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僕の大好きな『プロレスラー』

あれは2023年11月の終わりでしたかね。
青木真也選手がONE日本大会に出場されるのを知る。

その頃、いつも青木選手の応援に行く為にシフト変更の融通を聞いてくださる職場の先輩に言っていたんです。
「行きたい!できれば前列で観たいから10万円払っても良い」と。
ボーナスも考えての事だった。
で、セージ・ノースカット選手との対戦が発表された。
正直、相手は誰だって良いんです。
その時は。
で、入場料見たらVVIP席が約40万ですよ!
これはムリだ・・・。
と、思っていたらVIP席は17万円。
三列目、四列目。
これだったらボーナスで払える。
行こう!
購入!
と、思っていたら楽天チケットでのみの購入。
わからない!仕組みが!
どうすればいいんだ。
ドンドンと席は売れていく。
焦る。
そんな時、僕にチカラを貸してくださったのは同じ青木選手ファンのSさんだった。
「私が代わりに先に購入しておきましょうか?」と連絡くださった。
ありがとうございます!
C席を購入。
だが、Sさんが言うには手続きがこないと。
購入完了のメールがこないと。
慌てる僕とSさん。
もうSさんは、17万円払ってくれてるのだ。
ダメだったらどうするんだ!
楽天チケットに電話しても「システムエラーですので。お待ちください」との事。
購入できてる事を祈り、ボーナスが出たのでSさんに振り込んだ。
Sさんから購入完了のメールが届いたと。
QRコードとともに。
ありがとう、Sさん!

年末は本当は青木選手がGLEATに出場するんじゃないかと思って、上司にムリ言って日程空けていたんです。
結局は解説になったので東京には向かいませんでした。
年末はゆっくりできたのですが、2024年 元旦から仕事です。
もう想いは「東京!」でした。
だが、試合2週間前にSさんから「ONEから消防法がとかで座席変更しますとの連絡だ届きました・・・」と。
英語だからわからないらしい。
見たらD席になっている。
おい!
僕はC席だったからSさんに頼んで早めに購入したんだぞ!
それを簡単に席後ろにしやがって・・・。
しかも座席が増えてるんですよ。
これが海外って奴か・・・(遠い目)
Sさんは悪くない。
しょうがない。
諦めも肝心。
2週間、全力で働く。
この3週間が山だった。
24時間勤務5連勤。
一日だけ休みがあって、そのまた24時間勤務5連勤。
頭が痛む。
疲れが酷い。
もう少し。
もう少し。
それだけを思って働いた。
そんな中、勤務明け後に会見を見た。

良かった。
お客さんを信用している青木選手。
そして自分自身の試合であり、納得する為の試合なのだ。
そして東京に向かう前日。
26日は朝から忙しい。
搬送に動き回った。
夜も忙しく、寝ていない。
27日の朝、勤務終了。
家に帰って、お風呂に入り、着替えて。
妻の見送りを受け、淡路島のバスセンターから新神戸へ。
新幹線で東京へ。

新幹線乗車中、会場でフェイスオフがあった。
僕も本当ならば会場で見れる権利があった。
だが、移動中だ どうしようもない。
青木選手は「別に格闘技界に必要な人間じゃないし。潰すか、潰されるか。明日はそれだけです」と言った。
(青木選手はカシン選手への想いをぶつけているんだな」と感じた。
大好きだからこそだ。
だが、僕にはその先の人がいる。
『津軽のじょっぱり』だ。
この方に僕もどれだけ影響受けただろうか。
最初の目標にあげたのは、スタイナーブラザーズだった。
本当かどうか。
デビュー当初は、自身を出していなかった。
出しきれていなかった。
だが、藤原喜明選手との謎の30分時間切れドロー。
猪木さんから「闘いがあった」と言わせた 新日本vsUインターの対抗戦 第一試合。
永田裕志選手とのヤングライオン杯決勝戦。
そして猪木さんの付人として、いつも側にいられていた。
色んな事を想い出す。

久しぶりの東京。
三か月ぶりだ。
宿に向かう。
この日は、休養日に充てました。

試合当日。
午前中に鈴木秀樹選手のCACCセミナーの見学に行く為にアカデミア・アーザさんへ。
鈴木秀樹選手から「青木を応援してあげてください」とのお言葉をいただく。

本当にありがたし。

セミナー後、有明に向かう。
今回、本当にお世話になったSさん。
大阪のIさん。
熊本のMさんと出会う。
有明ガーデンでお茶する。
頼まれていた物をお渡しする。
喜ばれていた。
色んな青木選手のファンの方とお会いした。
皆さん、青木選手を応援・観に来られているのだ。

会場に向かう途中に思った。
青木選手の格闘技戦は三回目の観戦だ。
2019年3月の両国国技館大会。
あの時は最初は2階席を取ったが、前で観たい!との想いで急遽枡席を購入したのだった。

勝った時は本当に嬉しかった。
次は、2020年の渋谷でだった。
その時、僕は服用しているお薬を淡路島に忘れて来てドキドキして試合どころではなかった。

色んな事を思い出す。
僕は今の格闘技はわからない。
でも『青木真也』が大好きなのだ。
その気持ちを持って観ようと思った。
会場の有明アリーナに到着。

デカい。
圧倒される。

行列だったがVIP席は、専用ゲートがあったので皆さんと別れて入った。

席も思ったより近かった。

他のカードは興味ない。
『青木真也』が観たいのだ。
ただ、スマホのバッテリーが少ない為モバイルバッテリーを用意していたのだが、そのバッテリーの容量がなくなっていた。
オーマイガー!
省エネだ。
青木選手の試合以外は撮らない事にする。
試合は判定で進む。
何も興味がわかない。
アンダーカードが終わって、メインカードの開催式だ。
だが、青木選手は出てこなかった。
(何かあったな)
嗅覚が進む。
バッテリーが少ないがSNSを見ると、ノースカット選手の欠場を知る。
第替え案として、僕が知らない選手と試合する事を知る。
青木選手は試合をすると。
やる。
一寸先はハプニング!
これぞ『プロレス』なんですよ!
断らないのが、真っ当するのが『レスラー』です。
これを聞いた時に思い出したのがケンドー・カシン選手や藤田和之選手だった。
藤田和之選手は逃げましたか?
カシン選手は逃げましたか?
猪木さんの一声。
「頼むぞ」で受けてるんです。
これぞ『プロレスラー』です。

さぁ試合が始まる。
バカサバイバーが有明アリーナに響き渡る。
青木選手の入場だ!

セコンドには、ケンドー・カシン選手!

もう泣かずにはいられない。
涙腺崩壊だ。
大声で「アオキー!」と叫ぶ。
この光景見た時、藤田和之選手vsミルコ・クロコップ戦を思い出した。
決死の藤田和之選手。
セコンドにはカシン選手なのだから。
知らない選手と急遽するって絶対に怖い。
やらなくて良いんだから。
それでもするんだ。

試合開始。

快勝。
会場爆発!だった。

『青木真也』が全部持っていった。
掻っ攫った。
まさしくイノキ・イズム。
こういう風になる星で産まれた男。
SNSでは「コソボ!」と騒いでるけど、青木選手なら言うでしょう。
当たり前だ。
カシン選手がセコンドにいるんだから。
『青木真也』の文脈にはカシン選手は絶対なのだから。
仕事を真っ当された。

本当にグリートされた。
グリートだった。
思った事は、僕はやはり青木選手からカシン選手・藤田和之選手。
そこから『アントニオ猪木』を感じてるのだ。
もう『アントニオ猪木』はいない。
偶像を追いかけているのかも知れない。
故・石原慎太郎さんが芥川賞の選考委員を降りられた時「今の子は『作品』に自分を映し出していない」と言われていた。
現在の作品は面白くないと。
僕もそうなのだ。
だからこそ『青木真也』の作品には僕は感情移入する。
情念なのだ。
作り得た、見せかけの欲求なんか要らない。
僕は、やはり『アントニオ猪木』なのだ。
『我』を出すからなのだ。
媚びるな。
それが『レスラー』だ。
青木選手のフィルター越しからカシン選手・藤田和之選手を見て、その奥に猪木さんを見ている。
猪木さんは己を曝け出していた。
カシン選手はクリエイティブな。
藤田和之選手は強さ。
その集合体がアントニオ猪木なのである。
猪木さんの闘魂は連鎖されている。
『闘魂』って今は簡単に言えちゃうほどの言葉になっちゃったけど、僕には大きな言葉なのである。
猪木さんの偉大さは亡くなられた現在も語られている。
カシン選手には多くの熱きファンがいる。
それは『やってこられた』からなのだ。
身を持って。
自身をリングに投影されたからこそだ。
好きな事されて。
嫌な事も逃げずに。
それは『強さ』なのだ。
競技的な意味合いではない。
青木選手もそうなのだ。
だからこそ『青木真也』の作品を観ようと全国から集まったのだから。
海外の選手からもレジェンド・ビッグネームとして讃えられている。
そんな選手は、いないのだから。
アオキ・イズムは連鎖する。
格闘技界には伝わるだろうか。
だが、僕達一般人。
社会人・学生にと多大な影響を与えてる。
それこそ、本当の連鎖ではなかろうか。
青木選手が頑張られているから、僕も頑張れる。
最後の闘いが終わった。
だが、最後ではない。
これからの『青木真也』が楽しみなのだ。
何を描いてくれるのか。
それをまた味わって噛み締めていきたい。
練習も義務ではなくなる訳だ。
楽しんで欲しい。
エンジョイだ。
青木真也から格闘技は離せられないんだから。
支配からの卒業。
それで良いではないか。
僕からしたら『レスラー』なのだから、そこからの想いは青木選手も持たれてるはずだから。
『今日までそして明日から』
そんな言葉が浮かんでくる。
今日が終わりではなくて、始まりなのだ。
『一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである』
死んではいない。
引退ではない。
また新たな道を歩こうとしている。
だが『格闘技』を仕事の義務として捉えない生き方になれば、そこからの文脈にまた引き込まれるのである。
今回は、セージ・ノースカット選手が相手で良かったと思う。
そしてカード変更になったからこそ問われる美学。
だからこそ、ここまで創り上げられたのであろう。
着地もさせた。
自身の為に闘われていたのであろう。
もう好きも嫌いもすべて『やってきた』んだから嫌な事はやらなくて良い。
仕事として責任を感じなくて良い。
この試合は僕にとっての壮大な『プロレス』だったのだ。
そして、青木真也の『プロレス』だった。
『プロレス』は存在を賭けた闘い。
大河ドラマ。
そして『物語』なのだから。
文脈がなければ意味が無いのだ、歴史には。

また多大な感情移入・影響を与えられた。
やはり『青木真也』は一粒の麦である。
2024年1月28日。
一粒の麦、落ちた。
鎖が取れ、自由になった『青木真也』が楽しみである。
来て本当に良かった。
それを感じた。
ありがとう、青木選手。
いや『青木真也』にだ。
淡路島に帰ったら、また頑張れます。

そんな青木真也が『石澤常光』になった。
2000年8月の西武ドーム。
石澤常光選手は、十字架を背負ってリングに向かった。
『ジャンル』を背負って。
その表情・立ち振る舞いは最高にカッコよかった。
『オレがどんなレスラーになるかっていうのはね、オレが決めることじゃなくて、見てるお客さんがイメージ膨らませて、試合を通じて決めることだし、オレはもう、リングに上がってオレのレスリングをするだけ』
まさしく今日の『青木真也』だった。
今、バカサバイバーと重なって スカイ・ウォークが聞こえてくる。
また新たなるグリートをされる事を信じて。

一言。
「ありがとう、それだけです」

あなたは、僕が大好きな『プロレスラー』です。
誇りを持って






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