ある街について 思考の記録として

海と山がある、風が気持ちいい街

ここは時計が7つあるモスク

そしてビスケットをくれたお姉さん

7つの時計はすべて異なる時間を指し

天井に塗られたミントグリーンはあまりに雑で適当で。

声が小さい

ものしりという言葉はなんとなくいい言葉だ

夕方の匂いがする

こことフランスとスペインと

排気ガスと幸水となにか風の匂い

海?

幸水ではなくて香水

カジュアルな感じだね、

そんな会話が幸せをくすぐる

こんな気持ちになるのは大学一年生終わりのフィンランド一人旅みたい

こんな気持ちを次の日の朝には忘れてしまって寂しい気持ち。

赤いチョコと黄色いチョコが好き

鳥が飛んでる

あ、ビタミンCの錠剤

トゥアレグ語はアンノーンみたい

道に佇んでいる人は何をしているのだろう

海浜公園が延々と続いて、延々と人が歩いたり座ったりしている

お酒も飲まずに何をしているのか甚だ不思議

海の街

空も海も青くて

夕方には地元の大型スーパーに行って、たくさんの買い物をした

帰ってくたびれ果てて

ワインを開けて

パンを切って

はちみつとチーズとフォアグラでお酒を飲んだ

くたびれ果ててまた寝てしまって

洗濯物だけ乾かして眠る

ガラス屋さんとガラス枠屋さんを見つけた

晴れた空をピカピカとうつしてて

そこにも空があるみたい

ピンクの花

ホワイトタイガーのぬいぐるみを抱いて寝る

こんな晴れてて明るい街にも戦争はあったのだ

戦争については何も知らないけれど

ベンチに老婆が肩を寄せ合って座っている

なにか話しているのだろうか

私にビスケットをくれた彼女は彼氏とうまくやっているのだろうか

海の見える大きな遺跡で

朝からたくさんパンとはちみつを食べた

ヨーグルトと

チーズと

日に当たるとくたびれるからね

前職の同期の女の子と中華街に行った帰り道

彼女がみなとみらい線の駅で朗らかに笑った

彼女はいまいち仲が続かなかったけれど

そういうところは心に響く女の子だった

ああ風が涼しくて気持ちいい

熱中症になるかと思った

かつて日射病といった暑い病気

海の見える大きな遺跡で

空と海がひとつながりになって

どこまでが海で

どこまでが空か

よく分からないせかいのなかで。

グレーっていうのは優雅な色だね

ねこさん

カテドラル

外からの様子があんなに内側にも反映されているなんて

私が学生の頃に設計した建物がこの世界にあるなんて

お昼は海の見える高台の高級ホテルのレストランでランチを食べ

なし崩し的に赤ワインのボトルを開け

なし崩し的に大きなケーキを食べ

昨日はチョコレートのシュークリームを食べたので

今日はシトロンのメレンゲを焼いたタルト

美味しい紅茶があればよかったけれど、甘いものと赤ワインも合うからね

午後には植物園を歩き回り

動物園では午後でぐだぐだと寝ている動物たちを眺め

江國香織の小説が読みたいな、という天気の中で

植物園は本当なら3時間もかかるところ、ドライバーが抜粋して1時間で済ませてくれた

寡黙でいいドライバーだ

意思の疎通ができなくて申し訳ない。

とにかくワインをたくさん飲んだ旅行だった

お土産のワインは隠れ商店のようなところで安価に買い求め

フランス語と英語ができるようになりたい旅行であった

フランス語は高校の頃に教わっていた先生に習おう

わたしには「想像力が足りない」という口癖があるらしいこと

だって、想像力がなきゃ生きていけないとおもって。

私達の乗る飛行機の影が田園地帯を走っていく

ガラスが煌めく

あの川は、池は、森は、街は

何も知ることができないままただ通り過ぎる。

人が住み生活する街。

いつかもしかしたら訪れるかもしれない。

その時のために目に焼き付けておこう。

いつかの自分が寂しい気持ちにならないように。

ここはあなたがかつて見た街。

アルジェリアは歴史が短く

人々はのびのびと暮らしているように見えるけれど

彼らの中には独立までの熱い歴史がまだ新しく

日々生きることの歓びに

ただ生きることへの楽しさに

まだこれからだと明るい未来に想いを馳せているのだろうか。

赤と白のしましまの塔はよく目立つ

グレーの塔は田園に影を落とす

影しか見えない

何かこの世ならざるものの姿のよう

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