冬季五輪式採点 M-1編

先日、金メダルを獲得したスノーボード日本代表の平野歩夢。彼が北京オリンピックで披露した演技に対しての採点が物議を醸している。
しかし、物議を醸す採点はお笑い界でも存在する。1人だけ高い点数・低い点数を付けたことで批判される人もいる。そこで、今回のnoteでは、2015年以降のM-1の順位を冬季五輪式の採点で決定した場合、どうなるのかを調べていこうと思う。

冬季五輪式採点とは

冬季五輪の様々な競技で採用されている、審査員がつけた点数のうち、最高点と最低点を除くという採点方法のこと。

それでは早速結果発表。※700点換算。カッコ内は実際の順位。

2015 M-1

1 ジャルジャル 649点 (1位)
2 トレンディエンジェル 643点(2位)
3 銀シャリ 636点(3位)
4 タイムマシーン3号 634点(4位)
5 スーパーマラドーナ 633点(5位)
6 和牛 626点(6位)
7 メイプル超合金 619点(7位)
8 馬鹿よ貴方は 615点(8位)
9 ハライチ 613点(9位)

順位は変わらず。

審査員
礼二 最高点2回 最低点1回
増田 最高点1回 最低点3回
岩尾 最高点2回 最低点0回
吉田 最高点0回 最低点3回
徳井 最高点2回 最低点2回
富澤 最高点2回 最低点0回
石田 最高点2回 最低点1回
佐藤 最高点1回 最低点0回
哲夫 最高点0回 最低点0回

富澤は優しい点数、吉田は厳しい点数だった。ジャルジャル好みの徳井とトレエン・タイムマシーン好みの礼二・増田は好みが真逆。特に増田は好み以外の漫才には厳しい。また、9人のうち哲夫のみ最高点最低点共になし。

2016 M-1

1 銀シャリ 660点(1位)
1 和牛 660点(2位)
3 スーパーマラドーナ 641点(3位)
4 さらば青春の光 627点(4位)
5 カミナリ 627点(7位)
6 ハライチ 625点(6位)
7 アキナ 623点(5位)
8 スリムクラブ 620点(8位)
9 相席スタート 611点(9位)

カミナリとアキナの順位が入れ替わった。

審査員
上沼 最高点4回 最低点1回
松本 最高点1回 最低点4回
大吉 最高点1回 最低点1回
礼二 最高点2回 最低点1回
巨人 最高点3回 最低点2回

こうして見ると、大御所3人が思い切りのある採点をしていた。ちなみに、上沼の最低点はカミナリ、松本の最高点はスリムクラブ。特にカミナリは大きく影響を受けた。

2017 M-1

1 和牛 652点(1位)
2 ミキ 649点(2位)
3 とろサーモン 649点(3位)
4 スーパーマラドーナ 639点(4位タイ)
5 かまいたち 638点(4位タイ)
6 ジャルジャル 634点(6位)
7 さや香 630点(7位)
8 ゆにばーす 625点 (8位)
9 カミナリ 618点 (9位)
10 マヂカルラブリー 606点 (10位)

ちょこちょこ順位変動が。

審査員
上沼 最高点3回 最低点3回
松本 最高点1回 最低点2回
大吉 最高点3回 最低点1回
小朝 最高点2回 最低点0回
礼二 最高点1回 最低点1回
渡辺 最高点3回 最低点4回
巨人 最高点2回 最低点3回

渡辺リーダーがかき回した2017。この年は、スーマラ・かまいたちで巨人最高点上沼最低点が印象に残った。大吉と小朝は点差が少なめの優しい採点。ミキは大吉・礼二から最低点をつけられた。ちなみに松本の最高点1回はジャルジャル。(ファーストラウンド10組の最高評価でもある)

2018 M-1

1 霜降り明星 662点(1位)
2 和牛 652点(2位)
3 ジャルジャル 645点(3位)
4 かまいたち 635点(5位)
5 ミキ 634点(4位)
6 トム・ブラウン630点(6位)
7 スーパーマラドーナ 618点(7位)
8 ギャロップ 613点(8位)
9 見取り図 606点(9位)
10 ゆにばーす 592点(10位)

かまいたちとミキが入れ替わったのみ。

審査員
上沼 最高点3回 最低点2回
松本 最高点0回 最低点5回
富澤 最高点0回 最低点2回
志らく 最高点2回 最低点1回
塙 最高点1回 最低点0回
礼二 最高点4回 最低点0回
巨人 最高点0回 最低点1回

この調査で一番興味深い結果が出ると思った M-1 2018。ジャルジャル、トムブラウンの上沼志らくはもちろん、下位4組はいずれも礼二最高点松本最低点であった。つまり、平成最後に厳しい松ちゃんが降臨したということ。また、礼二・富澤は点数差が少なく、礼二はスーパーマラドーナ・ギャロップが最高点だが最低評価、逆に富澤は和牛が最低点だが最高評価となった。

2019 M-1

1 ミルクボーイ 680点(1位)
2 かまいたち 660点(2位)
3 ぺこぱ 653点(3位)
4 和牛 651点(4位)
5 見取り図 649点(5位)
6 からし蓮根 638点(6位)
7 すゑひろがりず 638点(8位)
8 オズワルド 637点(7位)
9 インディアンス 631点(9位)
10 ニューヨーク 620点(10位)

すゑひろがりずとオズワルドの順位が入れ替わった。

審査員
上沼 最高点7回 最低点0回
松本 最高点1回 最低点3回
礼二 最高点1回 最低点1回
富澤 最高点0回 最低点3回
志らく 最高点4回 最低点4回
塙 最高点4回 最低点1回
巨人 最高点2回 最低点1回

この年も興味深い結果が。まず、ぺこぱ・からし蓮根・インディアンスの3組は、上沼最高点志らく最低点。また、見取り図・すゑひろがりずは上沼・志らく・巨人が最高点で松本が最低点という共通点があった。また、上沼の最高点7回は歴代1位。

2020 M-1

1 おいでやすこが 658点(1位)
2 マヂカルラブリー 651点(2位)
3 見取り図 646点(3位)
4 錦鯉 645点(4位)
5 ニューヨーク 644点(5位タイ)
6 オズワルド 642点(5位タイ)
7 インディアンス 625点(7位)
8 アキナ 623点(8位)
9 ウエストランド 623点(9位)
10 東京ホテイソン 616点(10位)

ほぼ変動なし。

審査員
上沼 最高点6回 最低点0回
松本 最高点0回 最低点3回
礼二 最高点2回 最低点0回
志らく 最高点2回 最低点0回
塙 最高点2回 最低点3回
富澤 最高点0回 最低点0回
巨人 最高点0回 最低点6回

上沼は高得点、巨人は低得点という印象が強かった2020。また、下位の組の最低点は塙が多かった。また、富澤が2015哲夫以来の最高点最低点共になし。

2021 M-1

1 オズワルド 666点(1位)
2 錦鯉 656点(2位)
3 インディアンス 652点(3位)
4 ロングコートダディ 649点(4位)
5 もも 642点(5位)
6 ゆにばーす 638点(7位)
7 真空ジェシカ 637点(6位)
7 モグライダー 637点(8位)
9 ハライチ 628点(9位)
10 ランジャタイ 623点(10位)

ちょこちょこ順位変動あり。

審査員
上沼 最高点5回 最低点3回
松本 最高点1回 最低点3回
礼二 最高点2回 最低点1回
志らく 最高点4回 最低点2回
塙 最高点0回 最低点1回
富澤 最高点1回 最低点3回
巨人 最高点0回 最低点2回

この年は、回数面では富澤が5回目で初めて最高点最低点両方をつけた。また、上沼のハライチ、志らくのランジャタイは他の6人よりも5点以上高い点数をつけていた。

2022 M-1

1 さや香 478点(669点)(1位)
2 ロングコートダディ 472点(661点)(2位)
3 ウエストランド 470点(658点)(3位)
4 男性ブランコ 468点(655点)(4位)
5 真空ジェシカ 464点(650点)(5位)
6 ヨネダ2000 460点(644点)(6位)
7 オズワルド 457点(640点)(7位)
8 カベポスター 456点(638点)(8位)
9 キュウ 444点(621点)(9位)
10 ダイヤモンド 440点(616点)(10位)

順位変動はなかったものの、男ブラ・真空・カベポスターの点数が上昇。その一方、ヨネダの点数が下がった。

審査員
松本 最高点1回 最低点2回
礼二 最高点3回 最低点1回
志らく 最高点4回 最低点0回
富澤 最高点3回 最低点0回
塙 最高点0回 最低点0回
大吉 最高点3回 最低点1回
邦子 最高点1回 最低点6回

この年は、基準点の低かった邦ちゃんが最低点6回のタイ記録。その一方で、志らく・富澤が最低点ゼロ。塙は最高点最低点共にゼロという結果に。

まとめ

順位変動はほとんどなかった。やはり、現在のM-1審査員7名のバランスと7人という人数は黄金比なのではないかと思う。

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