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ロッキーホラーショー記録③ 1幕

稽古場でのこと、
バンドやその周囲のこと、を書いて参りました。

今回は各楽曲について、1幕分を。
音楽監督補視点、ピアニスト視点、双方から。


ヘッダーの写真(撮影: 細野晋司) は、
"感染対策に余念がないぞセブン"の皆さん。『Time Warp』の振り付け講座など、お客様との交流の入り口を作って頂く大切なお役目。いっぱいお稽古していらっしゃいました。

▶︎Call & Response
武田さんがSAX奏者として登場。ここを作る時は武田さんも色々とアイデアを出してくださいました。最後のロングトーンにてコーラスのお2人が『シンディ〜!』をド渋い声でハモります。

▶︎Science Fiction
河原さん「皆マジェンタが大好き。『やっと会えた、うれしい〜っ!』ってなる曲」(にしたい)。舞台上は莉奈さんと武田さんのお2人。お2人以外の全員が、ステージ裏で影コーラスをしてくださいました。

▶︎好きだよジャネット
個人的に、ピアノのフレーズが可愛くて好きな曲。ブラッドとジャネット、初々しい2人の背中をワクワクと押すような楽曲です。最後、ファントム達が持つポンポンで♡型を作るのですが、場当たりではいつも繊細な調整が重ねられました。

▶︎フランケンシュタインの城へ
お客様に新聞紙をかぶって頂くべく、楽曲の直前でバンド陣もそれをする事になりました。小池さん、昆さんの美声にコーラスをつけるのは音楽的悦びがあります。ISSAさんの箇所は「星は夢照らす太陽に変わるだろう」という歌詞を表すべくピアノを弾きました。

▶︎Time Warp
初日を迎えるはずだった横浜公演と大阪公演1日目が残念ながら中止となりました。時間のない中での地獄の場当たりを経て迎えた大阪初日、この曲でお客様が踊ってくださってるのがステージ上から見えて泣けました……。会場全体が「一体感!」となっているのを毎公演感じました。ピアノ、ISSAさんのところはひたすらタイトに、莉奈ちゃんのところは美麗に、みなみちゃんのところは可愛く。

▶︎Sweet Transvestite
イントロ中、ピアノのglissandoでドアが開いてフランクが登場するところは「命懸け!」という気分で右手を往復させます。作品全体でもglissandoが多く、右手の爪が3本割れました。(…でも、良いんです) 。階段の上で古田さんが「乞う、ご期待〜〜!!」と歌い上げるところは「フランク・フルターが圧倒的であるということを、音方面から支えます」というつもりで弾きました。最後に『Rhapsody in Blue』のフレーズを入れるのは2017年からのROLLYさんのアイデア。

撮影: 細野晋司
美術、照明含め、圧倒的な美

▶︎ダモクレスの剣
冒頭、古田さんの台詞きっかけで音楽を進めていきます。緊張感が高まり、棺から出てきたミイラの包帯を取ると、そこに現れるのはROLLYさん。
稽古場では包帯が一瞬で取れる!の仕掛けの改良と練習が重ねられました。また、ROLLYさんのメイクの濃さについて河原さんから「遠くの人にもROLLYさんだって分かりたい」とリクエストがありました。

▶︎オトコにしてあげる
曲頭ピアノのarpeggioは深い低音から掬い上げふわりと高音へ、最後は煌めくように。つまりただただ優美に。古田さんの歌にピアノソロでつけていくのは、やりがいと誇らしさがあります。

▶︎熱いぜ青春
ROLLYさん、岡本さんお2人がワイヤレスでギターを弾くため、日々のサウンドチェックのメニューに入っていた楽曲です。ROLLYさんが弾いていたSAX型のギターは2011年にエディを演じられた時に使ってたもの!

▶︎オトコにしてあげる Rep.
ROLLYロッキーが武田ロッキーになる箇所について。変容への期待を高め、成果が現れる……!を音楽的に作り上げるべく、かなり綿密な稽古をしました。(どの箇所もそうですが)キャスト、バンド、音響、演出部、照明……全てが緻密に絡み合って成し得たことです。


ROLLYさん as ロッキー↓

河原さんから最初にこのアイデアを伺った時は、ROLLYさんがバンドに居られない時間が長くなるし大変そうと思いました。稽古中は、お2人が演奏可能なのはどの曲か?ロッキーとしてステージ上にいる際に演奏は可能なのか?(現実的に&演劇的に)の検証が大変でしたが……素晴らしい結果となりました。

2幕分は、また。

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