檸檬とマスカット

今週も1ヶ月のうちの4分のひとつを無事に泳ぎ切った。非常に誇らしい気分。
「一番大事なこと」養老 孟司を読み切った。
アゴタ・クリストフ「悪童日記」を購入し、古本で100円で購入したまま積んでいた「レヴィ・ストロースの世界」、そしてを読み始め、エーリッヒ・フロム「愛するということ」を再読し始めた。

養老 孟司「一番大事なこと」は恋人から借りたものだ、恋人さんは私の文章を褒めてくれるから心地がいい。いつかこの人の文章も読んで見たいと思う。感想文を書くことを嬉々と約束したので、一旦思っていることを書き出しておいて、寝かして再読して推敲する。もう少し借りますね、ごめんね、見てないと思うけど。

アゴタ・クリストフ「悪童日記」はツイッターで絶賛の評判を見かけて表紙とあらすじに惹かれて、妹のトラジャの雑誌のついでに頼んで見た。ちょうど次の文庫の予定がなくなってしまったので、ちょうどいい。

「レヴィ・ストロースの世界」は絶版のもの。彼自身が書いたものではない。吉祥寺のパルコの古本市で購入した。いまの関係に落ち着く前ぐらいに購入。まだ少ししか読んでいないけれど、薄いのに中身が濃くて気を抜いた瞬間に道筋を見失ってしまうので、気を引き締めて読んでいる。相変わらず、そこらへんが好きだ。サルトル、ファノン、サン・テグジュペリ、そしてレヴィ・ストロース。

エーリッヒフロムの「愛するということ」は本を整理して見つけた流れで読み直し始めた。

マスカットを貰った。
素直に嬉しかった。マスカットよりも貰えた事実が嬉しい。

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思い立つままに携帯でパッと撮ったから綺麗ではないのだけれど、すごい。
梶井基次郎「檸檬」を思い出した。
かなり曖昧な記憶を掘り起こしたからかなり間違いがあるだろう、
主人公は憂鬱だ、けれども彼はレモンを置き去りにすることで爆弾を爆発させた。鬱とともに。
似ていてて正反対だなぁ、と個人的には思った。
マスカットを置き去りにするのではなく、手に持ち続けて。
私はこのキラキラのシャインマスカットのお陰で今日いちにちは幸せだった。
ふとした瞬間にこの黄緑色の物体を目に入れた瞬間に私はとても幸せだった。
幸せが爆発していた。

授業中、駅まで歩いている時、バイトの休憩時間、電話しながらの帰り道

たまらなかった、恋人さんには電話で告げた。
「梶井基次郎の檸檬の主人公はレモンを手放して幸せに慣れたのかもしれないけど、私とマスカットはその逆なんだよ、」
幸いなことに読んだことなかったみたいだから、助かった。

この週は個人的には何処と無くせわしなかった。
日曜日には同期のコンサートを辞めてしまったけれど、そこそこの役職でお手伝いさせていただいて、月曜日は歴史学の司会もやった。そして少し前の私のせいで無情にもバイトに追いかけられる。新しく教わったことも上手くできずに半泣きだった。生理前の水圧のような憂鬱もなんとか乗り越えた。自分で自分を褒めたくなるが、これが世間一般でいう「普通」なのだろう。みんな偉すぎる、お疲れ様だ。

バイトのある金曜日は嫌いなのだけれど、マスカットみたいに今日という1にちはキラキラ輝いていた。

コーヒーが一番安価な文章の燃料なのでセブンイレブンの100円コーヒーをおいしいおいしいします、