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大人の食育講座〜献立の立て方と調理のコツ〜 ①

コープみらいブロック委員様からのご依頼でコープみらいの組合員様向け墨田・台東カレッジ「大人の食育」と題した連続講座の第1回目の講師を担当させて頂きました。

参加者は抽選で選ばれた14名様(1名欠席)、小さなお子さんがいらっしゃる方からお2人住まいのご高齢者まで幅広い層の方々にご参加頂きました。

食育とはなんぞや

まずは、食育とはなんぞや、と言うところから軽くお話させて頂きました。
食育基本法の前文で定義されている言葉を引用しますと「知育・徳育・体育の基となるもの」と書かれています。
知育とは、読み書き計算など、勉強に関するもの。徳育とは感謝や共感など心と気持ちを育むもの。体育は運動機能に関するもの。
それら全ては、生きるための食の上に成り立っていると考え、心身共に健やかに生きるために必要な事だと書かれています。
一言で乱暴に言ってしまうと、「(経済的にではなく知識、技術的に)食べるのに困らないようにする」と言う事なんです。

その中でも今回は、毎日の献立を考える助けになる知識と考え方について、お話を致しました。

毎日の献立はどうやって決めている?

色々な方法がありますが、改めてこう聞かれて「こうやって決めています!」と即答出来る方はなかなか少ないのではないでしょうか?

献立を決めるタイミングはいくつかありますが、整理してみましょう。

①買い物に行く前
スーパーや八百屋さんなど、買い物に行く前に献立を決めておいて、決めた献立に必要な食材だけを買う方。

②買い物をしながら
お店に行って、特売品やその日のおススメ商品を見て食材をカゴに入れながら決める方。

③食事の支度をする前
お店でその日の特売品や食べたいもの、定番品を買って来て、実際に調理する直前や当日朝、前日などに決める方。

多くはこのいずれかでは無いかと思います。
では、実際に「何を作るか」はどのような判断で決めているのでしょうか?

・自分が食べたいもの
・家族からのリクエスト
・テレビやネットで見たもの
・体調や気候に合わせたもの

のように、色々な要素が絡み合って判断していますが、なかなか普段は意識していませんよね。そこを意識する事で、時短したり、マンネリを解消したり、レパートリーを増やすことが出来ます。

参考例として、1つご紹介します。
まず、主菜を決めます。お肉かお魚か卵か大豆食品か、たんぱく質が豊富で食事のメインになるものを決めます。丼ものや麺でもOKです。

次に、主菜に合わせた汁ものを決めます。
主菜が和食ならおみそ汁、洋食ならスープやポタージュ、中華なら中華スープ、のように合わせると決めやすいかと思います。もちろん、主菜が何でも汁ものはおみそ汁!と決めてしまうのもアリだと思います。

時間が無かったり、疲れていたり、副菜を考えたり作るのが難しいようでしたらここまででOKです。副菜代わりに汁ものに野菜を多めに入れたり、主菜にサラダや漬物などの野菜を少し添えましょう。

余裕があれば、野菜やお豆腐を使った煮物や炒め物を決めましょう。冷奴だって充分ですし、野菜1つで出来る煮物や炒め物が一品あると良いですね。レンジで蒸しただけでも、グリルで焼いただけでも塩やドレッシングがあれば充分美味しく食べられますので、主菜を作りながら、同時に放ったらかしで調理出来る料理がおススメです。

名前のある料理ばかりが料理ではありません。「名もなき家事」が話題ですが、料理だって「名もなき料理」で良いんです。
このくらい気軽に考えていないと毎日続けられないですよね。

どうやって料理に落とし込むか。

さて、では買って来た食材をどうやったら具体な料理に落とし込めるでしょうか?

その助けになるのが先人の知恵。
五味五色五法という言葉をご存知でしょうか?

[五味]
①塩味
②甘味
③酸味
④苦味
⑤旨味

[五色]
①赤
②白
③黒
④黄
⑤青(緑)

[五法]
①生
②煮る
③焼く
④蒸す
⑤揚げる

これらを組合せる事で、新しい味の発見やバランスの取れた献立に近付けられます。
参加者の皆さんには、五味と五法をマトリクスにしたものの中にいくつか例を入れたものをレジュメに掲載してご覧頂きました。
このマトリクスを埋める事により、ご自分のレパートリーがどこに偏っているのか認識して頂くと、なぜマンネリになるのか、どのジャンルのレパートリーが少ないのかが一目瞭然となり、対策が取りやすくなります。

もちろん、無理にレパートリーを増やしたり、苦手な料理を無理に克服しなくてもいいのですが、家族のためにやらざるを得ない場合や、外食が多く食事を整えたい場合は、しっかり選んで使えるものは何でも使いましょう。

と、ここまでが前半の献立の立て方のコツのお話でした。(実際の講座では、この3倍位の情報量でお話しています。)

後半に続きます。

試作のための食材費や、子供達が使いやすい調理器具の購入に使わせて頂きます!