保釈考~報酬の観点から
保釈。
刑事事件で目指すべきものの一つと言っていいだろう。
保釈が実質的なゴールである事件もある。
で,保釈を取ったことによる報酬。果たして,これはもらうべきなのか。また,もらうとしていくらなのか。
ある事務所の影響だろうか,「保釈保証金の○パーセント」という報酬が一般化してきているように思う。
この一般化というのは弁護士の中でではない。お客さんサイドである。
刑事事件というのは,これはなかなか説明しにくいし,説明するつもりもないのであるが,一般市民の中にコミュニティみたいなものがあって,そこで情報が共有されている。
弁護士の評判も共有されるし,弁護士のスタイルも共有されていると思う。
その中で「保釈金の○パーセントが報酬」という噂,風聞のようなものが出回っているように思う。
思うというのは,私はそのコミュニティの一部ではないから,詳しくは知らない。
ただ,「先生は,保釈の報酬は,保釈金の何パーですか」と聞かれることがあるから,そういうシステムが常態化しつつあるのではないかと思うのである。
で,私ですが,私は保釈の報酬はゼロ,である。
国選の場合は,1万円と決まっているので,それはもらうけど,500円は大阪弁護士会にピンハネされます。
保釈の報酬はゼロ。
保釈って通るときは通るし,通らないときは通らない。
今まで保釈は何度も通してきたけど,「この保釈,通るか!マジでか!!」って思ったのは1回だけ。
あと,依頼者側が「奇跡の保釈」って呼んでくれた保釈が1回あるけど,あれは,通ると思ってた,正直。
報酬もらうようなこと,してない。
最初にもらった着手金というか手数料に含まれてるだろって思う。
刑事事件の報酬って難しい。
成功というのが観念できない。
民事でもできないけど,刑事ではもっとできない。
最初から見通しがつくからかなあって思うけど。
だから,私は,法テラスの国選の計算のシステムはまずまずよくできていると思っている。
細かい文句もあるけどね。
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