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「モノを大切にする心」を体験する授業

体験、ゲームを楽しみながら、子供たちが「モノを大切にしている自分」を体感することができる授業。再現性の高い簡単なアクティビティです。

学校長期自然体験活動指導者研修会という場で自分自身が体験したものの中で、特に印象的だった活動です。

指導の流れ

① 学習者を5〜6人のグループに分ける

② 各グループにその辺の木の枝を一本ずつ渡す

③ルール説明
・一人30秒ずつ「木の枝の有用性」をグループ内でプレゼン
・全員が発表したら説得力があったメンバー一人をセーノ!で指差す

④グループ活動終了、指導者の所へ集合させる

⑤各グループの説得力名人を表彰

⑥指導者は木の枝を受け取り、木の枝の有用性について簡単に講話

⑦指導者は持っていた木の枝を無造作に捨てる

⑧活動の意図を説明(意図は以下参照)

重心と目的

この授業の重心(クライマックス)は⑦にあります。①〜⑥までの活動は全て⑦を際立たせるためのもの。説得力を育成する活動ではありません。

⑦で指導者が木の枝を放り捨てると、子供たちは高い確率(自分が知る限り100%)で「あっ!!!」と声をあげます。この反応が得られれば授業は成功。

この授業の目的は「モノを大切にしている自分」を体感することです。子供たちの「あっ!!」という反応には「俺の大切な木の枝になんてことするんだ!大事にしなきゃ!」という意識がくっついています。

普段なら気にも留めない「木の枝」。子供たちがそれを大切に思えた理由は「木の枝を肌で感じながら知識を蓄積したこと」「木の枝との思い出エピソードを楽しく共有したこと」の2点にあります。

ゲーム形式で楽しみながら、みんなで有用性を語り合った「あの木の枝」。知識と思い出を得たことで、どこにでもあったはずのその木の枝はいつの間にか子供達にとって大切なものに変わっていたのです。

授業の締めは次の事項を子供たちの反応や必要に応じて伝えます。
知ること、共に学ぶことの重要性を説くこと。自然環境は大切。では大切な自然環境を心から大切に思えるようになるためには何が必要か。知ること。触れること。体験すること。


指導に適した条件、場面

小学校高学年で行われる自然体験活動、宿泊行事の中の1シーンとしての活動に向いています。5年生社会の終盤で扱う自然環境の学習内容と絡めやすいです。

他にも、考え方だけ残して色々応用できるかもしれませんね。消しゴムとか?

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