新社会人になる君へ

27歳OLが気づいたら28歳になり、
相変わらず未婚、2019年はもう4分の1も過ぎてしまったらしい。
 
あと数日で新社会人になる大勢の若者たち。
 
こんな話を自分がしてみたくなる日がきたことに驚き、
こんな大人になってしまったことを少し残念に、寂しく思う。
 
大勢の人たちに訪れる、春の門出に切ない気分を誘われたのかもしれない。
自分はまだどこにもいけない、そんな置いてけぼりの気分かもしれない。
 
新社会人になる君へ。
誰より5年前の自分に伝えたい。
 
いつか忘れてしまうかもしれない社会人5年目の気持ちを
未来の自分が思い出せるように。
思い出す必要がある日が来るのか、思い出す気になるかもわからないけれど。
 
28歳社会人5年目、年収は600万にいかないくらい。
 
自分が中ぐらい好きなことを仕事にして、楽しいことも嫌なこともあって、自分が悪いわけじゃないのに謝ったりできるようになったことに自分の成長を感じたり。

個人年金もふるさと納税も、積立でお金を貯めたり株をやってみたり資産運用も人並みにしている。
好きな人を食事に誘ったり、何も思っていなかった男性から飲みに誘われたり。
彼氏ができたり別れたり。その度に落ち込んで、お風呂でシクシク泣いて。
母親と喧嘩したり深夜まで話し込んだり。
 
悩みは色々あるけれど自分は良いほうかな、なんて思ったり。
 
自分はいつか結婚するんだろうか、できないんだろうか。とか悩んではLINEの上から順に友達に相談して。
 
一昨年まで仲の良かった、奥さんがいた男性とはたまに連絡を取るけれど、仕事の相談だけ。
 
これからに不安がないと言ったら嘘になる。
でもいま不安はほぼない。
という今の状態がすこし不安。
なんていう贅沢。
 
こんな贅沢言ってたらバチがあたっちゃうかなぁ。
 
不安がないのが不安。
 
でもきっと
どんなに仕事が大好きで、お金が手に入っても、結婚してても、
大切な家族がいても(もちろん今だって家族は大切だけれど)不安な気持ちはなくならないのだろう。
 
この仕事が続けられなくなったら?お金がもっと必要になったら?この人と一生一緒に生きてゆける?子供はどうするの?親は?向こうの親は..?
 
ほら。
 
不安と期待は裏表になっている。
もしかして世の大人たちは知っているのかな。
私はここ最近気がついたというのに。
 
自分はなんだかいつもいつもどんくさい気がする。
微妙に人より遅れをとる。
 
初めての生理だって中2か中3まで来なくて、
あまりに来なさすぎて病気かななんて悩んでる時に急に来た。
母親に報告したら、え、まだ来てなかったのくらいの感じだった気がする。
 
当時初潮が来ないことに悩んでいたのに今となってはそれが明確に何歳の時だかなんで思い出せなくて。
 
きっと今悩んでることもあと10年くらい経ったらかなりどうでもいいというか、
あーあのときこんなことで悩んでたななんて懐かしく思うのかもしれない。
 
中学生とか高校生くらいまでは友達関係(とどうしても出来るようにならない英語)が悩みで仕方なかったのに。
 
今となっては唯一、友人だけは不安にならないかもしれないくらい。
依存していないからこそ、確実に大丈夫だと思えるもの。
 
社会人になったばかりの時は、
一人前にならなきゃいけない。そのためには無知ではいけない。
舐められたらいけない。バカにされたらいけない。
 
そんな風に自分にプレッシャーをかけすぎて毎日毎日カリカリしては情緒不安定になっていた。
 
そんなカリカリの自分は自分の仕事に自信を持ったからか
いつしかゆるふわでもいいか、なんて甘やかせるようになったのはきっと退化ではなく成長。
 
毎日のラジオやAmazonmusicで最近はやりのナンバーを知って
気に入っては繰り返して聞き
飽きるまで毎日毎日。
 
2014年にはおなか痛くなるくらいだった満員電車も今はへっちゃら。
 
 朝が弱すぎて始業の9時ギリギリに朝礼に滑り込んで上司に呼び出され
42歳独身の先輩からのパワハラセクハラ電話も真に受け毎晩きちんと話を聞き
資格の勉強を無駄だと課長から怒られ
毎日毎日終電に駆け込み
仕事が終わらないと嘆いたら
「そんなにやることある?」と笑ったあなた。
今の私だったら、あの時の私に笑って言える。
「そんなにやることある?」
 
3年では、鈍臭い私にはちょっと時間が足りないけれど
5年もあったら十分に分かる。
新社会人だった自分は、本当に何も分かっていなかった。
でもあのとき何も分かっていなかったということが今分かる。
 
これは自分の中で満足の行く結果です。
 
これからも時間が経っては振り返り、
 
あぁ、あのときのアレはそういうことだったのか。
と自分で自分の伏線を回収していくのが私の人生のやり方みたい。
 
でも過去ばっかり見たいわけじゃない。
 
たまたまそうなってしまうだけ。
今だって存分に楽しんでいきたい。
存分に楽しむ、ということが何なのかもまだあやしいけど。
 
映画も観たいな、と思ったら誰か誘って。
お酒飲みたいな、と思ったら自分で買って帰ってもいい。
 
どこか遠くに、誰も私を知らない場所に行くことも出来る。
パスポートとお財布を持って。
口紅とハンカチを鞄に入れて。
お気に入りの靴をはいて。
 
大人ってなんて自由なんだろう。
自分の足でどこまでも行ける気がする。

どこまでも行ける。
 
新社会人になる君へ。
そして、いつだって今を憂えるいつかの私へ。
 
いつだって不安は消えない。
歩いていればいつかたどり着く。
どこかに。
 
そこからまた歩き出す。
繰り返すのが人生みたい。
 
28歳の私より。

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