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安い居酒屋で

毎日、暑い日が続いて『暑いな~』なんて言いながら飲むビールは格別にうまい。

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 昨日の安い居酒屋での出来事。安いといってもイイ意味での安い居酒屋である。街でよく見る居酒屋チェーンなのだが、僕は好んでその店舗に足を運んでいる。多いときには週に3、4回は行くかも、、、


 そもそも、その店のある街が好きで通い始めたのだけれど、その店舗に通うのには大きな理由がある。


実は店長の大ファンなのです。


 その店長は店の誰よりも声を張り、気を配り、働く。お客にはもちろん、スタッフにも気を配る。彼の働きっぷりに惚れてしまったのだ。

 

昨日の夜も、いつものように働いている店長を眺めていた。すると

『お客さん❗よく飲みますねぇ。私もそれぐらい飲めたら人生変わったかもなぁ(笑)』

と話しかけられた。
戸惑った上に、大量のお酒が体を巡っていた僕は、なにも考えずに

『実は店長のことがスキです❗』

なんて言ってしまっていた。

 

 店長は困惑しつつお礼の言葉をくれ、しゃがみこんですこし話をしてくれた。今まで出会った珍客の話から、 ここに書くべきでないプライベートな話まで。


そして、自分が店長として実践していること、スタッフに言い続けていることが

「チェーン居酒屋は飽きられる、客に好かれる・飽きられない店員になれ」

という事だと話してくれた。そして声を細め、まもなくこの店を去るということも教えてくれた。

 

 本当に大ファンであった私は、とてつもなく悲しくなったが、何故店長の大ファンになったのかが解った気がした。

彼は自分やスタッフに言い続けてきたポリシーを実行して、結果を残したのだ。僕の目も意外と捨てたもんじゃないと思った。

  接客業に勤める上で、人との関わりを大切にするのが一番大切だと彼は言った。もちろんそうだと思う。しかし、それを実践できる人はそう多くはないはずだ。


 彼はブレずにそのポリシーに従ってきた。まさか僕のような小生意気な大学生との会話で、その正しさを確認することになろうとは、思ってもいなかっただろう。僕は、信念を貫けばいつか報われるということを教わった。



 彼との会話で印象的な場面があった。いくら小生意気な大学生でも客である。常に彼は丁寧な言葉で接してくれたが、自分のポリシーを話したときだけ、タメ口になった。それが、意味するところを僕なりに考えると、とてつもなく嬉しく、込み上げてくるものがあった。

僕はきっとこういう大人になりたいのだ。

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 今日は、最近通っているお店へ行った。
いろいろなお話をしていて、奇しくも、その店のオーナーも数年後には他の土地でお店を開こうと考えていると知った。

 凄い大人と言うのは常に動いている。そして、そこに無駄な動きなどない。たとえ無駄な動きに見えても、最後には意味のある動きに変えてしまう。

こういう大人たちに出会うと思う。
はやく大人になりたいと。

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