見出し画像

【未来予想】10年前の未来予想の答え合わせをしよう。当たる予測とあたらない予測の違いとは?

AIの進歩によって未来が変わる!
新型コロナは収束する?しない!?
ドローンが普及して宅配便が超普及する?

10年後、30年後の世界はこうなる!という情報がいぜんにも増して大量に出てくるようになりました。世界がまるっきり変わってしまうかのような情報がたくさん溢れています。

これらの未来予測は本当に当たるのでしょうか?

未来予測には根拠がないものがたくさんあります。でも、あまりにも「それっぽく」書かれた未来には漠然とした期待や不安を与えてしまうものもあります。

今回は、2010年が10年後の2020年を予測した未来予測を集めました。
未来予測がちゃんと当たっているのかを検証していくとともに、当たる未来予測と、外れる未来予測の違いを振り返ってみました。

未来予測のコツを解き明かしましょう!


■自家発電装置⚡

2000年の予想では、燃料電池の進歩によって洗濯機ほどの大きさの自家発電装置を買えるようになる。そしてその電池の副産物は水だけになるだろうとの予測がなされています。

結果は残念ながらハズレ。
しかし、バッテリーは確実に進化しています。ハイブリットカーはさまざまな家庭製品を動すための電力供給減として使えます。

さらに、家庭用バッテリーは冷蔵庫を10時間動かす程度の電気を保持することができるようになっています。未来予想の自家発電までは進化できなかったものの、かなりの蓄電ができるようになったと言えるでしょう。


■体中の血管のなかを旅できるようになる💉

ヒューレットパッカード(HP)研究所のスタンリーウィリアム氏によれば、体の中を遠隔操作で移動していくセンサーが集めた情報を受け取ることで、血管の中を旅する体験ができると予想しています。

結果は、ほぼアタリ!

個人レべルで自分の身体を旅できるほどではないものの、VR技術の進歩によって、シミュレーションがつかえたり、治療計画や手術支援にVRが利用できるようになりました。


■学習する家事ロボット🤖

家事ロボット

科学技術振興事業団が行った技術予測では、2020年には学習する家事ロボットが開発されると予測されていました。

結果は、言わずもがな正解!

ルンバや類似製品が広く普及し、買おうと思ったら誰でも全自動のお掃除ロボットを手に入れることができるようになりましたね!


■お店に行って服を買う時代は終わり!?👚

画像2

2010年にフォーブス誌が2020年の未来予測を行う企画では、お店に行って服を買う必要はなくなる。道行く人を見ながらほしいものがあれば、その場で買うことができるという未来が示されました。

結果は、惜しい!

街中のヒトが着ている服をバシッと識別して買うことは、まだできません。しかし、DtoCブランドの台頭によりお店に行かなくてもネットで服を自由に買える時代になりました。もちろんAmazonやBUYMA、メルカリなどの大型プラットフォームもあって、お店よりもスマホで買える服の方が多くなりました。


■アルツハイマー病の進行阻止が可能に?🧠

日本の学者による2010年の予測では、2017年にはアルツハイマー病の進行阻止が可能になると言われています。

結果は残念ながら、ハズレ

製薬メーカー各社、新しいアルツハイマー病治療薬の研究を行っているものの、副作用が強かったり効果が弱かったりして開発が中止されたものがほとんど。

現在も治療薬の開発が行われていますが、進行阻止はまだまだ不可能です。現在は進行スピードを抑えることしかできません。


■中国のGDPが米国を超える💴

2020年に中国のGDPが米国を超えると予測されていました。当時この予測は的を外した尖った意見というわけでもなく、多くの専門家が中国の急伸を予測していました。

しかし、結果はハズレ。

確かに何年かしたら中国がアメリカのGDPを抜く可能性は十分に考えられます。しかし、2020年中に達成するのは難しそうですね。


■あたる予測とあたらない予測の違いは・・・?📈

画像1

この記事を書くにあたって、いくつもの10年以上前の未来予測を発見し、それが実現したかどうかをチェックする作業を行いました。

2010年付近で行われた2020年の予測を中心にそれらを確認していくと、今後10年は実現が難しい予測もあれば、すでに実用化されているテクノロジーもあり、この差は一体どこから生まれるのか一つの結論にたどり着きました。

どうやら、
外れる未来予測には一定の法則性があるのです。

ハズレ:Aができた → Bもできるハズ
アタリ:A → B → C → D = Eができる

ハズレの未来予測の代表パターンは、Aというテクノロジーがある → Bができるようになるだろうというような直線的な未来予測。これはほとんど当たりません。

例えば、発電技術がある → 家庭用の小さくて高性能な自家発電機が普及するだろうという予測は大きく外れています。これは、テクノロジー上の実現可能性だけを考えた予測であることが敗因だと思えてしまうのです。

大規模発電所による安定した電力供給があれば、家庭用の自家発電機の需要は上昇しませんよね。社会的な要請なども考慮しないと未来は正確に予測できないのです。

逆に、A→B→C→Dという流れのなかで、次はEが来るだろうという予測は外れにくい傾向にあります。

例えば、ルンバは部屋をマッピングする程度のAIと、衝突に対して方向変更を促すAI、家を走り回る車輪と活動時間を保持するバッテリー。家事の自動化の社会要請などが上手くマッチングして実現したテクノロジーです。

正しい未来予測をしたいなら、多角的・長期的に分析することが必要です。


■未来予測の最適解?SINIC理論

オムロンが提唱している未来予測理論、SINIC理論。

SINIC理論では、科学と技術と社会のそれぞれが絡み合うことで、社会のニーズを先取りした経営を行うための方向性が示されています。

SINIC理論は1970年に発表。PCもインターネットも存在しない時代に情報化社会の出現を予測するなど、社会システムを高い精度で描き出しています。

この理論の大きな特徴は、原始時代、集落社会までさかのぼって、工業化に至るまでのテクノロジーと社会、技術の進化を俯瞰で確認しつつ未来を予測するところにあります。

未来を予測するときは、過去10年の情報を探る程度では不十分なのでしょう。人間の歴史全体を振り返ることで、やっと100年前後の未来を高精度に予測できる。

この観点から、投資家情報なども非常に当たりにくい性質を持っています。
投資家情報は、まさにAというテクノロジーがある → Bが来るという予測がほとんどであり、長期スパンを考えた予測となっていないことが原因でしょう。

正しい未来予測には、
長期的な歴史分析が必須です。


■直近2年を予測する正しい方法とは

そして、数年単位の比較的短い期間における予測では、知識と予測を常にアップデートする必要性が示されています。

超予測力には、生まれつきの能力や専門知識にとらわれず、正確に未来を予測する方法が記されています。一般人であり専門家ではないのにも関わらず、プロの予測者たちを上回るパフォーマンスを出すことに成功した専門家は一体なにが優れているのでしょうか?

注目すべきポイントは、彼らは予測する”方法"を知っていたということ。超予測力、オススメ本です。




引用
https://wired.jp/2000/07/06/2020年、世界はこうなる/
http://miyamotokent.jp/archives/159](http://miyamotokent.jp/archives/159
https://www.forbes.com/2010/04/08/john-maeda-design-technology-data-companies-10-keynote.html#16429d696eeb
https://spc.jst.go.jp/experiences/rondan/nr10_003.html

私の記事は、ほとんどが無料です。 それは、情報を皆さんに正しく、広く知っていただくため。 質の高い情報発信を続けていけるよう、 サポートで応援をお願いします。