資本主義がわかる経済学_4C

大月書店通信*第121号(2019/2/27)

「大月書店通信」第121号をお届けいたします。

2016年に小社から自伝を刊行したアメリカのバーニー・サンダース上院議員が、来年の大統領選挙にも挑戦するとのこと。社会主義者を自称する古参議員が、若者の熱狂的な支持を得て躍進したことは驚きでしたが、昨年の世論調査でも、18~29歳のアメリカ人のうち、資本主義に肯定的なのは45%にすぎず、2010年の68%から大幅に減っていることが示されています

社会主義やマルクスがタブーだったはずのアメリカでさえ、今や多くの若者が、資本主義を不動の前提と見なしてはおらず、分析され変革されるべき対象と考えているのかもしれません。さて、日本はどうでしょうか。

2月の新刊は、『資本主義がわかる経済学』。現代経済学とマルクス経済学の両方に通じた著者たちによる、経済理論の入門テキストです。大学生だけでなく、社会人の方々にも、お手に取っていただけますと幸いです。


■新刊案内

2月の新刊です。お近くの書店にてお求めください。

●「近経」「マル経」の壁を越える新定番
『資本主義がわかる経済学』
阿部太郎・大坂洋・大野隆・佐藤隆・佐藤良一・中谷武・二宮健史郎・
伴ひかり[著]


資本主義とはどのような経済なのか? 搾取、再生産、景気変動から、為替レートやグローバル化まで、現代経済学とマルクス経済学の両方に通じた著者たちによる、経済理論の新たな入門テキスト。

☆試し読みできます

●歴史のなかに「分断」を越える視点を探る
『「生存」の歴史と復興の現在――3.11 分断をつなぎ直す』
大門正克・岡田知弘・川内淳史・河西英通・高岡裕之[編]


地震・津波、そして原発事故~放射能汚染という、今も続く巨大な被害と、それがもたらす「分断」を越えることは可能か? アイデンティティの要としての地域歴史遺産の再発見など「生存」の歴史をつなぎ直す可能性を示す。

☆試し読みできます

●徴用の緻密な研究から戦時期日本を描きだす
『「産業戦士」の時代――戦時期日本の労働力動員と支配秩序』
佐々木啓[著]


総力戦に向けた労働力動員はどのように展開されたのか。動員政策とその背後にあるイデオロギーの特質を明らかにし、その下での民衆の経験を、日記や体験記、漫画などの史料を駆使して浮き彫りにする。

☆試し読みできます

●差別との戦いで歴史に名を刻んだ2人の伝記
『非暴力の人物伝 4 キング牧師/ネルソン・マンデラ――人種差別にたち
むかった人びと』

濱野京子・たからしげる[文]


現代も消えない人種差別・民族差別の問題。非暴力主義のもとに公民権運動を率い、「私には夢がある」と演説したキング牧師と、27年間の投獄にも屈することなく南アフリカのアパルトヘイトを撤廃させたマンデラの生涯を描く。

●市民の娯楽に発展する中世以降の音楽に迫る
『音楽のあゆみと音の不思議 2 中世からバロックの音楽』
小村公次[著]


国家や宗教の儀式用だった音楽が、市民の娯楽になるのは中世から。世俗音楽がキリスト教音楽に影響をあたえ、ルネサンス、オペラの誕生、バロックへと発展します。日本でも能楽が武家に愛好され、歌舞伎は庶民の大ブームに!


●全国23大学・5200人の現代史と現代認識調査…
『「戦後現代史と現代認識に関する調査」報告書2019年度版――大学生5200人に「戦後現代史」を問う』
すべての大学教養科目に「戦後世界史と日本史」を!市民ネットワーク(戦後世界史市民ネット)[編]

全国23大学の新入生をふくむ5200名の「現代史と現代認識に関する調査」(2018年4月)報告集。詳細な調査報告とともに9名の大学人らが「調査報告」から読み取った学生たちの「現代史認識」「現代認識」をコメントする。 

●特集=3・11から8年――いのちを尊ぶ原点から考える
『月刊 クレスコ』3月号 no.216

東日本大震災の被災地では、いまだ仮設校舎や他校の間借りで授業をしている学校がある。ところが政府は、復興のための特別措置を2020年度で終わらせようとしている。被災地からの報告をもとに、いま必要な教育施策を訴える。

●特集=ローカル放送の未来を問う
『放送レポート』3月号 no. 277

●ローカル放送の未来を問う(久嶋紳吾、宮城克文、三木裕一、中山隼仁、中
島佳昭、須藤春夫)●韓国放送人たちのたたかい・その後(岡本有佳)●拝啓
沖縄より~全国のメディア関係者の皆様へ~(沖縄問題取材班) ほか


■話題の本

★『DVD+ブック マルクス・エンゲルス』重版出来!★

若き日のマルクスとエンゲルスを描いた映画に解説ブックレットを付した、
『DVD+ブック マルクス・エンゲルス』。昨年12月の刊行後、たちまち品切となりましたが、重版ができて在庫は回復しております。たいへんお待たせいたしました。

お近くの書店でご注文いただけます。



■イベント

★福祉国家構想研究会2019連続講座「安倍政治をどう変えるか?」★

小社から「シリーズ 新福祉国家構想」や『最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし』を刊行している福祉国家構想研究会の公開講座です。

「安倍政治をどう変えるか?――日本社会の危機に立ち向かう政策と構想」

☆第1講:3月30日(土)13:30~17:00
改憲を阻んで憲法の生きる日本を――憲法・安保・沖縄政策論
講師:渡辺 治(一橋大学名誉教授)

☆第2講:5月11日(土)13:30~17:00
労働・貧困問題と安倍政治――中長期・短期の対抗構想
講師:後藤道夫(都留文科大学名誉教授)
   中澤秀一(静岡県立大学短期大学部准教授)
蓑輪明子(名城大学准教授)

☆第3講:6月1日(土)13:30~17:00
地域政策と安倍政治――地域経済の活性化、医療・介護保障と町おこし
講師:岡田知弘(京都大学大学院教授)
   岡?祐司(佛教大学教授)
   関 耕平(島根大学准教授)

☆会場:林野会館(東京都文京区)
☆資料代:各講座500円
☆事前申し込み不要
☆主催:福祉国家構想研究会

※お問い合わせは主催者にお願いいたします。



■編集後記

季節の変わり目のせいか風邪をひいてしまいました。回復には寝るのが一番と布団の中でじっとしておりましたが、咳が出てなかなか寝付けません。何かに集中しているときは止まることがあるので、病気の時に食べたいものを一生懸命考えてみました。卵雑炊やプリン、カステラ、シュークリーム「卵が多いな……」などと思ったりしていると上手くいきそうで、つい「これで寝られる」と気が緩んだ途端咳き込んで仕切り直し。つらい週末を過ごしました。AY


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