10/10 3ヶ月前に行った旅行について②

この町は、みんな車かバイクで通勤しているみたい。

私もバイクの免許をとったし
この町は日本と同じ右ハンドル左側通行なので
そこらへんでバイクを借りて自由にどこまでも行けるのだけど
行かないのはなぜだろう。

やっぱり新しいなにかとの出会いが億劫で
いまの場所を執行猶予だと思っているからなんだろうなあ。

タクシーとかバスとか
電車に乗っている時間が好きで
外を見ながら考え事がはかどる。

タクシーの運転手さんが話しかけてくると
英語が苦手な私はどうしても緊張して外を見るどころではなくなってしまうし
日本では日本語を解するけれど
日本のタクシーでもできるだけ話しかけないでほしい。

廃墟のこと、草原のこと、海のこと、空の色

どうでもいいことをずっと考えて
あ、これをあの人に教えてあげよう。と思うのが好きで。

教える相手はいつも違う。
きっとあの人はこれが好きだ、と思ったら教えてあげたい。

ここは誰のものですか?
使ってもいいですか?
何が建っていたんですか?

もともとファンタジーな脳みそなので
魔法使いもお姫様もドラゴンもお城もみんな大好きで
そして自分は端っこの方の、小部屋の中に住む妖精とか
いつもついてくる動物とか、そういうものがいいなとおもっている

観光客がたくさんいる
スカイブリッジという
山の中に一本の鉄柱だけで支えられている吊橋に来た。

こわい、と言って同行者は来なかったけれど
わたしはバカゆえ高いところに登りたがり
一人でアラブ系の人たちに紛れてここまで来たのだ。

ついたところでにわかにかき曇り
靄が山も橋もすべてを覆い
前は見えこそすれ、10m先は全く見えない。

お約束のように、遠くで何かがギャーッギャーッと鳴いている。

これはひとりぼっちで聞いたら相当怖いぞ。

いまは一人で寂しいのでこんな文章を書いてはいるけれど
同行者は待っててくれているだろうか。
彼女のことだから帰っててもおかしくはない。
不安になってきた。
最悪、お金はあるので二人ともホテルには帰れるが
不安は募る。

まずここに来るまでに
思い返せば彼女少し怒っていた。
なんでこんな高いところに登ろうと思ったの!?と
それに続いて
今までに一度も落ちなかったからと言って今回も落ちないとは限らない。

おっしゃるとおりです。

でも来たかったので私は自分一人で橋を渡ることにして
彼女はカフェで待つという。

絶対に待ちくたびれていると思う。

帰ってる気がする。
まあいいか…待っててくれたけど
さすがに待った、とのこと。
不機嫌気味なので不安。

恋人へのおみやげはバチック
派手な柄のシャツ

割とガッチリした体つきの人が派手なシャツを着ているのが、どうやら好きらしい。

今どきのはやり男子みたいに細い体、マッシュルームカット、モノトーンでまとめました。みたいなのも嫌いではないけれど。

あと、あいつ彼女できて趣味悪くなったよな、って言われる恋人を見てみたい。笑


少しずつ晴れてきた。

私は雨女。

というか悪天候女。

雨も雪もふる。

小さな頃にマレーシアに暮らしていたと母に教えられた。

全く記憶にはないので、母からの話しか頼りはないけれど。

なんとなく懐かしい気もする。
懐かしくない気もする。

ここで母は小さい私を育てたのだと思うと
えらいなあ。と思ってしまう。

今となっては私のアイスを半分以上横取りする盗賊みたいな大人になってはいるものの。

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