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いとしい気持ちを伝えることができる

数ヶ月前にバイトを始めました
そこには
たくさんの子どもたちがやってきます

小さな人たちの
一生懸命にページをめくったり
字を書いたりするかわいい手つきも
思いつくままのおしゃべりも
とてもいとしく

中高生くらいの人たちには
その眼差しや態度の中に
それぞれの思いや考えがあるのを感じます
頼もしく、眩しい姿です

小学生くらいの人たちも
それぞれ個性があり、おもしろくて
エネルギーに溢れていて

たくさんの子どもたちのありようを
いっぱい感じています

今はこんな風に楽しんでいるわたしだけど、
長いこと
小学生高学年くらいの男子が苦手でした
わたしの中のどこかがビッと固くなって
近づきたくない、と感じていました

息子がそのくらいの年齢に差しかかった頃も
難しさを感じて
「親の時間」の仲間に
苦手な気持ち、嫌になる気持ちを
何度も聞いてもらいました

小学生のころ私をいじめていた
クラスメートの男子たちを思い出して
聞いてもらいながら泣いて怒って
想像の中で
彼らをこてんぱんにやっつけてやりました

ある時、話を聞いてくれた相手が
そんなことがあって本当に嫌だったね、
あなたは大切なひとなのに
こんなにいとしい存在なのにね、と
やさしく励ましてくれたとき
わたしは
その男子たちのうしろにも
傷やいたみがあるのを見た気がして
ストンと落ちるような瞬間があって

それからは、少しずつだけど
息子の激しく大きな声や動きを
安心して聞けたり、見守れるようになり
今はずいぶん楽になりました

バイトでも
最初は、高学年の男子たちと話すと
表向きは平然としながらも
顔にも体にも汗がにじみ出ていました
そんなときは
あれ、やっぱりわたしの中にまだ
あの感情は残っているんだなと思いました

それでも、その子たちとの時間を重ねて
最近は
お互いに近づきあっているのを感じます

友達のことや、学校のこと
おれの母さんはこんな仕事してるんだよ、 
なんてことも教えてくれたり
わたしも、一緒に分からないことを考えたり
応援しているよ、と伝えたりして
いつの間にか汗をかかなくなりました

あのときの
わたしをいじめた男子たちにも
今のわたしが出会ったら
こんな風にいとしく感じるのだろうな、
と思ったりします

そして、今のわたしなら
あの頃のわたしにも
いとしい気持ちを伝えることが
いくらでもできるのです

息子にも、あの子たちにも、わたし自身にも
これからもいっぱい伝えようって思いながら
バイトの後の帰り道で
力強く自転車をこぐわたしがいます

まりちゃん

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