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デザインの小話 no.3 / 色の話:青

デザインの小話とは

デザインの役に立ちそうな考え方や知識をつれづれに書いていくという実験的なそれです。続くかもしれないし続かないかもしれません。

色の話:青

RGBのBとしておなじみの光の三原色の一つ。寒色。波長450-495 nm。

一口に青といっても幅があり、今では日本で一般的に「青」と呼称されるのは、濃紺から水色あたりまでを指すことが多いが、地域によってはシアンからほとんど緑に近いものまで、区別されずに使われる地域もある。

日本でも、緑と青が区別されて使われ始めたのは平安時代から鎌倉時代あたりという話もあり、青信号も、もともと緑信号と呼ばれていたこともある。

青々とした緑、というような表現が成立しているのも、青と緑を色として区別していなかった名残ともいえ、他人に色を言葉で表現し、伝えることには注意が必要である。

イメージ
清々しい、爽快な、先進的な、安全な、落ち着いた、透明さ、冷たさ、憂鬱、といった、グレーと同様に、幅広いイメージのある色である。

青が様々な印象を想起させるのは、自然界に存在する色の中で最も人類の目に触れてきたからかもしれない。地球上どこの地域でも、晴れていれば360度視界を見渡せば青色の面積が最も多い。また、地球上の7割は海であり、もともと人類は昼行性だ。

だから、青色は中庸でありつつも、世界的にも好まれる傾向にあるのかもしれない。

心理学的な効果
心理学的な効果としてよく知られているのは、「時間感覚の短縮効果」と「鎮静と抑制」である。

青い部屋の中で作業をすると、時間が短く感じられ、冷静な判断が得られ、効率的である。滞在時間を増加させたいサービスやプロダクトの設計に応用できるかもしれない。

また、統計的に知られていることとしては、紺色と呼ばれる明度の低いものだったり、彩度の高い鮮やかな青は男性に好まれる傾向があり、水色と呼ばれるような明度の高い青や、パステル調の青は女性に好まれる傾向がある。

UIトレンドとして
最近のインターネットサービスで成功した(と思われる)サービスのキーカラーは青が採用されている。Facebook、Twitter、Dropbox、LinkeIn、Paypal、Snow、サービスではないがApple純正アプリのメール、Safariなどよく使うものも青である。

前述の青の与えるイメージや、心理学的な効果が影響しているのかもしれない。万能感があるが、逆にいうと無難な選択とも言える。

さらにいうと、無難だからといって、なんにでも青が適合するかというとそうではない。戦略的かつ、ユーザーの体験に立ち返って、慎重に色は決定されるべきである。

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続くかもしれません。

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