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哀しいデザイン

年始に悲劇的なデザイン、という良書を読みました。

デザインにおけるネガティブな作用を実例をあげてきちんと記述し、その上でユーザーを守るためにデザイナーは何を考える必要があるか提示している本です。

デザインについての本はポジティブな作用を強調したものが多いのですが、目次を見るとわかる通り

第2章 デザインは人を殺す
第3章 デザインは怒りをあおる
第4章 デザインは悲しみを呼ぶ
第5章 デザインは疎外感を与える

デザインに関わる人の多くがうっすら気づきつつも無視していることを、若干表現は強いですが、はっきり言語化している素晴らしい本です。僕の所属しているデザインチームの課題図書にするつもりでいます。繰り返しますが、良書です。

哀しいデザイン

悲劇的とまではいかなくとも「なんでこんなことになってるんだ」的な哀しいデザインをよくみかけることがあります。

こういうのを見つけて考察するのがもはや趣味といえるところまでいっている気がするのですが、ビジュアルがどうこうという次元ではなく、機能として破綻しているものを見つけると、心地よい哀しみを味わえます。

敗北してしまった14のデザイン

例としては極端ですが、こういう例をたくさん見ることで、同じ過ちを繰り返さないようにする、というのが健全なのかもしれません。

これらの哀しみを回避できる理論としては、メンタルモデル、アフォーダンス、ちょっとマニアックなそれとしてはホラーヴァキュイなどがあげられますが、ロジックで回避できるものがほとんどなので、作り手側としてはこういうエラーはできるだけ避けたいものです。

終わりに

ちなみに最近見かけた哀しいデザインをあげると

南青山にある寿司屋のスーパーのポップのような看板
某法律事務所の過払金返還の吊り広告
免許更新の連絡葉書

一つ目はターゲットとの乖離、二つ目は正確な情報を伝えない扇情的なデザイン、三つ目は単純に情報整理がされていなくわかりづらい、というどれもこれもアレだなあという感じなのですが、忘れないうちに免許更新してきます。








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