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人生を四季に例える

人生を四季に例えてみましょう。


「春」は新しい命が芽吹く時。
年齢でいえば「子ども時代」ですね。
なんでも吸収し、全てを栄養に変えて、面白いほどグングン成長していく時期。
ただ、成長期の芽はみずみずしくて、危なっかしいほど柔らかくて、力加減を間違えると、傷つけてしまうくらいデリケートだということを、ちゃんと心しておかないといけません。

「夏」はエネルギーに満ちる時。
年齢でいえば「青年期〜成人期」になります。
パワー全開となって、自信と行動力に満ち満ちてくる。
「もっと、もっと」と限界を超えていくことを面白がる時期です。
正義感に溢れ、希望を持つことで、どんな困難も超えていけると、大きな夢を描いていく時期です。
この時期は、傷つくことなど恐れずに、挑戦し続けることが大切です。
「少々の怪我は付きものだ」くらいでちょうどよいのです。
なので、まわりは「何事も経験!やってみよう!」と応援し続ける姿勢が大事です。
たくさんの日を浴びて「経験」という栄養補給さえ怠らなければ、肉厚で旨味たっぷりの、優れた知性を身につけていくことになります。

「秋」は実りの時。
年齢でいえば40代〜65歳ごろでしょうか。
まさに「中年期」に当たります。
これまで経験してきたことの全てを肥やしにして、集大成に挑む時期です。
ここまでに経験をたくさんしていれば、どんなに大きな挫折や失敗も、この時期に入ると、「なるほど、失敗も大切な経験だったなあ」ということに気づくはずです。
まさに実を結ぶ勝負の時。
実りを大きくさせるためには、ここで今一度「目的」の設定を改めて問い直すのがいいです。
「なんのために?」と自分に問いかけるのです。
実りの時期には、それまで追い続けてきた表面的なものと、実は内面的に求めていたものの中身との差を広げない、つまり、外側も内側も一致させることが大切だからです。
そうすれば、筋の通った「誠実さ」が、内なる輝きとなって、神々しさを増していくに違いありません。

「冬」は人生の終い方を意識しながらまとめあげる時。
さあ、いよいよ人生終盤の「老年期」です。
人生の総仕上げに入る準備に入りましょう。
これまで必死になってかき集めた、お金や名声、権力も、あの世には意味がない。
それよりも、生きているうちに、どれほど人に与えられたかに尽きることを悟るのです。
生きているうちに、たくさんの「ありがとう」をいう。
生きているうちに、たくさんの「ごめんなさい」をいう。
生きているうちに、たくさんの「お世話になりました」をいう。
そして、必ず「いい人生だった」と締めくくること。
それが、冬の時期を迎える人の大仕事になるのです。

季節をまたぐ時の注意点

ここで注意点が一つ。
季節をまたぐ時は、誰もが「危機」を迎えるということを知っておきましょう。
これまで慣れ親しんだやり方を捨てて、新しいステージに上がる時は、どれもこれも手放したくない!と、がめつくなれば、両手は塞がり、何もつかめなくなり、苦闘する時間が長引きます。
それは大変もったいないこと。

成長の時は
必ず「喪失」が伴う。
だからこそ「獲得」がある。

永遠に増え続けることを目指してはならないのです。

「喪失」は、どうしても大なり小なり痛みが伴います。
でも、その痛みとは、自分の不完全さや弱さだったりするので、自分を振り返り、次のステージまで持ち越さないことです。
そこから目を逸らさずに、見つめることができたら、次のステージが気持ちよくスタートさせることができますのでチャンスなのです。

成熟とは、完璧になることではありません。
自分の限界を受け入れることで、新しく開かれるということに気づき、足を止めないことなのです。
そうやって、手に入るものの「豊かさ」に気づけたら、間違いなく最高の人生の締めくくりとなり、後に残る人たちに、たくさんの叡智を渡していくことになるでしょう。

鶯千恭子(おうち きょうこ)


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