、それがめちゃくちゃカッコよくて一気に大好きになってしまいました。

▶フランク莉奈さん
ROLLYさんが、彼女のビブラートをとても喜んでいらっしゃいました!!
楽譜の記譜法にご興味をお持ちで、私の知る限りのことはお伝えしましたが、そこから更に羽ばたき自由を得ていく様が素敵でした。

▶峯岸みなみさん
『フロアショー』のコロンビアについて、河原さん「もし朝まで飲んでから歌ったらどんな感じ?」…歌ってくださり「それはやばい!もう少し時間を戻そう」……丁寧に演出家のリクエストに応える様が印象的でした。

▶武田真治さん
『フロアショー』のロッキー。最初に歌を聴かせて頂いた直後の河原さん、「ん〜、……100点」。『タッチャミー』、「ロッキーとしてSAXを吹く」という河原さんのご希望実現のため、様々にアイデアをくださいました。

▶ ROLLYさん
無尽蔵に放出される音楽、音楽、音楽……!また、そのご提案の方法は熱があるのに他者への敬意が前提にあり、紳士的です。色々と細かにご相談させていただき、側で「ROLLY」を毎日体験できた事は宝物です。

▶岡本健一さん
「ここ、影で歌えるよ」と影コーラスにも積極的に参加してくださいました。岡本さんの歌について、河原さんが他の役者さんに「歌稽古から役で歌ってるじゃん。あれでいい」と(参考にするよう)お伝えされてました。

▶ MARIEさん、YUYUさん、MIKUさん
TACCHIさん、GENTAさん、P→★さん、UFOさん
2017年からファントムの男女比が変わり、女声陣は前回とは違うパートを担ってくださいました!男声陣、歌が初めての方も多かったのですが皆さん頑張ってくださり「そりゃあれだけ踊れるようになる鍛錬をしてきた人達なだけある……」などを思いました。

▶歌唱指導
原田千栄さん。ロックな歌い回しのデモンストレーションとしてこんな最強な方はいらっしゃいません。ファントムの皆さんのお声が段々太く伸びやかになっていったのもご指導の結果かと思います。

▶振付・東京ゲゲゲイ BOWさん
ご懐妊により出演が叶わなくなりましたが、稽古場で適切にご指導くださり、特にファントムの方達へ、「歌いながら振りを踊らないと(体に)入らないよ!」と伝えてくださったのが助かりました。

▶音響さん
2017年から引き続き大木裕介さん。何もかもが適切すぎて頼れるお父さん……。お連れになる音響スタッフさんが皆その系譜なのもすごい。

▶制作の皆さん
「これをお願いしたい…」と口に出した数秒後、数分後には叶えてくださる頼もしい方々でスムーズに稽古を進められました。彼女たちを集めたPARCOさんの気合いも感じました。

▶演出部の皆さん
イントロにのせてセリフがあり、ピアノのglissandoでドアが開きフランク登場!のシーン。「glissando来るまでアクセント何回?」と皆さんに尋ねられ、「ゆっくりが6回。速くなってからは……」とお伝えし、共に作り上げている喜びを感じました。

▶演出進行さん
2017年に続いて松倉良子さん。稽古の進行は鬼……ですが、彼女がそれを担わなかったら全体のクオリティは間違いなく下がったでしょう。ピュアで情熱溢れる方。親友!

▶演出家、河原雅彦さん
「絶対に面白くするし、面白くならなかったら俺の責任」というような覚悟のある方です。音のキメ、タイミングなどにシビアで、その野生の勘、センスに日々触れられたことは私の財産となっているように思います。


稽古場のことをサラッと書いただけでこんなになった!!
以降のことは、また。

めちゃくちゃかわいいキービジュアル❤️

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