全弁協の保釈保証書の欠陥
(全文無料のチップ式記事です)
全弁協の保釈保証書。致命的欠陥があった。
私の担当している被告人の方は,勾留が4本あった。保釈金は300万円であった。なお,この話を公開することはご本人からの許可を得ている。
裁判所は,「250万円は保釈保証書で,50万円は現金で」という判断であった。これはよくあることだ。というか,ほぼこのパターンだ。
大阪の協同組合の総代会の話はもうすでにしたが,保証書+一部現金は,もはや仕様ちゃうんかな。
何とかならんかな~,ならんだろうな~。50万作るの,きついっすよ,正直。
まあ,今回はその話ではない。
ここで,刑事弁護をやっている先生方なら当たり前に気付くことであるが,保釈金というのは勾留ごとに決定される。
つまり,保釈金は,結局300万円だけど,勾留それぞれの保釈金は75万円ずつなのである。保釈金を入れるのは1回でよくて300万円だけど,法的には75万ずつ入れているのである。
そして,保釈金の還付事由も,バラバラに生じる。バラバラに生じたのが同じ瞬間だったということがほとんどだろうけど,理屈上はバラバラに生じる。
事件単位の原則の現れなのかはアホな私には分からんけど。
つまりだ,「250万は紙で,50万は現金で」というのは事実上の結論を述べたものであって,法的にはそうなっていないのだ。
「62万5000円は紙で,12万5000円は現金で,の4セット」なのである。
はい,ここまでいいですか。
これ,偉そうに上から言ってるけど,当たり前のことで,「お前,何えらそうに言ってんの?あん?」って思われるような話。
ところが,全弁協からは,耳を疑うような回答が来た。
「62万5000円という端数に保証書発行システムが対応していないので,発行できません。」
なんで?
端数出る事,ありえるやん。
支援協会みたいにドンってお金を出してくれるなら問題ないけど,出てくるのは紙キレだし,一部は現金でって運用があるのは周知の事実なんだから,端数出ることありえるやん。
現に,私の場合,出てるやん。
端末に端数を入力できないってどんなシステムなんよ。
端数って「銭」単位とか,そういう特殊な端数じゃないよ。千円のケタだよ。
やるならちゃんとしようよ,ちゃんと。
で,どうやって私がこれを乗り切ったかはここでは書きません。
私の経験だからね。
同じように困った先生がいらしたら,私にDMもらえたら,お教えします。私も1回しか経験してないので,どこでも通用する方法かどうかは分かりませんけど。
こうやって,スキルはたまり,こうやって,スキルは隠し持たれる。
(この記事は以上です)
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