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すぐに「答え」を知りたがる

春の連休に僕らが計画していたものは、山でのキャンプ&ファイアーだった。

その3連休の週末に検査入院することになり、またそこから一転即日退院となり、目まぐるしい人生ジェットコースターに乗ることとなる。おかげで家族は右往左往して疲れ果てている。

次に来たのは前にも書いた病気を調べる、といった情報の洪水。もうこれ以上は耐えられない、というバッドエンドまで調べつくすと心の栄養がほとんどなくなっていた。夜も明け方目を覚まし、だんだんと不眠の気が出てきた。僕の人生は不眠とともになるようなものなので、40も過ぎるとだんだんと傾向と対策というものが身に染みている。

このnoteを書こうとしたのはそういうときである。とにかく不安を吐露することで脳内を整理し、心の栄養をどこからか摂取することにある。もう私は強くあろう、という気持ちより一回思いっきり揺れてそこから何とか回復していく、力を受け流すといったレジリエンス思考に持っていきたいと考えるようになった。うまくできるかはわからないが、やるべき価値はあるのだろう。

そんなときある人生のお悩み相談で、将来的な不安を口にする読者に98歳の染色家・柚木沙弥郎(ゆのきさみろう)さんのアドバイスを耳にした。彼の年齢からみれば戦争体験世代で、将来のことなんて考えてなかった、いつも無我夢中であり、気が付くともうこれだけのことができたのか、あるいはまだまだやり足りないのか、そういう感覚で生きてきた。でも最近の子らはすぐに結果を知りたがる、その道程が一番楽しいのだからそれを楽しめ、それこそが人生、と。僕は膝を打つ感覚がポンっと出た。腑に落ちた言葉である。

娘にも今は有事であり、将来のことより今現在を無我夢中にやるべきだと、何とか気づいてもらうべきだし、親も率先してその思考に飛び込みたい。幸い娘は今絵画に夢中であり、僕も彼女に寄り添いながら妻と3人で協力していきたい。

レジリエンスとはどういう風に獲得していくのかまだわからないが、淡い間接照明一灯と、一杯の水を飲み、うすーい音量でかけたFMを聴きながら、眠れなくなった早朝カタカタと小一時間書き続けるこの時間はとても僕の癒しになっている。書くっていいなぁ。

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