見出し画像

【第131回】スピッツ/名前をつけてやる

私はちょこちょこ程度でゲームをするチョコゲマだ。Switchやプレステ5は持ってなくて、未だに3DSのサッカーゲームをふと思い出したときにやる程度のライトユーザーである。そして好きなジャンルはRPGゲームで、時間をかけて成長させるというのが、ちまちましていて好きなのだ。不器用でどんくさいのでアクションゲームは苦手、ポチポチやってたら確実にキャラが成長するというのが自分の性にあっている。上述したサッカーゲームも自分で操作するものではなく、選手を育成して試合は観てるだけというゲームだ。成長させる過程が気に入っている。ある友人が「RPGはストーリーを楽しむもので全滅やレベル上げなんてありえん」と言っていたのには流石に閉口したけれど。それじゃ映画観れば良くないかとも思ったけれど、まあ楽しみ方は人それぞれですしね。
そんなRPGゲームの最初の関門は名前の入力である。この名前入力、あとから変更することができないことがほとんどだし、自分の名前を入力しても良いのだけれど、ゲームの世界観に合っていないと興醒めだし。取扱説明書に掲載している画面で使われている名前にしたり、アニメのキャラクターの名前(「ガンバと仲間たち」の名前はよく使う)にしたりと工夫はするけれど、結構悩んでしまってゲームの本筋になかなか入れないこともしばしば。主人公一人だけならまだしも、仲間の名前も決める必要があったりすると、一生遊べないんじゃないかという気持ちになったりする。そんな中洋楽のアーティスト名から名前を拝借する所謂「JOJO方式」は目からウロコだった。確かに洋楽のアーティストってカッコ良い名前が多いし、バリエーションも豊富だからゲームの世界観にマッチしたものは存在するしでうってつけ。そんなわけで私のアカウント名は「オインゴ・ボインゴ」から頂戴していて、ゲームの主人公にはだいたい「オインゴ」を使わせていただいている。ちなみにほかによく使わせていただく名前は「リサリサ(リサ単体で十分なのに、わざわざ繰り返すところがイカす)」、「スージー・Q(名前にアルファベットが入るってステキ、ただこれ、正確には「スージー・クワトロ」というらしいけれど)」、「ンドゥール(「ン」から始まるなんてとっても神秘的)」、「ミヒマルGT(いきなり邦楽になったけど、「ミヒマル」というかわいい響きと、「GT」という尖った響きの組み合わせが良い)」といった感じだ。というわけで今回はスピッツさんの通算2枚目のアルバム「名前をつけてやる」を聴いてみた。
さて、このアルバムだが前作「110D」同様(第123回参照)、しんみりするような染みる系の曲はあまりなくて、明るい印象の曲が多く収録されている。「110D」にあったバラードの曲もない。ひたすらにポップでパンクなアルバムだ。ただパンク色は薄れたかなという気はする。私がパンクっぽいなぁと感じた曲は「日曜日」「待ち合わせ」「ミーコとギター」くらいかな。たたこれは私が激しめだなと感じただけで、パンクとは別物ということも十分あり得る。この3曲だと私は「ミーコとギター」が好きだ。疾走感があるノリの良い曲で、それでいて歌詞が可愛い。この曲だけではないのだけれども、このアルバムのジャケットがインパクト抜群の猫の写真なこともあって、歌詞の中に勝手に猫を連想してしまう。出だしの「ミーコの声は誰よりも強い、だけどはかない」の部分なんかとても猫っぽいと思うのだけれどいかがでしょう。そう思って聴くととても可愛い歌詞じゃありませんか。
この3曲以外はポップだなぁと感じるものがほとんどだ。好きな曲でいうとまずはこのアルバムで唯一シングル・カットされた「魔女旅に出る」。ストリングスのキレイな曲で、歌詞に魔女という言葉は出てこない。でも魔女といえば黒猫だよねってことでやっぱり猫を連想しつつ聴く曲だ。あとは「胸に咲いた黄色い花」。この曲は爽やかポップソングで、跳ねるようなサビが秀逸だ。耳触りが良すぎて、ともすれば気付かないうちに曲が終わっていたりする。ちなみにこの曲、UKのバンド「ザ・スミス」の匂いを感じるけれど、実際のところどうなのかしら。詳しい方にお伺いしたいところだ。そしてこの曲は、ちょっと無理矢理だけれど茶トラ猫のイメージである。それからこのアルバムの表題曲である「名前をつけてやる」も良い。もうこれは完全に猫に名前をつけるイメージだ。ゆったりとした曲調と、「名前をつけてやる」という恩着せがましい歌詞が、なんともふてぶてしくて猫っぽい。「誰よりも立派で、誰よりもバカみたいな」という歌詞が良いよね。
その他、好きとまではいかないけれど印象に残った曲として「ウサギのバイク」をあげたい。草原のような爽やかイントロからの「ララララ〜」、そして「トゥトゥトゥトゥ〜」とハミング、ここまでがあまりに長いので、最後に「ウサギのバイク〜」とだけ歌って終わるのではないかと思った曲である。それはそれで面白いと思うけれどね。それともう1曲「鈴虫を飼う」。「天使から10個預かった」らしいのだが、鈴虫10個は流石に五月蝿そうだなと心配になる。どちらも優しい曲で、よく聴くとニヤッとしてしまうような隠れた名曲感はあるけれど、個人的にはそこまで好きとは言えない、ともすれば退屈に感じてしまうこともある曲だ。
そんなわけで、穏やかで平和な草食系アルバムという印象の作品であったけれど、私にとっては若干退屈さを感じることもあるアルバムだ。周りの評価を調べてみると、初期スピッツさんの名作というものが結構多いようだで、やはりまだまだ私の耳は節穴であると感じた。まあ人によって好みは別れますしね。おいらに平和は似合わねーってことで。

草食系
スピッツ2枚目
モロヘイヤ(もろ平和)

季語はスピッツ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?