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第5文型分からん?📙分かれば英文読めるよー!

第5文型分からん?

挿し絵の「レッツゴー」は第何文型?

私は高校生の指導で「英文法と文型をセット」で指導します。未だに「重箱の隅をつつくような文法と時代遅れの構文」を暗記させる丸投げ指導とは一線を画したい…アマリ(◞‸◟)イイタクナイケド。

第5文型の中でも誤訳が多いのが,SVOCの最後の"C"のかたまりに「準動詞」が使われている場合。準動詞とは「不定詞・動名詞・分詞」のこと。文中の述語として使われる述語動詞と区別しなければいけません。
※私は,すべての英文は5文型のどれかに入るという立場を取っていますので,ご注意ください。「SVO+不定詞の文」のように,文型を煩雑にすることにメリットを感じないので…(´∀`)カッテナガラ。
※動名詞と現在分詞を「Ving形」としてまとめる考え方もあります。

<事前準備>
準動詞の決まりごと
もともと動詞である以上,準動詞にも「主語」と「時制」があるはず…
①準動詞の主語は文全体の主語に準ずる!
ただし,文全体の主語と異なる場合,準動詞の直前にその主語が置かれる(所有格または目的格)。
②準動詞の時制は文全体の述語の時制になる!
ただし,文全体の述語と時制が異なる場合,have+過去分詞〔完了形〕を使って時制のズレを表す(準動詞の時間が一つ前【現在⇒過去】,【過去⇒大過去】)。

ここで,第5文型の例文(Cに準動詞が置かれているもの)を2つ挙げてみます。

<不定詞の場合>
Our teacher tells us to have breakfast every morning.

S:Our teacher
V:tells
O:us
C:to have breakfast every morning

不定詞の"to"の持つ意味を考えてみましょう。前置詞の"to"は「目的地」や「結果」を表す単語です。つまり"これから"にどこに向かい,どこに到達するのかを示します。

例文で考えると,"us(私たち)"が向かうべきところは"to have breakfast every morning(毎朝,朝食をとること)"です。このイメージがつかめると,格段に第5文型の英文の理解が進みます!ーーーしかし,あくまで"O"を"C"に向けようとするのは,あくまで"S"つまり"主語"です。

補足ですが,"to"の意味がしっかり分かると,
We are to meet at five.(私たちは5時に会うことになっている。)のような英文も,なるほど!と思えるはず。

<原形不定詞の場合>
My boss made us work overtime yesterday.

S:My boss
V:made
O:us
C:work overtime yesterday

原形不定詞には"to"がありません。使役動詞〔make,have,let〕を使う場合,目的語(O)に置かれる人の意志は関係ないからです。OがCに向こうが向かなかろうがやってもらうぞ!というニュアンスを出すためには,方向を表す"to"は邪魔なのです。今回の例文の場合,上司の指示によって,"us(私たち)"の意思に限らず"work overtime yesterday(昨日は残業をする)"状態が作られたのです。

英語の歴史的には,原形不定詞の後にto不定詞が使われるようになったので,「"to"が取れた」というより「原形不定詞のまま残った」という表現が合っているでしょうか。どちらにせよ大切なことは「現在どう使われているか」ということだと思います。

to不定詞と原形不定詞のもう一つの観点からの相違について。to不定詞は未来への方向を示すため,どうしても「途中の過程」という意味を含んでしまいます。これに対して原形不定詞は「全体像」を表現することができます。「最初から最後まで」を表すことができるのです。

使役動詞ではありませんが「help+O+to不定詞または原形不定詞」の場合も,以上の基準で考えると,"to"がある場合とない場合の両者の意味の違いもはっきりしますね。ただ,これについて私個人の考えでは,「help+O+to不定詞」の形は淘汰されて,今後は「help+O+原形不定詞」だけが残る可能性もあるのではないかと思っています(๑˃̵ᴗ˂̵)ナンジュウネンゴ?。また,All you have to do is (to) wait here.のような英文についても,主語の意味的な性格上,"to"を入れないで原形不定詞を用いた方が,主語と相性が合う気がします。

口語と文語では,口語の方が言葉の本質を突いている…つまり庶民の方が賢い…。実際に使われる言葉を変える力があるのは,庶民である私たちです。

一方で,文語を守っている人たちも言葉の歴史と価値を守る大切な仕事をしています。当然ですが,私たちは文章も読まなければいけないので,文語の知識もあるに越したことはありません。

英語も日本語も,時代とともに少しずつ変化していきますね。だから面白いと思うのです。受験生の皆さんも「日々一歩の成長」ができますように!




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