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第五人格/identityⅤ写真家ジョゼフの背景推理考察

初めまして、pixivで第五人格の話を書いているOwn(オウン)です。

急ですが、ある日…
風呂で、「ジョゼフの背景推理をガッツリ使ったやつ(話)書きたいなぁ」となり、書き始めようとしたんです。     
が、「これ、1回全部考察し直さないと出来ひんやつやん…。」と。
じゃあ考察するしかねぇ。そして完成したのがこちら
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17172944

でもこの作品だと、やっぱりストーリー的に面白くしたいがためにカットした部分があり、頑張りも半減。
なので、今から考察した全てを話していこうと思います。あくまで考察なので鵜呑みはしないようお願いします。

ジョゼフの年表

ジョゼフの生まれた年が1772年なのは、設定資料集によると、今サーベルを振り回してるジョゼフは17歳の姿らしいので、亡命は17歳かなと。

ジョゼフの元ネタ

検索すると出てきますが、ジョゼフ・ニセフォール・ニエプスさんです。(以降ニエプスと言います)

自分が考えた考察ではだいぶジョゼフ=ニエプスの感じが強くなっているのでニエプスについて簡単に説明していきます。

フランス生まれ。30歳の時から、のちに世界初の写真になる実験、兄クロードと共にピレオロフォール(説明は割愛)の実験に強く力を入れるようになる。世界初の写真を撮った方法はヘリオグラフィー(太陽で描くという意味)と名付けた。だがヘリオグラフィーは撮るのに8時間〜20時間かかるため実用的ではなかった。そのため、ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールと共にダゲレオタイプ(銀板写真)を完成させる。(このときニエプスは既に死去)撮影時間は長くて1〜2分に縮まり、約1850年まで、世界に最も普及していた写真技法となった。

と、こんな感じです。(間違いがあったら流すか、教えてください)
それでは、背景推理①から話していきましょう!

背景推理①

これは三部会(1798)のことだと思います。
これまでは

第一身分 聖職者
第二身分 貴族
第三身分 平民

と身分があり、税金を取られているのは1番貧しいにも関わらず、第三の平民だけ
でもこの時のフランスは財政難で、王ルイ16世が「第一、第二からも税金取る!」と言い始めます。だから、第一、第二、第三身分の人を集め、課税について話し合うために三部会を開くことになった、というスクラップだと思います。

背景推理②

フランス革命(1789)ですね。
亡命した理由は、革命時に財産を失うと思ったから。実際にニエプスは失ってますし、没収からの売却っていうのも行われました。

背景推理③

双子の兄弟クロードの登場
ニエプスの兄もクロード。まさに元ネタ。

背景推理④

亡命先はイギリス。(公式サイトから)
でもここで少し疑問が。だいぶ昔ですが、コロンブス(1451〜1506)は約7500kmの航路を2か月とちょっと(own計測)でたどり着いています。

このgoogleマップの通り、結構近くて、1番回り道をしても約1800km。
父が言うには後1ヶ月…。長い気がしますよね。この謎の解決はできませんが、何かトラブルがあったなら

  1. 急いで逃げ出して来たため、船の操縦に慣れてない人が運転していた。

  2. 日にちが決められなかったため、波の荒い日に船を出した。

  3. しょぼい船しか用意出来なかった。

  4. 迷子。

などですかね…。北海は好漁場らしいので、北海の航海が難しいということではなさそうです。もしくは左周りからイギリスへ向かったか。

背景推理⑤

クロードが死去…。背景推理④の亡命のとき、何故もっと早く到着できなかったのか…!命日は3/11、1年目の手紙に「まだ肌寒さがうっすらと残るあの初春に、どうして私は生き残ってしまったのだ」とあるので…。

背景推理⑥

「心の痛みに苦しまされた彼は、絵に没頭するようになる。月日が流れ、ジョゼフは筆で自分の変化を記録し続けていた。まるで兄弟とは一度も離れていなかったかのように。しかし、紙に描かれた物は所詮幻であり、どう足掻いても真実にはならない。胸の痛みは、映像を永遠に保存できるという機械に出会うまで続いた。」

公式サイトから

上の「映像を永遠に保存できるという機械」がカメラ•オブスクラだと思います。

カメラ•オブスクラ
ニエプスの使用したカメラ•オブスクラ 著作者:Daderot  パブリック•ドメイン
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Nicéphore_Niépce_camera,_c._1820-1830_-_Musée_Nicéphore_Niépce_-_DSC06018.JPGより

カメラ•オブスクラは鏡に反射した像に紙を重ねて書く、要するに映し絵するものです。その像は紙に書いて、写すことは出来るが、今のカメラのように景色などをその時のまま保存はできない。とジョゼフの失う恐怖を最も感じる日記。

背景推理⑧

順番入れ替えます。理由は背景推理⑦の時に…😏

これはニエプスもしていた、カメラ・オブスクラの像を「定着」させる実験の記録です。
ニエプスがこの実験を成功させる前にトーマス・ウエッジウッドさんが、硝酸銀に浸した紙あるいは白い革のうえに線画を描いたガラスをのせて光線をあてると像が造られる事を発見しました。トーマスさんが使用していた、硝酸銀が塩化銀で代用できる…と。

「ぼんやり…」は、実験にはあまり関係なさそうなので皆さん自分で想像してください。

そして、「アスファルト…」です。この意味はヘリオグラフィーの方法を知ると多分、分かります。
ニエプスの紹介の時少しだけ触れた通り、ヘリオグラフィーは世界初の写真を撮った方法です。専門知識がある訳じゃないので本当に簡単に解説します。

ビチューメンはアスファルトの1種で非常に明るい場所では固まって油に溶けなくなりますが、ほのかに明るい場所では油に溶ける性質のままになります。それ金属板に塗り、固まらなかったアスファルトをラベンダー油で洗い流すと、溝ができ、これでハンコができます。
あと、実験記録には紙とありますが、これはニエプスが初めは紙に像を定着させようとしていたからです。
ニエプスが撮影した写真で一番有名なのがこれ。

ル・グラの窓からの眺め

ル・グラの窓からの眺め 著作者:Joseph Nicéphore Niépce パブリック・ドメイン
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:View_from_the_Window_at_Le_Gras,_Joseph_Nic%C3%A9phore_Ni%C3%A9pce.jpgより

背景推理⑨

これは先程のヘリオグラフィーではなく、ダゲレオタイプ(銀板写真)の話です。ダゲレオタイプは約1850年まで、世界に最も普及していた写真技法でしたね。

何故これがダゲレオタイプだと言えるか…。調べてみればわかる通り、ジョゼフのカメラはダゲレオタイプにそっくり。ダゲレオタイプの現像方法は水銀を使います。

そして、ヘリオグラフィーはすでに完成しています。(ダゲレオタイプはヘリオグラフィーの銀メッキ、ヨウ素など引き継がれてできているので。完成は不可欠。)
これまた、何故、ヘリオグラフィーが完成したのに新しいダゲレオタイプを作ろうしたのか。


ジョゼフは現実にある物や人間を永遠に保存することを望んだ。彼は、写真の中にある世界が「生きる」ことを望んだのだ。そうして彼は所謂「霊魂学」に没頭し、撮影機に奇怪な改造を加え始めた。

公式サイトから

ヘリオグラフィーは撮影するのに最低でも8時間かかります。が、ダゲレオタイプは10分人を撮影できます。


ニエプスはヘリオグラフィーの後、ダゲールと共同でのちのダゲレオタイプを作り始めます。だが、完成する前にニエプスは亡くなってしまいます。じゃあジョゼフも完成する前に亡くなってしまうじゃないか!
いえ、ジョゼフならできると思います。ニエプスはナポレオンの下で1795年(30歳)までに入っていました。これはフランスでの話で、しかもナポレオンから、フランス革命以降とわかります。これらからジョゼフは軍には入っていなかったと考えます。ならば、1人でどちらも作れるはず。でも、フェンシングが得意らしいので、それが軍にいたから、というなら推測が外れていたということで…w

「普通の労働人でさえ…」は労働人でさえはっきり映る?とか。

背景推理⑦

まず、手足の震えと使用人たちの病気水銀中毒でしょう。ダゲレオタイプのダゲールも中毒になったらしいです。
うわさはカメラへの「奇怪な仕組み」を加えていること。
みんなの様子がおかしいのは、2年目の手紙でマーコリーが1日のほとんどを暗室で過ごしていると言っていたので、気味が悪いと思われていたのかも。

それでは、背景推理を入れ替えた理由を。
ニエプスはヘリオグラフィー →  ダゲレオタイプの順で作ったので、それに乗っ取り、⑦が水銀中毒だと仮定すると、⑧はヘリオグラフィーなので⑦より先に。⑨は間に入れないと順序がおかしいなと思ったので入れ替えました。

背景推理⑩

「アレ」は魂を保存できるカメラ

まず、ドラゾネスは違訳です。

証拠の英語版のものでは少なくともドラゾネスとは読めないですね。

恐怖でパニックに陥った大勢の人間がジョゼフの屋敷に押し入った頃、その写真家の姿は既にどこにもなく、作業部屋にはまるで生きているような肖像写真がみっしり飾られていた。肖像写真の中の人たちはまるで写真の中から、彼らのことを見つめているようだった。

公式サイトから

人が次々に行方不明になる呪われた邸宅…。カメラは完成できたようですね。
ジョゼフは世にこのカメラを出さないように逃げたのか、逮捕が嫌だったか、はたまた、村人が押し寄せて来ると教えた協力者、理解者がいたのか…。

これで考察を終わります。
やっぱり考察は楽しいですね。^^
こういうのは初めてだったので、下手クソですが最後まで読んで頂きありがとうございました。

もし小説から来てくれた方がいるなら、難しかったかもしれないので、少し。
珍しくジョゼフ目線で書かせてもらいましたが、
イソップ目線だと、
  →ジョゼフが夢として見ている過去の世界に入り込んでしまった。
ジョゼフ目線だと、
       →夢なので時が飛ばし飛ばしで進んでいる。
(でもジョゼフは夢だと思っていない)

時が飛ぶタイミングは『…』に注目してみると分かりやすいかもしれません。

俺が消滅させたあの日へ。
ありがとうございました。

https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17172944