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爪を噛む癖があるヒトは30%もいる。カンタンに出来る癖を直す方法をご紹介!

 爪を噛む癖を持つ人は人口の20~30%もいると言われています。7~10歳をピークに減少し、35歳までに10%~20%に減少しますが、成人になっても爪を噛む癖は抜けない人も多いです。女性の方が男性に多いと言われています。

 心のストレスが原因とかいろいろ言われている爪を噛む癖なんですが、G一般的に知られている知識には"間違っているところも多い"ので、今回は爪を噛む癖について真面目にまとめてみました。

・爪を噛みすぎることのリスク
・爪を噛む原因
・爪を噛む癖を直す方法

 これらを最新の研究に基づいてご紹介していきます。実際に爪の写真なども見せて爪がどんな風になってしまうのかを確認していきますよ!


爪を噛む癖のリスクについて

1. 爪自体の変化

 この写真の左は45歳、右は67歳の爪を噛む癖のあるヒトの爪です。爪が短く不規則になり、不規則なキューティクルとなってしまっていることが分かります。こういう爪、見たことありません??

 頻繁に爪を噛むと、爪が伸びる速さは早くなるのですが、爪がどんどん短くなっていくことが分かっています。それと共にメラニン細胞が活性化し、爪周囲炎という炎症を引き起こすことが分かっています。


2. 口と歯の合併症

 爪を噛むことで、爪から病原菌が口の中に移ることが分かっており、大腸菌を始めとするエンテロバクター属の細菌が口の中で繁殖します。

 これらの悪玉菌は、歯科治療では大問題を引き起こす場合があります。歯肉の腫れ、歯の噛み合わせの悪さ、顎関節症の原因となるとも言われています。特に医療従事者は多剤耐性細菌であるMRSAの感染原因ともなるため非常に問題視されています。


爪を噛む癖を直す方法

 昔は爪を噛んだらとがったもので罰を与えたりすることもやられていたみたいなんですが、それはほとんど効果を示さないことが明らかになっています。

  一番効果的なのは、『ビターネイル』です。このマニキュアのようなものを爪に塗るだけです。癖で爪を噛みそうになると、この苦みが我に返らせてくれるという仕組み。めちゃくちゃ苦いですが、体の中に入っても大丈夫な成分でできています。ビターネイルは調べていくと色々な商品があるのですが、分析試験も行っている信頼のおける製品がコチラです。

 ビターネイルは皮膚科医が簡単に使用できる治療オプションの1つとして、2016年のJournal of Dermatological Treatment誌にも掲載されている方法なので個人的には結構オススメの方法です。


 薬物療法としては、SSRIや3環系と言われる抗うつ薬などが使われることがありますが、あまり効果的ではないことが明らかになっています。これらの薬剤は副作用がありますし、やめるのも大変なのでオススメしません。

 他には、抗酸化物質であるNアセチルシステインという物質が爪を噛む癖について効果的であると言われているのですが、この物質は副作用が強く、胃腸障害や頭痛、吐き気などがそこそこ出てきます。私も酔い止めなどとして使ったことが何度かありますが、胃腸があれてしまいあまりオススメできませんでした。


まとめ

 爪を噛む癖は人口の30%が持っている習慣ですから、皆さんが思っているよりもポピュラーな病気です。しかしその事実は意外と認知されていません。リスクもきっちりと理解されている訳ではありませんし、恥ずかしいという感情もあり病院にわざわざ行って治療を受けている人は少ないです。

 いざ病院へ行こうと思っても、皮膚科に行くべきか、内科なのか、精神科なのか、歯科に行くべきなのか、診療科の検討もつきません。ちなみに、この中に正解はありません。強いて言うなら、私なら皮膚科に行きますが、ストレスの多い職場なら精神科でしょうし、子どもなら小児科かもしれません。ちゃんと見てくれる先生がいったいどれだけいるのか...

 今の段階で私たちがとるべき選択としては、とりあえず「ビターネイル」から試すというのが一番手っ取り早いと思います。それでもダメなら皮膚科へ!


引用
Halteh, Pierre, Richard K. Scher, and Shari R. Lipner. "Onychophagia: a nail-biting conundrum for physicians." Journal of Dermatological Treatment 28.2 (2017): 166-172.

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