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東京ではGWに深作欣二映画の名作が520円で見られる件

▼ゴールデンウィークに入ったので、おすすめの映画の企画を紹介する。

とはいえ、暴力描写が苦手な人にはオススメしない。

▼しばらく休館していた国立映画アーカイブで、4月23日から5月26日まで、「映画監督 深作欣二」を上映している。住所は東京都中央区京橋3-7-6。

▼じつは今日27日が、最大のお目当てだった「軍旗はためく下に」(1972年、96分)を上映していた。有名な「バトル・ロワイアル」(2000年、113分)も今日だった。それぞれ、期間中にもう1回上映予定。

「軍旗はためく下に」は、今はアマゾンで400円で見られるようだが、映画館でかかることは滅多にない。作品説明はこちら。

〈戦時中、そして戦後も弱者を犠牲にし続ける「皇軍」の欺瞞を容赦なく暴いた反戦映画。戦後26年経ってもなお、戦地で処刑された夫(丹波哲郎)の真実を探し続ける戦争未亡人(左幸子)が、夫の戦友たちから証言を引き出し、人肉喰いの事実や卑劣な上官の存在を露わにする。〉

▼1日3作上映で、あす4月28日は「血染の代紋」(87分)、「現代やくざ 人斬り与太」(88分)、「人斬り与太 狂犬三兄弟」(86分)。3作とも主演は菅原文太。もう一度書くが、タイトルでわかるように、暴力描写が苦手な人にはオススメしない。

血染の代紋/1970年(東映東京)/スラム出身の郡司(菅原文太)はやくざの組長となり、当のスラムを立ち退かせる仕事を引き受ける。しかし、敵対する組もその土地の利権を狙って郡司と同郷の速水(梅宮辰夫)をスラムに向かわせていた。深作は高度経済成長に隠された、貧しい者たちの受難と抵抗の物語をエンターテインメントに昇華させている。〉

現代やくざ 人斬り与太/1972年(東映東京)/菅原文太「現代やくざ」シリーズ第5作目。チンピラの沖田(菅原文太)は自分の縄張りを作ろうと街の二大やくざ組織の間に割って入る。「いちばん悪いやつが主人公で何が悪いんだ」と居直った深作の演出に、菅原はバイオレントな演技で応えている。深作があさま山荘事件の中継を見ながら脚本を練ったという点も興味深い。〉

人斬り与太 狂犬三兄弟/1972年(東映東京)/『現代やくざ 人斬り与太』の姉妹篇だが物語上の関連はない。刑務所帰りの権藤(菅原文太)は、争いごとを避けるようになっていたやくざ社会に頑として従わず、組の方針を無視して仲間(田中邦衛、三谷昇)と荒稼ぎし始めるが…。姉妹篇ともに、キャメラワークなども含め「仁義なき戦い」シリーズへとつながる凶暴な重要作である。〉

▼この企画の目玉は、なんといっても4月30日の「仁義なき戦い」(99分)、「仁義なき戦い 広島死闘篇」(100分)、「仁義なき戦い 代理戦争」(102分)3本立てだろう。前2作は、前売りは完売だが、当日券で入れるようだ。

▼個人的にオススメは、5月2日の「県警対組織暴力」(101分)。これも「仁義なき戦い」に劣らぬ傑作だ。笠原和夫脚本の妙味を堪能できる。ラストが秀逸。

〈1975(東映京都)/地方都市の警察とやくざの癒着をえぐり出した深作=笠原コンビの代表作の一つで、警察の側から見た『仁義なき戦い』とも言える物語構造を持つ。刑事・久能(菅原文太)はやくざの広谷(松方弘樹)と懇意にしていたが、県警がエリート警部補海田(梅宮辰夫)を送り込みやくざ対策に本腰を入れ始めると、次第に警察・やくざ双方から居場所を無くしていく…。

▼これらがすべて520円で見られる。オススメの理由である。日本の国立映画アーカイブはこれからどんどん充実してほしいところだ。東京メトロ銀座線京橋駅、都営地下鉄浅草線宝町駅、東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅から、それぞれ歩いてすぐ。

(2019年4月27日)

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