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デザインの小話 no.4 / 完璧は善の敵

デザインの小話とは

デザインの役に立ちそうな考え方や知識をつれづれに書いていくという実験的なそれです。続くかもしれないし続かないかもしれません。

完璧は善の敵

Perfect is the enemy of the good.

フランスの哲学者、ヴォルテールの古い言葉で、完璧主義の危険性を啓蒙しているといえる。

ここでFacebook創業者マーク・ザッカーバーグの名言を引用すると、

Done is better than perfect.

ほとんど同じことをいっていて、200年以上時を隔てていることも考えると趣が深い。

完璧なデザイン

デザインは正解がないものだとよくいわれる。デザイナーには共感してもらえると思うが、8割完成に持っていくのは時間的にも早く容易で、残りの2割のブラッシュアップが(ほとんど無限と思えるほど)時間がかかり困難である。

デザインを推敲し、洗練していくことは、時間の許す限り行うべきであり、デザイナーとして真摯な態度であると思う。問題は、完璧を求めることが目的となり、デザインがなすべき本質を見失う、というエラーが起きることである。

これはビジュアルデザインでも、サービスやアプリの設計でも同じことが言える。完璧を求める思考は善であるが、完璧を求めて行動した挙句、本当にユーザーが求めているものを適切なタイミングでアウトプットできなくなっては本末転倒である。

アジャイル開発、Lean UXの考え方など、インターネット界隈では手法としては一般化してきているものの、思想としての根底は「完璧は善の敵」であると思う。

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全ての知識を総動員して、感性を極限まで高めた状態でも、その時点でのあなたの完璧なデザインは、未来のあなたに淘汰される。淘汰されねばならない。

まずは完璧ではなくても、恐れずにデザインを世に晒すことが大事、という話。




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