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初めてのヨントンの思い出① 2023/01/03

〜2021年に解散した韓国のアイドルグループの推しの思い出を綴るnote〜

パンデミックの真っ只中にデビューした推し。

本来なら韓国で正式にデビューして、その1ヶ月後にはSHOWBOXで凱旋公演をしていただろうと思う。

しかし、日本に来ることは出来なかった。

韓国国内でさえ、対面のサイン会もコンサートも行うことが出来ない状況だった。

デビュー直後にレコード店が主催のオンラインサイン会(ヨントン)があったけれど、ヨントンの仕組みがまだよくわからなかったから、私は腰が引けてしまい応募出来ずに終わった。

知人から聞いた話だと、アルバム10枚買った友達が当選していたと教えてくれた。

きっとまたすぐにヨントンがあるだろうとタカを括っていたのだが、アルバムのサイン会はその一度きりだった。

『またいつか』そう思っていても、次がある保証は無いんだな、と思い知った。

その後、どういうルートで決まったのかわからないような外国向けのオンラインファンミーティングがあり、クレジットカードを入力しても大丈夫なのかビクビクしながら、聞いたこともないイベント会社のオンラインチケットを購入したが、たぶん見ていたのは日本人ばかりだろうな、、、と思う。

デビューして半年、そして最後に推しに会ってから10ヶ月近く経っても、推しと直接コミュニケーションが取れるようなイベントは無く、無料の配信アプリでダラダラとメンバー同士が話す様子を見るだけの日々が続いた。

韓国語が所々しか聞き取ることが出来ない私には、話している内容はうっすらとしかわからなかったし、特に意味のない話をダラダラと続けているだけの配信にうんざりしていた。

たとえ直接会うことは叶わなくても、せめて練習動画をYouTubeに上げたり、ダンスカバーの動画を上げたり、何かしらお金をかけなくても出来ることはあるはずなのに、推しの事務所からはやる気を感じなかった。

仕事らしい仕事もなく、デビューアルバムが売れたとも思えず、いったいこの事務所の収益はどうなっているのだろう…と不信感が募る。

応援したくても、応援する場が無いことが辛かった。何度か韓国の事務所へ手紙やお菓子を送ったりして、日本で待ってるよとメッセージを添えた。

2番目の推しは、インスタに私が送ったものを身につけて撮った写真を上げてくれたから、ちゃんとメンバーの手元へ届いていることが確認出来た。
(2番目の推しは、そういう気遣いが細やか)

そうしている間に、彼らが日本で歌っていたオリジナル曲の掛け声が突然変更され、日本で付けたファンダムの名称も変わり、だんだんと日本のファンは離れていった。

私も、モチベーションを保つことが難しかった。
彼らはもう日本に来たくないのかもしれない、過去の汚点だと思っているのかもしれない。
そんな考えが頭に浮かんだ。

デビューして半年が過ぎた頃、日本のイベント会社が主催のオンラインサイン会が告知された。

フォトカードへのサイン1枚で、1分のオンライン通話が出来るというもの。後日、サイン入りのフォトカードが送られてくる。

価格は、確かフォトカード1枚4000円くらいだったと思う。最大で1人5枚(オンライン通話5分)まで購入することが出来た。

私は、迷うことなく推しのフォトカード5枚、2番目の推しのフォトカード3枚を購入した。

当日までに、ヨントンについての体験談が書かれたブログなどを読み漁り、ヨントンの仕方や注意点を調べまくった。

それまでzoomを使ったことが無かったから、うまく出来るのか不安で仕方なかった。
スマホよりパソコンの方がやり易そうな気がして、ノートパソコンでやることに決めた。

通話用のイヤホンマイクと、LEDリングライトも買った。

大手の人気アイドルのヨントンは、画面に自分の順番までのカウンターが表示されたり、制限時間が表示されるようだが、マイナーアイドルのヨントンは『いつ自分の番がくるか、ひたすら待つしか無い』と参考にした体験談に書かれていた。

ヨントン当日は、緊張でガチガチになった。

ヨントンは、メンバーごとに2日に分けて行われ、
2番目の推しが初日、本命の推しは2日目だった。

開始時間から1時間くらい経った頃、LINEにイベント会社からzoomのアドレスが送られて来て、そこにアクセスすると最初にスタッフから説明があった。

自分の順番になり、2番目の推しが画面に現れた。

ハル、久しぶりー!と手を振る2推し。
私はようやく「デビューおめでとう」と直接言うことが出来た。

初めてのヨントンはお互いにまだ不慣れなせいか、タイムラグがあって妙な間が空いてしまったり、同時に話し始めてしまったり、話が途切れがちだった。

ほとんど日本語を話すことのない日々が続いていた2推しは、だいぶ日本語を忘れてしまっていた。

今日は短い時間だけど、僕たち夢で会えると思うから、また後でね!

と、歯の浮くようなキザなセリフを最後に言って、終了した。

通話が終わり、しばらく放心状態だった。
無事に終わった安堵感と、そして待ち時間の長さ、終わった後の虚脱感。

同じく2推しとヨントンをした友人とカカオトークで連絡を取り、どんな様子だったかお互いに報告し合った。

やはり似たり寄ったりの状況だったようだ。

とにかく初めてのヨントンは無事に成功した。
翌日の推しとのヨントンも無事に終わることを祈って、私はパソコンを閉じた。

つづく。

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