就職の想い出
(この記事は全文公開のチップ式記事です)
先月末から今月にかけては新人弁護士先生のご挨拶状をいただくことが多い。
かくいう私も新人の頃があった。昨日,ボスと久しぶりに食事をしたので,就職活動の想い出を書いてみる。ネタの使い回しで申し訳ないけど。
私は,受かった年が非常に遅くて,我が親父殿が「さっさと独りでやれ」「その年でどこかで働くって何を考えてるんや」「俺がお前の年の頃はな」「俺がついてるんやから心配するな」とひたすら言われた結果,即独するつもりだった。
しかし,この世には「世話を焼いてくれる人」というのがいる。ここではT先生と呼ぶ。T先生は同業ではなく,教育者の方なので,その趣旨で「先生」と呼んでいる。
T先生は我が親父殿の友人である。ゴルフ仲間ですね。若いやつが好きで,世話好き。古き良き日本の教育者,というイメージだ。
T先生が私の就職先を探してくれるという。私は,即独するつもりだったから,どうでも良かったんだけど,お願いすることにした。
それが大人ですよね。断ったらダメ。
ある事務所に声をかけてもらったが,断られた。当たり前だ。その事務所に私を取るニーズないし,こう言ったら失礼だけど,私だってそこで働きたくない。そこは素晴らしい事務所だけど,取るべき新人は私じゃないし,私だって行くべき事務所ではない。
ただのミスマッチ。
それでも,丁重なお断りだったし,ああ,真面目に考えてくれたんだなって思う。
そこの偉い先生は,今でもかわいがってくれるし,飯もご一緒してくれます。東京の先生だからあまり会えないけど。
次に紹介を受けたのが,ボスだ。
食事に行って,色々な話をした。
私は即独志望だったが「この先生の下で働きたい!」って思った。
だから,売りこんだ。
置いてくれと。
ボスには最初断られた。
ボスは,弟子を取ったことがなかった。だから,断れた。
自分の事務所には仕事がないと言われた。
給料も出せないと言われた。
君にはもっといい事務所があると言われた。
まとめたら強烈に断られてるな,私。
でも,私は,諦めなかった。
即独希望だから給料はいらない。フルコミッションでいい。
仕事もくれなくていい。
机だけ置かせてくれと。
そんな待遇ではよくないから,他を紹介してあげると言われた。
私はあきらめなかった。
「先生,私のこと嫌いですか?」
「そんなことはないよ」
「なら良いじゃないですか」
入所を認められた。
正直,あの時のボス,面倒くさかっただけやと思う。
それから色々あったけど,楽しい弟子生活だったな。
迷惑もかけたけど。
まあ,しょうもない昔話でした。
(この記事は以上です)
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