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R-1グランプリ2024感想

街裏ぴんくの優勝で幕を閉じたR-1グランプリ2024。今回のnoteでは、各ネタを中心に、全体的な感想も書いていこうと思う。
(今回のnoteを書くに当たり、全ネタ2回以上視聴しました。)

オープニングなど

過去王者スキンヘッドCGの謎オープニングから、出場者にスポットを当てたVTR。そして、審査員一人一人に敬意を表す審査員紹介。ザコシ今年もふざけてるやん。とか思ってたらあの一件に軽く触れ出したのには笑った。
あと、ステージセットが大幅変更。2008年以降の赤を貴重としたセットから、三角形ベースへと変わっていた。ただよく見ると、昨年までのセットを踏襲したレイアウトにも見えた。

ファーストステージ

ファーストステージスタートは6時49分。時間が押すことはなさそうだと思った。
※右の点数は個人的な採点。

① 真輝志 90点

決勝初進出。
ワクワクするスタートからバッドエンドになる青春物語大喜利の羅列に終わらず、軟式ラグビー部を弄り倒す、他人は真っ直ぐハッピーエンドになるなどの展開もしっかり考えられていて面白かった。軟式部に僕ビー大好き。ただ、オチを爽やかにするのは理解できるのだが、個人的には貪欲にウケをとりに行って欲しかった。直感で、面白いけどファイナル進出はなさそうなネタと感じた。

② ルシファー吉岡 94点

4年ぶり6回目の決勝進出。(芸歴制限を考慮すると6大会連続6回目の決勝進出)
序盤は天丼で着実に笑いをとりつつも状況理解をさせるという完璧な構造。参加者なのにルール説明に追われる不憫さとそれに対するルシファーの不満ボルテージが徐々に上がっていく点が非常に面白いと感じた。個人的にはベルのタイミングや私以前私以後というフレーズもツボだった。ハゲ弄りされて相性が良さそうな人と期待して、結局ルール説明に回るというオチもとても面白かった。

③ 街裏ぴんく 89点

決勝初進出。
ルシファー吉岡の掴みは素晴らしい。自分は、嘘つき漫談という予備知識しかない状況でネタを見た。石川家の名前の由来やキュリー夫人が聞き手などの細かい下りは面白かったが、本筋の内容の面白さは掴みづらいなと感じた。初見では声を張り上げることが最適の見せ方なのかと疑問に思ってしまったし、本人のパフォーマンスも良くないように見えたので厳しい点数となった。

④ kento fukaya 91点

2年ぶり3回目の決勝進出。(芸歴制限を考慮すると3大会連続3回目の決勝進出)
ベタではあるし後半の展開は昨年の田津原っぽさが見えたが、偏見でツカみ、マッチング相手大喜利でしっかりとウケていた点に関しては評価したいなと思った。自分も面白いと思ったし。一方で、審査員からの点数は伸びづらいネタだという印象を抱いた。ただ全員が評価しないのはそれはそれで…陣内の、オチは喫茶店アルバイの方が良かったという指摘はクリティカル過ぎる。

⑤ 寺田寛明 90点

4年連続4回目の決勝進出。
確かに、大喜利力という自分の武器を存分に生かし、コメント欄のノリあるあるも面白かった。しかし、昨年のフォーマットありきで作られた感じや、犬侍で唐突に出て来た絵など些細な部分の作り込みの甘さ、審査員に評価されにくい内輪ウケが軸になっているので点数は伸びないのは仕方ない。後、個人的にツカミが好きじゃなかった。これが評価されるR-1ではもうないのだろう。

⑥ サツマカワRPG 91点

3年連続3回目の決勝進出。
子供に対して風船を空に放ち、カツラを取るらしさ全開の流れから、不審者訓練というバラシ。個人的には結構ワクワクするスタートだった。SASUKEブザーとSASUKEへの偏見や、訓練中の立ち振舞いも面白く、子供の幽霊に対して肉声ブザーを鳴らすシュールなオチもサツマカワらしさ全開で良かったと思う。惜しかったのはハガキ職人弄り。このネタには必要ないボケだと感じた。

⑦ 吉住 93点

2年ぶり3回目の決勝進出。
デモを行ったその足で結婚の挨拶へ来たという攻撃的な設定。彼氏が霞ヶ関まで送り迎えしてくれる、プラカードを誕プレでくれたという細かい設定や、両親に向かって警察と同じ目をしている、オチのもっと骨のある奴らだと思ってましたというワード、これらの破壊力が凄まじい。ウケこそはそこそこだったが、圧倒的な内容の素晴らしさで高評価を勝ち取ったのに実力を感じずにはいられない。

⑧ トンツカタン お抹茶 87点

決勝初進出。
0か100かのネタでマイナスを引いてしまったぐらい会場との噛み合い方が悪いように感じた。かりんとうで作った車というバラシで掴めなかったのが全て。実は覆面パトカーだったや雨が降って終わってしまう展開とか馬鹿馬鹿しくて面白いけども。個人的には、動きを封じられたこのネタより、もっとお抹茶のポップな感じが伝わるようなネタの方がウケは獲得できたのではないかと感じた。でも中途半端な順位よりかは最下位の方がおいしい。

⑨ どくさいスイッチ企画 91点

決勝初進出。(R-1史上初となるアマチュアでの決勝進出)
ひょんなことから有名人になった一般人のネタはどくさいスイッチ企画自身を表すという観点でも良い設定。めざましじゃんけんはもちろん、伊藤沙莉の伏線回収などが面白かった。ブリッジで音声を使わず、自分自身でやることでテンポを作り出している点が非常に良いと感じた。経歴を踏まえてオチが落語風なのもおしゃれ。ただ、バカリズムの言うようにめざましじゃんけんがピークだったのが点数が伸びなかった要因だったのだろう。

ファイナルステージ

① 吉住 91点

ファイナルステージ初進出。
演技力の高さを生かし、現場検証というお堅い場でキャピキャピイチャイチャする流れから、浮気を裏付ける事件の証拠が出て豹変する展開はしっかりしていて面白いなと感じた。あなたを犯人にすることだって出来るというワードの怖さよ。ただ、吉住のこういうタイプのネタというのは既視感を感じてしまった部分もあったため、もちろん面白いけど勝ちきるネタかというと微妙。

② 街裏ぴんく 91点

ファイナルステージ初進出。
自分自身が見慣れたということもあってか、1本目よりも話の本筋自体が面白いと感じた。モーニング娘の幻の初期メンバーというあり得ない設定に対して、様々な角度からそれを裏付ける独特な補足情報、そしてそれをとんでもない熱量で語るおじさんという構図が面白かった。個人的にはポップティーン専属モデルが好き。依然としてパフォーマンスは良くないように見えたが、会場の空気は掴んだように感じた。

③ ルシファー吉岡 91点

ファイナルステージ初進出。
ツカミまでの時間が長すぎたという印象。また、大会のラストネタにしては情報量が多いという要素もあってか、流れを引き寄せきれなかったように感じた。しかしもう一度見た時は、後半の展開がしっかり考えられていて、初見よりも面白く、他2人と大きな差はないのではと思った。もう少し爆発するポイントを前に置くことが出来ていれば優勝出来ていたかもしれない。(2022年のさや香みたいな負け方だなと思う)

ファイナルステージ全組同点になってしまうのは自分でも駄目だと分かっているが、本当に難しい審査だった。

個人的な順位

ファーストステージ
1 ルシファー吉岡
2 吉住
3 どくさいスイッチ企画
4 kento fukaya
5 サツマカワRPG
6 真輝志
7 寺田寛明
8 街裏ぴんく
9 トンツカタン お抹茶
ファイナルステージ
1 街裏ぴんく
2 吉住
3 ルシファー吉岡

ファーストは点数的に3~7位は大接戦。ピン芸の審査の難しさを改めて痛感する結果となった。
ファイナルは激戦というか決め手を欠くというか。街裏ぴんくの流れになっている感じがあったので街裏1位にした。逆にルシファーは掴みきれていなかったように感じた。

総括

まず一言言わせて下さい。放送時間が2時間半に伸びてマジで良かった!2時間は絶対短いんですよ!来年も絶対2時間半以上の放送時間を与えて欲しい。
街裏ぴんくの優勝は凄い荒れてるなぁ。まぁ万人ウケする芸風ではないのは確か。ただ、審査傾向からすればそうだよなと。審査員などの詳しいことは今年も追記noteを書くのでそちらも是非読んでください。優勝者の影響で結構いろいろ言われてる印象のある今年のR-1だが、個人的には成功と言っても良いぐらいの満足感はある。ただ、今年を下回ることは絶対やめて欲しい。今年はあくまで1からのスタートを成功しただけに過ぎない。運営はここで気を緩めることなく、来年以降より面白いR-1になって欲しいと思う。そして、来年はベテラン勢も一年かけてR-1対策を出来るだろうから、どんな面白いピン芸が見れるか今から楽しみです。

最後に

街裏ぴんく!優勝おめでとう!
R-1は面白い大会なんですよ!!

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