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『ファッション』と『孤高』のすれ違い。

昨日は朝から勤務でドタバタしていました。
休みも殆どなく、搬送の繰り返し。
夜中にも帝王切開される方の為に、製剤をお持ちしていました。
お持ちさせていただいた時に「無事にお子さんは取り上げられています」って聞いた時はホッとしました。
朝方、改めて連絡したらお母様も無事だった事。
良かった。
そんな思いになりました。

そんな朝に見ました。
良いVでした。
青木選手の「勝てたら良いね」って言葉は重みがある。
20年闘われてきたからの言葉である。
想い入れの強いファンには響く内容だったと思います。
だがコメント欄を読んで愕然とした。
意味も文脈も伝わっていない。
読み取れていない。
人それぞれの感じ方だが、僕は思った。
もう『格闘技』は終わった。
本気で思った。
これを見た時に思い出したのが『猪木問答』だった。
テメェは怒ってるか!
と、一方的選手に問う猪木さん。
会場は爆笑の渦。
選手も戸惑う。
だが怒りの猪木さんは「言いたい事言え!」ばかりに繰り返す。
「すべてに怒っています!」
俺か?幹部か?長州か?奴等に気づかせろ!
「明るい未来が見えません!」
見つけろテメェで!
強引ながらも筋は通ってるんですね。
問いにキチンと答えたのは棚橋選手だった。
「俺は新日本のリングで『プロレス』をやります!」
答えは何があっても良い。
だが『プロ』としての誇りは持って欲しいんです。
このVも青木選手は(知ったこっちゃねぇよ)って言ってる。
それは僕等にとっての『問い』なのだ。
だが今の時代はSNS先行だ。
ショートカットの切り抜きだけで満足される時代。
線ではなく『点』で咀嚼もなく良い試合だったと片付けられて直ぐに風化される。
味わいもなくなった。
語られる事もなくなった。
僕からしたらインスタ・格闘技ですよ。
インスタ・プロレスでも良い。
その時の見栄えだけを気にする。
満足する。
昔は、選手同士がSEXをしてるのを僕達は楽しんだ。
今はサンプル動画でオナニーしてるだけだ。
選手もファンも。
すごく悲しくなったのです。
ナマモノじゃなくなってるんですよ。
次回のONE大会の対戦カードが発表された。
何もときめかない。
そりゃそうだ。
何の感情も抱かない選手ばかりだから。
『青木真也』が創り上げてきたものに『タダ乗り』する選手達。
話題も作らない。
競技。
何も面白味がない。
武尊選手vsロッタン選手戦を楽しみとするファン。
もう文脈もないのだ。
ファンも『ファッション』なのだ。
これを見ていれば良いんだろう。
格闘技って見ていれば良いんだろう。
それがカッコいいんだろう。
形だけ。
好きだって言いながら、飽きたら直ぐに放り出す。
追求しようともしない。
歴史を学ぼうとしない。
これを見ていれば(自分は違う)と思ってる。
ミーハーなファン。
もう絶望を感じた。
青木選手ファンの方もそうかも知れない。
(『青木真也』を語ってるのがカッコいい)って思ってるのかも知れない。
そんな現在で青木選手は闘わなくてはいけないのか。
悲しい。
そんな想いを抱いて勤務が終わった。
帰ってきてから読んで、聴いた。

安心した。
『青木真也』だった。
青木選手の言葉の深み・厚み。
納得させられた。
昔、中西学さんがカール・ゴッチさんの家にお邪魔して数時間だけお話しただけで『ジャーマン・スープレックスの使い手』と言われた。
西村修選手もゴッチさんの話し相手って事だけで『ゴッチの伝道者』扱いにされている。
これもファッションなんですよ。
形だけ。
乗ってるだけ。
人の名前を利用してるだけ。
そんなの『レスラー』じゃねぇ。
『七光』利用するなら、もっと教えを学ぼうとするはずだ。
学んできたから語られるんだ。
『青木真也』を語るのも実力がいると思う。
知る事によって。
学ぶ事によって。
僕もそうかも知れない。
僕より『青木真也』の知識を持ってる人はいるだろう。
だがその人達は『格闘技』として捉えてる。
僕にとっての青木選手は『レスラー』だ。
だから一月の試合は『格闘技戦』なのだ。
そして『プロレス』だ。
「勝てたら良いね」の禅問答。
「勝つ!」と言わない『青木真也』の魅力が今・現在にある。
だからこそ、この試合はどんな形にせよ観なくてはいけないのだと思ったのだった。

年齢はただの数字と綺麗事言わずに、真正面から向き合う『青木真也』は魅力なのだ。

観る側に媚びない。
降りてこない。
それは『レスラー』だからだ。
最後の闘い。
皆さんならわかっていますよね。
僕達は、死ぬまで闘わなくてはいけないんだから。
それが『勝負』なのだ。
すなわち『生きる』事だ。
それぞれの持ち場で『勝負』する。
プロレスにプロレスラーに教えていただいた事。

『プロ格闘家』
すなわち『プロレスラー』
言いたい事は、ただ一つ。
貴方は孤高なんですね。

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