友人への誓い

君がぼくにはなしてくれたことは

きみは誰にも話したことがないといっていた

お父さんの話

自分の話

家族の話って言うのは

あまり人に話したくないものなのかなあ

うんうん

そうやって

君の話を聞くことができて

とても嬉しかった

うん

うん

なるほどねえ

そうやって

きみのはなしを聞くことができるのは

きっと今後もあまりないことだろう

そう思って

訥々とは話す君の横顔を見て

なんだかとても愛しくなったんだ

その日の帰り際

私たちはタクシーに乗った

ううん

君じゃない人と

ふと振り返って君を見ると

きみはとても悲しそうな顔をしてこっちをみていた

そんな表情の君を見るのも初めてで

でも

どうしていいかわからなくて

ぼくたちを乗せたタクシーは走り出した

ひとつだけ誓おう

僕は君のために

決して煙草は吸わないよ

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