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ロッキーホラーショー記録⑤大千穐楽

ロッキーホラーショー記録③ 1幕
ロッキーホラーショー記録④ 2幕 の続き。

東京の大千穐楽のことと、

その前に少しカーテンコールのこと、
トレーナーさんのことを。


■カーテンコール一連のこと

▶︎カーテンコール
フロアショー最後の辺りをかわいいアレンジで。後半、私は超絶技巧なことをしており(思いつきで弾いたらROLLYさんに「美しいから残しましょう」と言われ…)、ある日「弾くのが大変なので省略して良いですか…?」と申し出たところ、客席で聞いていたインペグ高石さんが「あった方が良いです」と仰るので頑張って弾きました。

▶︎Time Warp
〜Sweet Trancevestite 
〜Time Warp
2011年時のリフラフ、岡本さん登場。当時も関わっていた私にとっても感慨深いものでした。フランク登場のドアが開く直前、階下でスモークをたく音がゴォーッ……と聞こえてきて「演出部さんも一緒に作ってるっ…」を毎回感じていました。 "Time Warp" は客席が隅々まで照らされ、お客様と一緒の空間にいることを強く実感する時間です。最後の "Let’s do the Time Warp again” の直前、ISSAさんの「ラスト!」の叫びに、作品やお客様への深い愛情を感じました。古田さんがバンドの方へ向き直り、ジャンプ!で音切れ。お客様には見えないけれど、飛ぶ直前の古田さんの表情は……。美しいです。

▶︎Playout
2017年に作ったものの発展。Slow & Sexyな雰囲気のモチーフから一転して爆音ロックへ。ソロを回していく時間、この爆音の中で何をピアノでやるのか?と迷ったのですが、ROLLYさんが「あ、それカッコいい!」と言ってくださったものに落ち着きました。クライマックスに辿り着く直前に一旦息を潜め、高めて高めて……爆発!という感じです。照明もそれにリンクして作られて凄い!

〔撮影: 土田紘〕

▶︎Bow
バンドを呼び込んでくださるキャストの皆さんの笑顔が眩しかったです。


■トレーナーさんのこと

過酷な公演ではトレーナーさんが帯同してくださることがあります。今回ついてくださった『MEGAPAN』の皆さん、凄かった。

11月半ばから稽古で毎日弾き続けた私の体は公演始まる前の時点で既にヨレヨレ。大阪公演では左手に痺れを感じるようになり、首も「あと一息でぎっくり」という感じだったのですが……。広島でMEGAPANのお一人に診ていただいたところ、なんで……??治った……!!!!ありがた過ぎて思わず手を合わせて拝んでしまった。公演をやるたびに肉体に負荷はかかるのでずっとその状態を保つことはできないのですが、不調を感じてまた伺うと、痛みは消え、公演に集中できるのでした。MEGAPANさんのインタビューなどを読んでますますファンに。陽の気を放つ鍼灸師たち……!ありがとうございました。 


■大千穐楽のこと

大千穐楽の何日か前、舞台監督の諭志さんに呼び止められ「古田さん卒業サプライズします」と言われました。2011年、2017年、2022年とフランクを演じられた古田さんは今回でご卒業、ということになるのだそうです。
カテコ後、キャストの皆さんが歌いながら舞台上に戻る時の伴奏が欲しいとのこと、ROLLYさんとお話してピアノのみでやることになりました。(バンド全員が2階に登って演奏する、というのはバタバタしそう、ということで……)
「それ終わったらスッと階段降りたらいいですよね?」と言うと側にいた音響の大木さんが「皆が喋る時なんかBGM弾いたらいいんじゃない」と。確かに無音より良いなと思い、ROLLYさんとご相談。この人が喋る時はこの曲を弾こう、などをお打ち合わせしました。

当日。ピアノに誘われ "Floor Show" の最後の部分、「フランケン・フルター、もうおしまいだ、お前は何もかもをちとやりすぎたのだ」と歌いながらキャストとバンドの皆さんが舞台上の古田さんの元へ。特効!(テープとか飛ぶやつ)。一回もリハーサルせずに、私も皆さんもよく出来ました!
そしてキャストの皆さんからのご挨拶。お一人お一人、ソロの曲をピアノのみで弾きました。

〜BGM一人反省会〜
・色々慌ててしまい、ROLLYさんとのお打ち合わせ通りにできませんでした…!
・場の空気に影響され自分の気持ちもしっとりモードで、全体的にしっとりしてしまった。
・岡本さんが「いい話しなきゃダメ?」と仰った時、「あ!私がそんな空気にしてる?!」と思って少し軽めになろうとしたけど、やはりまたしっとりしてしまった……笑
(・追記:いや、敢えて軽い部分を作ったら演出過多だったかもしれない。あれで良かったのだ!!)
・ROLLYさんが「(古田さんに)大いなる拍手を!!」とお客さまに呼びかけ、拍手が起こって場が華やかになりました。ROLLYさん、本当に素敵。自分もつられて少し華やかに弾けた気がします。

古田さんが岡本さんと喋っているとき、(こんな作品を作れたのは)「PARCOのおかげじゃない?」と仰っていて、本当にそうだなぁ〜、と思いました。PARCOさん、ありがとうございました。関わってくださった全ての皆様も。

お客様と一緒に
大好きなROLLYさんと。

「整理して置いておく場所を作らないとずっとこの海にのまれたままだな」と思って書き始めたこの記録。音楽監督補視点、ピアニスト視点のものはここで終わりです。
ここでさよならの方もいらっしゃるかもしれません。読んでくださった皆様、劇場へ足を運んでくださった皆様、お心寄せてくださった皆様、ありがとうございました。

Don't dream it, Be it.

大塚 茜

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