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本当の意味での笑顔

面白い人と思われたいと
心のどこかで思っています。
私が話したり、何かをすることで
好きな人たちが笑ってくれたら
うれしい気持ちになるからです。

たぶんこれは、私が8人家族の
3姉妹の末っ子に生まれて、
おどけたり歌ったりすることで
家族のみんなが笑顔になると
うれしかったことが
影響していると思います。

みんなを笑顔にするタイミングは
そんなに多く訪れることは
ありませんでしたが、
ごくまれに、家の中に
穏やかな空気が流れ、
大人たちに余裕がある時は
絶好のチャンス!だったのです。

小さい頃の私は、みんなの前で
“見てみて”オーラを全開にして、
はりきって話したり、歌ったり
踊ったりしていました。

最初、喜んでくれた観客(家族)は、
私のはしゃぎっぷりに見ていられず、
「おだつんでない(調子に乗るな)」と怒り、
私のステージは終演となっていました。

話は変わって、20数年ぶりに
クロアチアを訪れたお笑い芸人の
旅番組を見ました。

彼はボスニア・ヘルツェゴビナの紛争当時、
現地を訪ね企画を実行するという
バラエティー番組を振り返りながら
語っていました。

今回、クロアチアから
ボスニア・ヘルツェゴビナを
つなぐ橋を渡る彼が、
ボスニア・ヘルツェゴビナ側から
クロアチアへ入国する
渋滞中の車内にいる人たちに手を振ると、
みんな笑顔で手を振り返してくれるのを見て、
「25年前は誰も笑ってなかったんだよ」
と話していました。

国境近くの町で、
かつては実行できなかった
子ども達に彼の面白いVTRを見てもらい、
笑顔になった子どもたちとふれあった後、
「僕は、笑ってくれたら何でもいいんです。
この仕事ができて幸せです」
とも話していました。

私はお笑い芸人ではありませんが、
小さい頃から自分と
家族が笑っていられることが
どんなにうれしいことかを知っていました。
少なくとも、笑顔でいられる時には、
争いや怖いことは起きませんでした。

現在、笑えない辛い出来事が
世界中で起きています。
悲しみや苦しみを抱えている人も
たくさんいることでしょう。

私がこの番組に出演したとしたら、
「無理に笑う必要はありません。
あなたの悲しみや苦しみを話してください。
涙が出てきたら泣いて、
涙が出てこなくなるまで泣いてください。
そうすれば、いつかその気持ちが
癒える日がきっと来ます。
いつか笑える時がきっと来ます。」
と話したい。

世界中の人が泣きたい時に
泣いてもいいと知っていたとしたら、
どんな世界になるでしょう。
本当の意味で笑顔になるには
どうすればいいのかを
私なりに考えていきたいと思います。

ちほ

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