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酒は友達か気の長い殺し屋か

初めて酒を飲んだのは、小学校入学前。当時飯場に住んでいた僕に、鉄筋屋の飯場ゴロが日本酒をすすめた。好奇心から飲んでみたら美味かった!ベロベロになって、ゴロツキ達にとめられたほど。
本格的に飲み出したのは中学二年生。親父は愛人と住み、僕と兄は別居を始めた。
家事全般をやらされ、兄からは毎日暴力を受けた。県の暴走族連合のリーダーで、極真空手の黒帯だった兄には敵わない。
極限まで追い詰められた僕は、台所にあった料理酒の剣菱の二級酒を呑むようになった。あっという間にキッチンドランカーになった。
兄からの暴力も、学校と家事の両立も、酒があればなんとかなった。酒は、兄への具体的な殺意や日々の辛さを労わってくれる唯一の友達だった。

ところが今、服用している処方薬と酒が相性が悪く、医師からは断酒をするように言われている。

試しに断酒会に出てみた。この集いでは酒という古き良き親友とは別れられそうにないし、止めるつもりもない。

さて、これからどうなることやら

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