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建築家の田根剛さんの展示を見てプロセスに驚いた話

ずっとInstagramストーリーズをネチネチまとめていたのですが、久しぶりに美術展の感想を書きます。とってもよかった〜〜〜〜!

田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ─ Digging & Building

田根さんのことは正直ほとんど知らず、なんとなく今建築の展示やってるんだ〜行ってみよ〜くらいのテンションで訪れたのですが、ポスターのビジュアルをよく見ると情熱大陸で見たことある!!となって、ちょっと知ってた!良かった!となる程度の前知識でした…

膨大なリサーチ

スーパーインスタ映えスポットになっているこちら…!
田根さんはどのプロジェクトでも「場所の記憶から建築を考える」という考のもと、場所から連想されるイメージやテキストを膨大に出し、分類・調査し、思考を深めていくという手法をとっています。なんだか、すごくデザインです。。

今回の展示用はその中でも「記憶」そのものをリサーチするという実験的試みの場となっていました。

何個かのワードからグルーピングされたイメージたち。ワード自体も非常に興味深くて、ちょっと考えさせられます。

幻想≠記憶である

象徴は記憶の原点である

複雑性に記憶はない

ケーススタディ

こんな手法が実際の仕事ではどのように生きてくるのかということを、ケーススタディを紹介しつつプロセスから完成まで追うことができました。
ただ一番ワクワクして納得感のあった新国立競技場のデザインは採用に至らなかったので模型まででしたが、プロセスが面白かったです。

〈新国立競技場案 古墳スタジアム〉 東京 2012
image: courtesy of DGT.

新国立競技場があるこの土地は、明治神宮の外苑にあたります。内苑である明治神宮は明治天皇・昭憲皇太后が崩御した際に、国民の熱誠により建立された鎮守の意味合いが強い建物です。
この内苑と外苑の連続性を持ちつつ、新しい建築物を建てるためのコンセプトとして「古墳」というモチーフを導きだしています。古墳は日本のピラミッドであり、古代最大規模の建築物でもあり、お墓でもあるので鎮守の意味合いも持ちます。土地の歴史から考えるとこれ以上ないモチーフと感じました。

古墳自体についても様々な側面から調査しています。

結果は周知の通り、ザハ案が採用→のちに再コンペ 隈研吾案採用となりましたが、プロセスを見せてもらうと非常に納得感のある提案でした。うーん、見たかった!

アイデア→プロトタイプ(大量)→模型→プロジェクト全体の動画
がそれぞれの建築物で展開されており、大変見ごたえある面白い展示でした。

規模の大きい建築物はコンペが多いようで、最後にコンペに出したものたちがずらっと展開されていました。

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建築家の制作プロセスの検討が全くつかなかったのですが、こんなやり方もあるのかと非常に勉強になりました!ぜひ田根さんの設計した建築物に訪れたい〜と思いました。

田根 剛|未来の記憶 Archaeology of the Future ─ Digging & Building
東京オペラシティ アートギャラリー
2018年10月19日[金]─ 12月24日[月] 休館日 月曜日

クリスマスまで!

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