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江戸っ子気質の大工さんは面倒くさい

細かい修繕でも嫌な顔一つせずに任せられる大工さんって貴重なんです。

職人は仕事の出来にこだわって採算は度外視するなんてテレビでやってますが、これは大ウソです。本当の職人は、人工(にんく)や工賃を計算して仕事をしています。マイルストーンに縛られています。

それなのに、細かい修繕や営繕をやってくれる大工さんは本当に大切なんです。

浅草で代々長くやっていた材木屋が大工に転身して、その家の三代目と仲良くなりました。三代目は専務と呼ばれていて、弟が常務。親父さんが社長。小さな所帯ですが、腕は確かでした。

三代目と現場で意気投合して、家に呼ばれました。

ここは戦後間もない世界?と思うほどの違和感。

常務は「現場は祭りだ。俺たちゃ担ぎ手だ。息が合わなきゃ神輿が暴れっちまう」それを聞いた三代目が、「こいつのこれは口癖だから何べんも言うけど気にしないで」といわれても気になる。常務はこっち向いてでかい体で大声出すから。

すっかり老いた社長に仁義にもとらないような挨拶をしたら、そんなんどうでもいいみたいな感じで、「これなんて読むの?」この時の詳細は忘れたけど、什器の固有番号だった。「ここに書いて」え?社長はアルファベットが読めないんです。黒電話の横にAえい,Bびい,Cしいと紙に書いてある。後で、アルファブラボーチャーリーって書き直してやればよかったと思った。

三代目、元気かなぁ。四代目できたかな?

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