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【速報】MDMAの知られざる恐怖・効果・治療用との違いについて。【沢尻エリカだけじゃない】

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沢尻エリカ、合成麻薬MDMA所持にて逮捕。

お昼に緊急速報で流れてきましたね。沢尻エリカさんが、MDMAを所持していた容疑で逮捕されるという事件です。

MDMAは、アメリカをはじめとした欧米諸国で大流行している合成麻薬です。エクスタシー、バツ(×、罰)、タマ、アダムともいわれており、日本国内でも非常に検挙数の多い薬物のひとつです。

今回は、MDMAがナゼ危ないのか、医療用の薬物とは何が違うのか?といった点にフォーカスして、MDMAの正しい認識を深めてもらえるような記事を書いていきますので、どうぞご覧ください。


MDMAと覚せい剤はマジでそっくり。

ちょっと化学的な話になりますが、難しい話は一切ないので、ちょっと見ていってください。

覚せい剤とMDMAはとても似たカタチをしています。MDMAが脳や神経に作用するのは、そもそもカタチがとても似ているからです。

覚せい剤の構造がコチラ↓

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MDMAの構造がコチラ↓

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MDMAと覚せい剤って、左の青い枠でくくった部分以外はすべて同じカタチをしているんです。だから、覚せい剤ととても似たような効果を持っています。

MDMAは覚せい剤とは違うから大丈夫。とかそういう話が的外れなのは、カタチを見てみればすぐわかることです。依存性をはじめとする副作用はこのカタチから来ています。

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なぜ、この話をしたかというと、MDMAのそもそもの生まれに関係しています。

覚せい剤は古くからある薬です。実は日本では1941年に大日本製薬によってヒロポン(疲労がポンと飛ぶ)という名前で販売されたのが最初で、それ以降大量に使用されました。第2次世界大戦など夜の戦いにおいて、強制的に起きるために使われたというのは薬学的には常識です。

覚せい剤は、古くから使われている薬だったために規制されるのも非常に早かったのです。欧米諸国はもちろん、アジアでも所持が規制され、最高刑を死刑とする法律すらあります。

MDMAは、覚せい剤とは形が似ているため、とても製造しやすい薬物であったことに加えて、微妙に形が違うため、法律から逃れるための逃げ道として、粗製乱造されることで、急激な広がりを見せていったのです。

現在では当然MDMAの所持は麻薬取締法違反になりますから当然違法です。

しかし、いったん出回ったドラッグはいつまでたっても流通し続け、庶民を傷つけます。


MDMAはそもそも薬効とか以前にヤバいという話。

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そんな歴史をもつMDMAの何がヤバいかというと、そもそも品質が全く保証されていないことにあります。

有機化学の基礎的知識があれば、MDMAは誰でも製造できていまいます。そのほとんどは、医薬品のように安全基準を満たした工場で生産されることはありません。街角、キッチン、路地裏、廃工場。そんな場所で適当に、マスクもつけない、教育も受けていないような人が作るMDMAが流通するのです。

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↑これ全部MDMA。

色がカラフルなたくさんの種類の錠剤、カプセル、座薬など、さまざまな形が作られるのには、ここに原因があります。つまり、そもそも医薬品として流通していないので、適当に作った結果でしかないということです。

したがって、これはMDMAだ!と販売されているMDMAのほとんどに、何かわからないような不純物が含まれていることが判明しています。さらに、そもそもMDMAが入っておらず、糖尿病の薬が入っていたりということも報告されています。

さらに、錠剤によってMDMAの含有量が1~20倍程の差があるという報告もあり、中身に何が入っているかわからないドラッグ部門第1位なのは間違いありません。

ですから、適当にながれてくるMDMAを買うことや、ましてや使用することは危険以外のなんでもないことを知っておきましょう。


やめられない。これが私のライフスタイル

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MDMAの作用は3Eと言われています。
エネルギー:Energy
共感   :Empathy
陶酔感  :Euphoria

2014年のイギリスにおいては取り締まりレベルを最大のAに設定していたのにもかかわらず、使用者が95,000人も増えてしまうなど、MDMAは”強力”という言葉では表しきれないほどの強い依存性と拡散性を持っています。


MDMAのもつ副作用について

まぁ書き始めるとキリがないのですが、一応書いておきますね。

■循環器系の副作用
高血圧、血管壁損傷、血栓症、脳梗塞、頻脈、不整脈、低血圧
■頻度は低いが確実にMDMAが原因となる副作用
 開口障害、歯ぎしり、強烈な不安、二日にわたる症状継続
■死に至る副作用
 41.5℃を超える高熱、横紋筋融解症、セロトニン症候群、急性肝障害、低ナトリウム血症、脳浮腫

などなど、さまざまな有害作用を引き起こす原因になります。

先ほど書いたように、何が入ってるかわからない、どのくらい入っているかわからないのが、MDMAというドラッグです。これ以外の副作用が出てくる可能性も十分あります。


治療に使われるMDMA

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MDMAには、トランスする以外のメリットは何もない。覚せい剤は利用価値があるが、MDMAは有害でしかない。という考え方が長く続いていたのですが、最近はMDMAの治療効果も注目され始めています。

近年、アメリカの心理学領域においてMDMAがPTSDの治療に使えるのではないか?という仮説が発表され、現在臨床試験が行われているのです。

PTSDとは、Post Traumatic Stress Disoder=心的外傷後ストレス障害のことです。戦争やDV、性的暴行などの強いストレスを受けた後に、それがフラッシュバックしたり、強い不安や緊張のせいで生活に支障がでる病気のことです。

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この臨床試験での重要なポイントは、心理カウンセラーが行う心理療法の”補助”としてMDMAが使われる。という点です。

患者に毎日MDMAを飲んでくださいねー。というのとは明らかに異なります。

したがって、MDMAは確かにPTSDの治療に注目されている薬剤ではあるものの、患者が自由に使うことが認められているわけではありません。

実際に、試験中でも副作用による脱落も多く見られ、MDMAではない代替薬剤の開発が急速に求められている。というのが正しい見解です。


まとめ

どう考えても、適当に作られている裏ルートのMDMAを使うのはアホのやることです。MDMAがきれいなまま入っているならともかく、そもそも正規ルートでの流通がありえないMDMAを使うのは全くの無知としか言いようがありません。

私、個人的には少なくとも科学的な根拠があって治療的に使うなら、それは麻薬であれ何であれ合法にすべきと思うのですが、趣向用に使ったり、体を壊すような使い方をするのは本気で反対なんです。だって、本人も家族も周りの人もすべて傷つけますから。

MDMAを使える心理カウンセラーが日本には存在しえないので、PTSDのヒトだったとしても推奨できるものではありません。ですから、本当に手を出さないようにしてほしい。そう思います。

依存症の本当の怖さについては、以下の本を読むのがオススメです。お願いですから、対策はしっかりしてください。人生が無駄になります。




市販薬、ブロンの薬物乱用についてはコチラ。


おしまい

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引用

Davies, N., English, W., & Grundlingh, J. (2018). MDMA toxicity: management of acute and life-threatening presentations. British Journal of Nursing, 27(11), 616–622. doi:10.12968/bjon.2018.27.11.616

Schenk, Susan, and David Newcombe. "Methylenedioxymethamphetamine (MDMA) in psychiatry: pros, cons, and suggestions." Journal of clinical psychopharmacology 38.6 (2018): 632-638.

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