終焉で聴いたキミの唄にボクは花束を添える。設定

終焉で聴いた君の唄に僕は花束を添える。
・世界観
感染者は光の粒となって消えてしまう。通称セカイ病。
互いを思いやる心を忘れた人々は互いに争い合い、国家レベルに進展。
戦争。そして世界は荒廃していった。
一つの噂。
「長い時を穏やかに暮らせる場所【終焉】それが世界の果てにはある――」
まことしやかに広まる噂。
・『セカイ病』
前触れもなく発症する。
症状 
自分にとって幸福を見出した人間が、その幸福を見出した瞬間、気づいた瞬間に消えていく。
決まった症状も前触れも何もなく、本人が感じた瞬間に発症する。
故に、感染しているかどうかさえわからない。

・ラスト
主人公との旅に幸福を見出した彼女は消えていく。
「また会えるように、ずっと唄っていてね。」

主人公
・ボク
アコギを背負い、スクーターで終焉を目指す。
家族は全員セカイ病によって消えてしまった。一人取り残された僕は、幸福というものを探しつつ終焉を目指す。

・キミ
ボクと荒廃した街で出会う。
ボクの唄を聴き、ボクの歌を唄う。
施設育ち。幸福感を得ることに恐怖を感じ、互いを思いやらなくなった施設から抜け出す。純粋な幸福感を探し、終焉を目指す。

あらすじ。
幸福を感じると消える病、セカイ病により荒廃した世界。
瓦礫が多く並ぶ街で唄うボク、その声に誘われ出会うキミ。
共に終焉を目指す。
一つ目の街。
二つ目の街。
終焉とよばれて「いた」街。
旅の果て、幸福は罪なのか。

・プロローグ 始まる世界の中 一人歌った日
荒廃した街の片隅、コンビニだった建物の前に座り唄うボク。
「なんていう唄?」
キミとの出会い。
お互い終焉を目指している。
「唄を歌うなら、聴いてくれる人が必要でしょ?」
そういってスクーターにまたがり、ボクのヘルメットをかぶるキミ。
旅が始まる。

・1.世界の終わり、最果ての唄
一つ目の街。
人が人を襲う、混沌とした街。
誰もが誰も信じない。泣く子ども、壊れる母親。
それでも、幸福が世界を救うと唱え続ける教会の神父。
二人を親身に助け、面倒を見てくれる。
それを見た街の人々。
「あの二人に幸福感を与え、神父は消すつもりだ。俺達もいずれ同じように消されてしまう。ならその前に」
暴徒と化した街人達。目の前で殺される親父を見て、二人は逃げるようにスクーターに乗る。
「この街は、死んでいる」

・2.くもの見える街
2つ目の街
幸福を得ることに恐れを抱かない、穏やかで温かい街。
ゆえに、人々が次々消えていく。
自分でも幸福を与えられると信じている少女と出会う。
二人は歌を作ることで手伝う。
ライブが終わった後、そこに彼女の姿はなかった。
幸福を与えることで彼女は幸福感を得て消えた。
「幸福を与えることは罪なのか」

・3.僕が歌う声を聴いて 笑う君には花束を
終焉と呼ばれる街に着いた二人。
そこには人々なんかいない。みんな、セカイ病で消えてしまっていた。
記されていた民間治療法。
「誰もが一人心に罪を抱えさせ、幸福感を得ないようにする。」
多すぎる墓。それは、生贄に殺された人々の墓。
それでもやがて最期には幸福感を得て消えていった人々。
終焉なんてどこにもなかった。
いや、ここは「人」として死ぬことができ、骨を残すことができる。
だから、終焉の地。そう呼ばれていた。
お墓に花を添えた夕方、キミは語りだす。
こうしてボクと旅をしていて、楽しかったと。探していた純粋な幸福感はボクと出会ったことで得られていたのかもしれない。
この世界はもう生きていくには難しい世界になってしまった。
だから、私はこの幸福を抱えたまま消えてしまいたい。
手伝って欲しい。
――唄を聞かせて欲しい、その唄で私は最後の幸福を得ることができる。
ボクは迷う。思い出す最初の少女。唄うことで幸福を得た少女は消えた。
旅の目的地は存在しなかった。
しかし、探していた幸福は唄うことで見つかるのかもしれない。得られるかもしれない

。キミと二人で消えるのも、悪く無いかもしれない。
ボクの歌声を聞く彼女の目には涙、静かに耳を傾ける。一緒に歌を重ねて。
徐々に光の粒となって消えていく彼女。
自分は幸福か?いや、違う。胸に貯まるのは悲しみばかりだ。
「お願い、止めないで」
静かにそういうキミ。
震える声を絞り出しながら歌い続けるボク。
「ずっと唄っていてね、またね」
それが、最期の言葉。一つになる歌声。
ボクは消えなかった。同じ唄を何度も何度も歌い続けた。
けれどボクが消えることはなかった。
消えた彼女はどこにいるのだろうか。
ボクも消えればまた出会えるだろうか。
キミともう一度出会うために、僕はここで歌い続ける。
終わった世界の中、一人歌った日。

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