『学習効率を最大化する「科学的勉強法」』  /想起練習/交互練習/緻密化/最も記憶の定着率が高い一回目の復習と二回目以降の復習タイミング/集中学習と分散学習の使い分け/2倍以上点差がついた復習の仕方/1.5倍以上点差がついた答え合わせのタイミング/系列位置効果/状況依存効果/ポジティブステレオタイプ/学校では教えてくれない本番で力を最大限発揮する方法/etc...


今回は、認知心理学によって証明された、もっとも効果的な勉強法について紹介したいと思います。


テスト勉強だけではなく技術取得や運動でも使える、今まで教えられてきた勉強法がいかに間違っていたかということもよくわかる内容になっているかと思います。


人によって勉強のやり方に向き不向きはありますが、
これから紹介するテクニックは人間の脳の原則に従っているので、普遍的で効果的な勉強法となります。



~概要~


□想起練習

・強とは思い出す作業


・長期記憶に保存する~集中学習ではなく分散学習~


・記憶への定着だけではなく、創造性や問題解決能力も身に付く



□交互練習

・伝統的なブロック学習の罠

・応用力や判断力も身に付く




□精緻化

・情報を結びつける、こじつける



□最も記憶の定着率が高い復習のタイミング

・1:5の法則



□二回目以降の復習

・「期間を開けていくのがいい」は間違っていた?

・何回正解したら、もう復習しなくてもいいのか




□集中学習から分散学習の使い分け


・「理解」は集中、「記憶」は分散

・集中学習から分散学習への移行のタイミングは?



□2倍以上点差がついた復習の仕方

・やはりインプットよりもアウトプット



□1.5倍の差がついた答え合わせのタイミング

□系列位置効果とその活用

□状況依存効果

□ポジティブステレオタイプの効果

□学校では教えてくれない、本番で力を最大限発揮する方法

・頭が真白の原因はワーキングメモリがいっぱいになっているから

・多くの人は逆効果なことをやりがち

・緊張や不安を和らげる

etc...





□想起練習

学習したらすぐに復習しましょう、見なおしましょうというのは、実は学習効果は非常に低いことがわかっています。

短期間に繰り返し同じ部分を学習する「集中学習」は、記憶の定着の観点から言うと効果が低いということもわかっています。

理由としては、短時間の間に繰り返し復習をしたところで結局、短期記憶を繰り返し引き出しているだけということになり、長期記憶には移行しないからです。



今覚えたばかりのことを、短期記憶として繰り返すだけで、長期記憶にはいきません。

集中学習は、その時はできるようになったと感じますが、長期的には想起できなくなってしまいます。

そのため、学習直後のテストは解けても、テストが終わると忘れてしまうという状態に陥ってしまいます。



人間が物事を長期記憶に入れるときは、時間が経って短期記憶が長期記憶になるとき、忘れかけて想起できるかできないか、手掛かりがうすくなってきたときに、思い出すことで長期記憶に定着します。

厳密には、忘れてしまうという現象は、実際に記憶からなくなっているのではなく、想起できなくなっているということです。

時間が経って想起しづらくなった時に、想起することによって、長期記憶としての想起する能力を強めることで、思い出しやすくする、つまり、記憶を強化するということになります。

何度も長期記憶から引っ張り出すことで、想起しやすくなり、長期的記憶が増えるような感じになるのです。



勉強とはインプットではなく、思い出すこと。

記憶はできている。思い出すことをできるかどうか。ということになります。



長期記憶はほぼ無限大であり、記憶が増えれば増えるほど、それに比例して長期記憶の要領が増える。記憶容量が足りなくなることはないとされています。

無限に覚えられるのに、忘れてしまったように感じるのは、前述したとおり記憶からなくなったのではなく、記憶の手掛かりが弱まったりして、想起しづらくなったりし、思い出す能力が下がるという現象が起こっているのです。





・記憶を定着させるためには「分散学習」


ここから先は

8,390字

¥ 324

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?