会話とは合法的に他人の発言権を奪い、自分に発言権を持ってくるゲームだ

上の2つのノートはここに集約して完結するのですが、

会話とは場の空気を乱さず、相手の発言権を封じ込め、自分に発言権を引き寄せるゲームなのではないか。

それは生き死ににも近い緊張感と快感があり、だから人は集まって話したがるのではないか

という話です。

認知科学の本で、複数人が集まってなにかやるのは「恊働」であり、全員が同じ場を維持するよう努力しないとなりたたない・・・という話がありました。例えるなら、大人が子供にお説教していたとしても「お説教をする大人」「お説教を受ける子供」双方が努力しているからお説教の場が成立する。子供が「知ったこっちゃない」と逃げ出すとお説教の場は成立しない。

その場を維持しながら、会話参加者の間で「誰が今発言していいか決める」を行い、その人に発言権を渡す。どうしてそれができるかというと、一つは場を努力して成立させようとしているから。もう一つが仕草や目線、表情で「つぎは私が話す番」「今度はカレが話す番」と順番を形成しているからだというのです

重要な事なのでもう一回書くと

ルール1:その場の秩序は崩してはいけない

例えば「殴って相手を黙らせる」というのは文明社会では秩序を乱す事なので忌憚される。ヤンキー社会だとそれはOKになる。

ルール2:発話する権限は一人に与えられる

他人が喋っているのに自分が話つづけるのは場の秩序を乱すのでNG。ただし先生と生徒のように、場を支配しているのが先生ならばそちらの秩序が上なので、生徒の発言を被せて先生が発言することができる

ルール3:場の秩序を乱した場合、実力行使による退場もありえる

ありていにいうと、日野皓正、教え子の中学生ジャズドラマービンタしたみたいな感じです。


これらのルールをの中で、発言権のやりとりをするのが「会話というゲーム」=「群れの中での生存確率を高める、生き死にの快感」なんじゃないかと仮説を立ててます

ではどうやって人は相手の発言権を奪い、自分の発言権を主張するのか。

・身振り手振り 
→シンプルに手を上げ、次の発言権を主張するということもできます。
→話を聞きながら、????って身振りをすることで、現在の会話に疑問があると主張し、それにより次の発言権を得るということもできます

・表情
→これも身振り手振りと同じように感情をあらわし、次の発言権をえる行為です。
→また場の秩序が「現在の発言者に肯定的」だった場合、笑顔を見せることで「今から、現在の発言者の会話内容を肯定する内容を話します」ってアピールすることで、発言権を得るということもできます。

・威嚇力
→見た目、とも近いですが、単純に背が高くて筋肉が大きい男性ほど攻撃力が高く見えるので、威圧することで発言権を奪い取れます。殴ったらアウトですが、殴らなければセーフなのです

・身体的距離感
→これもシンプルに、現在の発言者のドマン前に立てば、あなたに話がありますという無言の主張になります

・身体的接触
→男性同士でも、肩を叩いたりすることで、「俺は今からお前に話すから、発言権をくれ」という合図に
→女性から男性の場合、シンプルに水商売(キャバ嬢や地下アイドル)の色恋営業を思い出してくれたらOKです。例えばそっと手を握られ、胸元によせられたらたいがいの男性は無言になります。

・見た目
→上記の色恋営業スタイルの場合、可愛ければ可愛いほど、また相手の性癖に刺されば刺さるほど効果があります

・服飾
→見た目とほぼ一緒。ミニスカートの女性が隣に座ったら、目線を外せなくなり、喋られたりしたら無言で聞いてしまいます

・目新しい話題
→やはり人は自分の知らない情報を出されると、好奇心で聞いてしまいます。これにより相手の発言権を奪い、自分の発言権を得ることができます。
→これだから、人はお金をかけてでも新しい話題のためにガジェットを買ったり、ソシャゲのガチャを回したり、旅行に行くのかもしれません


これらを駆使して人は発言権をえる努力をしているとも言えます。そしてこれらのいくつかはZoomやVRでは使用することができないのです。

使用できないからこそ、人は「今自分が発言する権利があるのか? 場を乱していないのか?」と不安になり、Zoomだとマイクをオフにするということになっていると思います。
発言権が無い人間が発言するのは場の秩序を乱すこと=Deathだからです。

また発言権の無い人間による、非口頭コミュニケーションの手段がないのもZoom等の欠点かもしれません。例えば社長がなにか偉そうな事を言っているとき、ふと隣の人と目線が合い「なにいってんだ、この社長」と苦笑いをする。そういった事ができないのも現実からの劣化の一つかもしれないです。

あとはこれらを加味し、「現実をキレイに模倣した会話ツールを作る」のかそれとも「現実の模倣は無理なので、現実の一部を誇張しブーストするような新しい会話ツールを作る」かの二択が迫られていると思います

この先が出来上がったらまたnoteでも書こうと思います。

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