7/6 強い風の七夕前夜

大人になってしまった。
と思った。

わたしは何も変わっていないはずなのに。

週末は
春から社会人になった弟が帰省し
海外赴任の父も休暇で帰国
就活しているもう一人の弟も戻り
久々に家族全員が揃った。

ただ、何しろ家族なので
何も特別感も久々感もなく

みんなで食べたり飲んだり
話したり

真ん中の弟が、初任給が出たので
家族にご飯をごちそうしてくれることに。

食事のあと
老人ホームの祖父にも会いに行き
とても充実した1日。

でもずっと私の心はしくしくしている。

この時間がいつか
終わってしまうことを考えて

そんなこと考えてもしかたないのに。

そんなこと考えても
この時間が長く続くわけではないのに。


部屋で寝ていると
隣の部屋から父の声が聞こえる。

なにか英語を話しているみたい。

私がちいさなの頃からそうだった、父の習慣。

何を言っているのかは分からない。

ただくぐもった音が聞こえてくる。

弟たちは立派に育って
なんでそんなに立派になったのだろうと思うくらい彼らは1人前になった。

わたしだけが、子供のまま
置いていかれたみたいな気持ち。




大人になるって時々寂しい。

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