フォーカスのコピー

ちゃんと歯ブラシ殺菌消毒してますか...? その歯ブラシ、ばい菌まみれですよ。

ハイライト
・ヒトの口の中には連鎖球菌を始めとしたばい菌がいっぱい
・風呂場に歯ブラシ置くのはヤバい
・歯ブラシホルダーはキーボードよりもばい菌がいっぱい
・電子レンジは殺菌効果が高いけど・・・

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ヒトの口には、ばい菌がいっぱい

ヒトの口には連鎖球菌をはじめとしたばい菌がほぼ100%存在しています。空気中にいるばい菌が偶然口の中に入ることもありますし、何かに触れた手などを介して細菌が口の中に入ってしまうこともあります。それらの細菌は知らず知らずのうちに口の中で増えています。

手に触れたばい菌は、手を洗えばとれますが、口の中のばい菌が歯ブラシを介して植え付けられているとしたら...気持ち悪いですよね。

でも、ばい菌は歯ブラシによって媒介されることがとても多いという事実が存在します。


歯ブラシは常にばい菌にさらされている。

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歯ブラシを風呂場に置いているヒト、要注意。

全ての浴室には大腸菌が存在すると言われています。ヒトの身体を洗い流したら、そこに大腸菌がいるのは当然です。だれの身体にも大腸菌はいますから。それが、シャワーの水滴やミストを介して歯ブラシに乗り移って....増殖していくのです・・・


歯ブラシホルダーの汚染率はヤバい。

2012年に家の中のどんな場所に細菌が多いのかを調べた研究を紹介します。

研究では26種類の家庭用品のうち、食器用スポンジが最も細菌汚染を受けていたアイテムだったのですが、歯ブラシホルダーはそれに次いで2位という最悪の成績を残していたのでした...

ちなみに、歯ブラシホルダーは、ペット用の皿、キッチンのシンク、便座、キーボード、ゲームのコントローラ、携帯電話など、いかにも細菌汚染されていそうなアイテムよりも細菌の量が多いという事が判明しています。

汚ねぇ。。。。。

当然、歯ブラシホルダーは歯ブラシを立てる物ですから、歯ブラシは相当危険な状態であることは間違いありません。こんな情報、私も知りたくなかったです・・・


乾燥させときゃ大丈夫でしょ!?

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僕もね、思ってたんです、乾燥させときゃ大丈夫って。

でも、残念ながら、”細菌は乾燥させた物体の表面に数カ月程度生き延びることが出来る”というデータが2006年に出ていることを知り、ガッデム!!!!と思わず叫びました。歯ブラシなんて毎日濡らすんだからもはや乾燥では防げないことが明らかです。


家の中に絶対にあるもので何とか殺菌できないものか。

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ここからは、殺菌に役立ちそうなアイテムを家の中から探していきます。

2018年のスイスの名門チューリッヒ大学の研究チームは実際に3つのアイテムを見繕って、細菌をしっかり減少させることが出来るのはどのアイテムかを探していきました。

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エントリーナンバー1番:ウイスキー

こいつはいきなり強力!ウイスキーはアルコール度数は約40度。どんな大男だって一本丸飲みしたらタダじゃすまない酒。細菌なんかあっという間にやっつけられそうですね。

ちなみに実験に使われたのはわずか100mLでしたが、実験前(左)から実験後(右)にはなぜかかなりの量が減っていました。この狂気の実験中に研究チームの正気を保つために必要だったようです・・・(マジ)


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エントリーナンバー2番:電子レンジ

”どこのご家庭にもある科学調理グッズ”と言えば電子レンジ。コイツが放つマイクロウェーブには強力な殺菌効果があることが知られています。

実験チームは1400Wの大出力を60秒間あてることで殺菌できるかを試しました。

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エントリーナンバー3番:ヘアドライヤー

乾燥だけじゃ細菌を殺せなくても、熱+乾燥ならイケるよね!という発想からエントリー。研究チームは2300Wのドライヤーを6cm離して1分当て続けたようです。なんで海外の電化製品ってこんな大出力なんだろ。。。


ご家庭での歯ブラシ殺菌効果が一番高かったのは...

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電子レンジが最強の殺菌効果を示しました!

詳しい話をすると、電子レンジの放つマイクロ波は熱により殺菌効果を示す以外にも、細菌の細胞壁に直接ダメージを与えることで破壊するのではないかと考えられています。

*ただし、ご家庭で試す場合は注意点があります。しっかり最後まで読んで下さいね。

ウイスキーは最も殺菌効果を示しませんでした。

一般的に殺菌効果を占めるエタノール濃度は80%前後と言われているので、40%程度のウイスキーでは効果を示すことが出来なかったようです。

ヘアドライヤーは、2つの中間程度の殺菌効果でした。

電子レンジよりは弱く、ウイスキーよりは強く効果がありましたが、海外のハイパワードライヤーの話なので、日本のご家庭で試すのはあまりオススメできません。


電子レンジで歯ブラシ殺菌やってみた!

電子レンジで歯ブラシの殺菌ができるという事が分かったので、もうちょっと深堀りして文献をリサーチしてみると、1993年の日本の研究チームがやっている研究を発見!乾燥状態だとわずか2分で検出限界まで低減できるという情報を得て、さっそくやってみました。

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なんかイキったキリンさん的な感じになっちゃいました。

お、奥歯は磨きやすくなったかもね...

かなり歯ブラシ自体も熱を持って危険な感じ。材質のせいかもしれませんが、乾燥状態で電子レンジにかけると歯ブラシが駄目になるかもなんでオススメしません。

*乾燥状態で歯ブラシを電子レンジにかけるのはかなり危険です。ゼッタイに真似しないでね!家事になっても責任とれないよ!

ちゃんと水につけて3分やったYoutubeの動画がコチラ。

私も実際に水につけた状態で試したら、乾燥状態の二の舞になるのは防げました。電子レンジで殺菌したいヒトは絶対水につけて試した方が良いですよ。あと、火事にならないようちゃんと見張ってましょうね。


もっとカンタン・確実に殺菌したいよ・・・

まずはコチラの紫外線を使った歯ブラシの除菌器具をご紹介!

こちらは3分で99.9%の殺菌率を誇る歯ブラシ除菌器です。虫歯の原因となる虫歯菌や、抗生物質の効きにくい緑膿菌などの除菌テストをしっかり行っているので、よくわからん除菌器具を買う位なら絶対オススメの商品です。小さい商品ですが、紫外線の中でも一番強力なUV-Cを放射することができるので、確実な除菌効果が期待できます。

歯ブラシが熱でひしゃげる心配もないので、除菌するなら絶対これがオススメです。私の愛用歯ブラシちゃんの二の舞を増やさないであげてください!


あとは歯磨き粉は殺菌効果の高いものがやっぱりオススメです。”虫歯を防げれば良い”という観点で考えると、フッ素濃度がもっと高い商品がいくらでもあるんですが、歯周病など、他の歯関連疾患も一気に防ぎたいなら、”塩酸クロルヘキシジン”という殺菌成分を含む歯磨きジェル=ジェルコートFがオススメです。

クロルヘキシジンを使って歯磨きをしてもらうと、ただ磨くだけのグループよりも口の中の細菌を半分以下に減らすことが出来ることが2014年のディクル大学の研究によっても示されています。

研磨剤が無配合のため、歯の表面を傷めることもありませんし、発泡剤が入っていないので磨き残しを防ぐことが出来ます。

うがい薬のコンクールFを併用することで、歯磨き後の殺菌効果を長続きさせることが出来ます。磨き残した細菌もこれでしっかりカバーしていきましょう。

歯医者さんに行くとよくこの歯磨きジェルとうがい薬を勧められるのは、しっかりとした殺菌の根拠があるからです。

なんだかんだ、歯ブラシの細菌を少なくしたところで、口に細菌がたくさん繁殖していたら意味がありません。口も歯ブラシも、しっかりケアして虫歯や歯周病のような疾患を防いでいきましょう!!


引用

Donofrio, Robert S., et al. "Are we aware of microbial hotspots in our household?." Journal of environmental health 75.2 (2012): 12-19.

Kramer, Axel, Ingeborg Schwebke, and Günter Kampf. "How long do nosocomial pathogens persist on inanimate surfaces? A systematic review." BMC infectious diseases 6.1 (2006): 130.

Patcas, R., et al. "Whisky, microwave or hairdryer? Exploring the most efficient way to reduce bacterial colonisation on contaminated toothbrushes." British dental journal 225.11 (2018): 1007.

倉田さつき, et al. "重心病棟における歯ブラシの消毒に関する検討." 医療 47.2 (1993): 121-125.

Celepkolu, Tahsin, et al. "A microbiological assessment of the oral hygiene of 24-72-month-old kindergarten children and disinfection of their toothbrushes." BMC oral health 14.1 (2014): 94.

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