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民主主義のメモ

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民主主義について、ニュースで考える。
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2018年12月の記事一覧

ギャンブル依存症を生む日本の仕組み

▼2018年はカジノ法(特定複合観光施設区域整備法)が成立した年でもある。ギャンブル依存…

年末年始に読む本 『樹木たちの知られざる生活』

▼年末年始は時間の流れが変わるから、いつもと違う時間の流れを感じることのできる本を読む。…

日本は「移民大国」であるーー「論点100」を読む

▼『文藝春秋オピニオン 2019年の日本の論点100』に、日本は「移民大国」であることを…

新聞を読む効用 「労働権」を学ぶ

▼まったく知らない言葉を知ることも新聞を読む効用の一つだ。海外旅行好きの友人が、紙の雑誌…

日本の「性差別」のルーツ 前川直哉氏の「男の絆」論に学ぶ

▼『文藝春秋オピニオン 2019年の論点100』に、なぜ日本に男女差別が強いのか、前川直…

読みくらべてみたーー河野外相の「黙殺」報道

▼2018年12月11日に、河野太郎外務大臣が記者の質問を4回無視した。無視というのは、…

「技能実習生」制度の闇 岡部文吾氏の戦いに学ぶ

▼実質的な「移民」政策の第一歩である入管法改正に関連して、筆者がこのひと月で読んだ論説の中で最も感動したものを紹介しておきたい。 それは「月刊日本」2018年12月に載った「時給180円で毎日18時間労働」というタイトルの岡部文吾氏へのインタビューである。(聞き手・構成 杉原悠人) ▼まず、このインタビューは同誌の「奴隷扱いされる外国人労働者」という特集の一環である。編集部の前文にはこうある。 〈「日本は単一民族国家だから、移民を受け入れるべきでない」との主張が一部にあ

「編集」の効用ーー琉球新報のデマ退治で考える

▼12月3日付琉球新報1面トップで、〈ネットで県民投票デマ〉という記事が載った。その後、…

「共生」と「併存」の間 群馬県大泉町のルポで考える

▼2018年11月29日付毎日新聞「記者の目」欄に、移民問題に取り組む「先進自治体」のル…

石井暁氏の『自衛隊の闇組織』を読む(4)班員の精神に起こる出来事

4)班員の精神に起こる出来事 ▼自衛隊の「別班」がどういう動き方をしているのか、その一例…

石井暁氏の『自衛隊の闇組織』を読む(3)調査報道の進め方

3)調査報道の取材の方法論 ▼石井暁氏が一人で始めた取材だが、一人ではとても記事化には至…

石井暁氏の『自衛隊の闇組織』を読む(2)構造的な問題と僥倖(ぎょうこう)

2)「別班を」めぐる構造的な問題 ▼石井暁氏の『自衛隊の闇組織』が迫った「別班」は、なぜ…

石井暁氏の『自衛隊の闇組織』を読む(1)「首相も防衛相も存在さえ知らない」

▼共同通信編集委員の石井暁氏が書いた『自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体』(講談…

「隣人」と「見知らぬ人」の間 米選挙で考える民主主義

▼社会学者の森千香子氏が書いたアメリカ中間選挙のまとめが興味深い(「UP」2018年12月号「ニューヨーク中間選挙に起きた革新候補の小さな波」)。〈下院では史上初めて女性議員数が100人を超えた〉ことや、性的マイノリティ候補、人種マイノリティ候補の躍進、〈下院は史上初めてムスリム女性二人と、さらにネイティヴ・アメリカンの女性二人を擁することになった〉事実が列挙されている。 指名選で最大のニュースは、ニューヨークでは下院議員候補指名選で〈現職で10期20年議員を務める民主党の