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都市の輪廻

元気が出そうだけどちょっと歯がゆい盛岡、宮沢賢治を推しすぎて食傷気味の花巻、そういえば津波があって大変だったけどもう復興したんでしょ?の陸前高田。

他県からすれば岩手県に対するイメージはそんなものなんじゃないだろうか。

4月某日、そんな奥地オブ奥地、遠野市への潜伏と視察の記録。

▼偉人からの解縛

昔々から宮沢賢治と石川啄木におんぶに抱っこしているという悲しき現状がある。

偉人を消費するのではなく、この地からそれを超える人材をどう生み出すかの方が重要じゃなのか。とブツブツ言っていた事もある。

灯台もと暗し。海もあれば山も深く岩手は広い。シェアリングエコノミーの先駆けのような文化があった遠野、そしてここから始まろうとしているポスト資本主義。

理路整然としたカオス、希望の国のエクソダスは意外な場所にあった。

▼ Next Commons Lab、末端から温まる

あらゆる機能を担いすぎた国家はもはや機能不全に陥っている。都市はオープンでしがらみのない小さなムラの集合体となって開いていき、国家は社会保障と防衛だけを行う夜警国家でもちょうど良い。

遠野、南三陸、加賀、弘前、、、、とだいぶ東京から離れた地域から攻めるNext Commons Lab。冷え込んだときは体の末端の手足から温める。東京が日本の脳だとしたら、末端神経である地方から温めていくというのも随分と理に適っている。

▼かめはめ波と元気玉

たとえば高知県の限界集落へ立ち入った一歩はこの場所を生き返らせるという使命感に溢れたものだったとは考えにくい。

新しい特産品、新しいイベント、地域活性化。それもある、それもあるけど気に入った街で楽しく暮らしている。それだけで充分にその街に貢献しているのではないか。

さながらみんなで少しずつ力を出し合う元気玉のようにして街が灯っていく。

どちらが優れているというわけではない。結果として楽しめるのならやりやすい方でいい。花だけでも弱いし根っこだけでも地味すぎる。綺麗に咲くために方法論が共存するに越したことはない。

▼Drink or Die
渋谷界隈のライブハウス、クラブスには何故かオリオンビールがある。これでキマッて沖縄メタルでも聴きながらダイブするのは楽しい。

オリオンビールは不思議と気分がオープンになる。ついつい飲みすぎてしまう地ビールの魔力はこれか。

在住時は鏡月ですら高級品とも思える貧乏学生をしていて気がつかなかったが、岩手はかなり地ビールが盛んな場所だった。

はるばるやって来た東北のど真ん中。どこでも飲めるビールで乾杯するというもの勿体無い

今年のいしがきロックは是非岩手のビールでキマッてYes,Ishigaki,Yes!!!とシャウトしたいものでもある。

▼ザオリクをかけることではない

地域おこし協力隊はジリ貧になった町を救う反魂術師と思われがちな部分もある。その気持ちもわからないでもない。

持続可能に再生するためには滅ぶべきものは滅び、まだ使えるものは使えばいい。

無理して生き返らせても自走できなければ僧侶はザオリクをかけるだけで手いっぱいになってしまう。

回復の魔法よりもレベル上げの方法を知らなければ何も変わらない。

遠回りなようでも楽しくレベルを上げる方法を広めることが、結果としてその土地が栄えることになる。

▼まとめ 百歩と一歩

日本は狭くもそれぞれが異国のように文化が濃密に入り組んでいる。一つの言語で行き来できるというのも奇跡に近い。

何か新しいことをするために、壁をぶち壊せ、断絶など跳び越えろ。そんなロックな魂も素晴らしい。けれど壁があるなら扉をつければいいし、断絶があるなら橋をかければいい。強烈なリーダーシップで百歩飛び越えて街を再生させるのもあるだろう。けれど、そこに住む人の何でもない毎日も新しい文化を創っていく。

そんな一歩が草だらけというのも面白くない。今日も今日とてせっせと獣道を作っている。

#コラム #地方創生 #まちづくり

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