見出し画像

【AA長編スレガイド】バトル編!その①

次回の記事「【AA長編スレガイド】バトル編!その②」はこちらから!

「AA長編」ってそもそも何?

やあみんな! 今日もAA長編を読んでるかい!
えっ読んでない!? 「ってかAA長編? なにそれ知らん」だって!?

TIPS:AA長編とは?
匿名掲示板2ちゃんねる(現5ちゃんねる)で誕生したアスキーアート(=AA)のキャラクターを使用した短編・長編の物語群。
(「やる夫」「やらない夫」他、アニメキャラのAAを使用した「やる夫スレ」も含まれるが、ここでは狭義の「モナー」「ギコ猫」と呼ばれるAAをメインとしたモナギコ系AA長編を指す)

参照:Wikipedia(モナー)

これでAA長編とも縁が出来たな! 君も今日からAA長編ジャンルの住人だ!  も う 逃 が さ な い ぞ

というわけで【AA長編スレガイド】と銘打ちまして、インターネットの海に四方八方散り散りになってしまったAA保管庫や過去ログから収集してきたAA長編スレの中から、僕個人の偏見と独断によってピックアップした作品を紹介していきたいと思います!

TIPS:DAT落ち
旧2ちゃんねるの「AA長編板」に建てられたスレに書き込まれたAA長編は、一定期間の書き込みがなかったり、480KB以上の容量が使われているとDAT落ちして過去ログになるという掲示板の仕様上、過去話がいつでも自由に読めないという問題がありました。

2レス目にこーんなのが出ちゃって続きが読めない!

TIPS:AA保管庫
「保管庫」と呼ばれる個人サイトがAA長編を収録することにより、いつでもDAT落ちした過去のAA長編スレを読み返せるようになりました。
尚、FC2系サービスを使用していた一部保管庫は現在閲覧不能です。

【三次】しぃのアトリエ~モナーブルグの錬金術師~【保管庫】
2022/08 の現在も閲覧できる保管庫の一例
右側の「3ゕ月以上更新がないため~~」の文が侘しい

バトル系AA長編のおすすめピックアップ!

……をするにあたって、各スレッドで使われているAA技術・AA表現を個人的な偏見で三大区分に体系化したいと思います。

1)三頭身AAアクション系(三頭身特化型)
基本にして原点の三頭身AAをグリングリン動かして戦闘シーンを進めていくスレの分類です。

TIPS:三頭身AA
→基本的なモナギコ系AAのサイズに対しての呼称。
メリット:拡大AA(後述)が書けなくても書ける
デメリット:複雑な動作やポージングなどの表現が難しい

Q.三頭身があるならそれ以外の頭身のモナギコAAもいるの?
A.います

8頭身モナー
参照:AA大辞典
どうみても八頭身以上あると思う
128頭身モナー
参照:AA大辞典
128頭身モナー ❤→ 8頭身モナー ❤→ >>1さん という人間模様。 

(2)拡大AA特化ハイカロリー系(拡大特化型)
拡大AA
をふんだんに使ってビジュアル的豪華さと迫力で戦闘シーンを進めていくスレの分類です。

TIPS:拡大AA
→モナギコ系AAを拡大したサイズの呼称。主にバストアップ表現が多い。
メリット:表情やポージング、繊細な動作表現が可能で書き手によって作風の個性を出しやすい
デメリット:三頭身AAと比較して時間的コストを要する、書き込み時に容量を喰いやすい

(3)三頭身&拡大いいとこどり系(複合型)
三頭身AA
拡大AAを織り交ぜて戦闘シーンを進めていくスレの分類です。

(2)の拡大特化型と何が違うの?
拡大AAの使用比率が5割を超える(気がする)場合は、拡大特化型に分類。
三頭身AAの方が多いけど、そこそこ拡大AA使ってるな?ってスレは複合型に分類。まあそこらへんはピックアップする俺の匙加減です。

 モナギコ系AA長編スレという創作ジャンル・創作技法は、2000年開設の「モナー板」や、2002年開設の「AA長編板」からかぞえれば、約20年の歴史と試行錯誤と先人の蓄積の上に成り立っているといえます。
 
おいそこ今ってAA長編スレ少ないから成り立ってないじゃんとかいうのやめろ
 その中でも、AA技術方面に特化していったのが今回取り上げるバトル系スレッド群になります。

【三頭身AAアクション系AA長編】

・「醜いHERO」

保管庫:http://wald.xrea.jp/uglyhero/

「闇の森保管庫」収録)
連載期間:2005/05/08~2007/02/24
話数:81話【未完結】
ジャンル:シリアス、能力バトル、オサレ系、群像劇

【簡単なあらすじ】
 特異な力を持った“能力者”が存在する世界。
 便利屋に所属する能力者「ギコ・ハニャーン」は、政府によるパーティ会場の護衛依頼をきっかけに、自身に眠る新人類「Queen」の意思、十年前から約束された運命に巻き込まれていく。

 意味深でもってまわったオサレな言い回し! 反政府組織! 世界的犯罪組織! 政府研究機関! 世界の管理人! 能力者!
 
みんなが思春期の頃に一度は想像する中二病成分マシマシのシリアスバトル系妄想! それを見事に具現化したAA長編スレです! 僕も多大な影響を受けています。

AA技術的には、特に三頭身AAの細かいバトル描写に定評があります。

第67話「強力な力」より

政府本部機関「Umbrella」所属の能力者、シェーダ
「PHANTOM」の幹部、“蜘蛛の足”ワースト・ムーガンの強襲
シェーダの能力「ブラスター」は伸縮自在のワイヤーのように扱える

 「醜いHERO」のバトルシーンは、細かく分割したコマ割りによって三頭身AAの格闘アクション描写が緻密に描かれており、三頭身AA大好きな人にとっては大興奮するシロモノです! ヒューッたまんねえぜー!
 ……ただまあ、普段AAを見慣れてない方からすると、何を書いているのか、何を表現しているのかわかりづらくなっている……という面があるのも否めません。連載当時の某所叩きスレでは「見難いHERO」とか呼ばれたり
 ですが、全編に亘って三頭身AAを活用した能力者同士の死闘を描いた本作は、AA長編ジャンルにおける能力バトルスレの金字塔として聳え立っており、連載当時の2005年にはフォロワー的能力バトル系スレが割と連載されていた……と、個人的には思っている次第です。
 最終話の更新を残して失踪してしまったのが残念でなりませんが、シリアスで能力バトルで中二病が好きな人には是非ともお勧めです!リードナウ!

俺はきっと1万コマくらい引っ提げて復活すると信じてる勢

・「Violence333」

保管庫:http://mukankei961.blog105.fc2.com/blog-category-376.html

第45話まで収録中(2022/08/03現在)
保管されるまで待てなーい!という方は、以下のスレURLから直読みナウ!

violence333 -phase 5-(第46話以降は未収録)

violence333 -phase 6(未収録)

連載期間:2009/07/31~2016/03/19
話数:全53話【完結】
ジャンル:シリアス、妖怪バトル、ミリタリ系、群像劇

【簡単なあらすじ】
 妖怪、妖精、魔物――“獣其”と呼ばれる人外が裏社会で跳梁跋扈する現代日本。フリーの逃がし屋「埴屋 擬古介」は|第四回広域殺人大会《Grand Guignol》に拉致され、強制参加するハメになる。日本政府に飼われる謎めいた傭兵「東雲 伊紗」との邂逅を契機に、埴谷 擬古介は死闘に身を投じていく。

妖怪×ミリタリー×超人バトル=バイオレンス!!
 
現代日本を舞台に多種多様な“獣其”が画面狭しと暴れまわる! 身体能力に優れた妖怪変化たちが、更に銃火器や兵器で武装するんだからそりゃカッコいいに決まってる!
 洒脱な会話の応酬! 過去と現在、東洋と西洋、時空間を縦横無尽に跨いで展開される物語! 銃弾や爆撃が雨のように降り注ぎ、舞い散る血飛沫と臓物が戦地を彩る圧巻の戦闘シーンの連続!
 ミリタリーバトル系AA長編の最高峰といっても過言ではありません。

第46話「遁走」より

埴谷 擬古助は依頼者を無事に逃がすため
病院を包囲するPMC(民間軍事会社)の殲滅に動く
敵も味方も出し惜しみせずに銃火器ブッ放しまくる!

 上記のあらすじではざっくりと説明しましたが、本作は複数の政府組織、秘密機関、テロ組織、登場人物たちの深慮遠謀が入り乱れた複雑なストーリーとなります。
 それぞれの陣営の真の狙いはベールに包まれていて、特に序盤では読者に提示される情報が限られていることもあり、どのキャラがどの陣営に属していてどんな目的なのか(埴谷 擬古介と同じように)何も分からぬままに進んでいきます。
 しかし、中盤から終盤にかけてピースが揃い始めると一気に物語の全貌が明らかになり、とある男の悍ましい情念がその鎌首をもたげるでしょう。

・「EVIL EYE」

保管庫:「Bダッシュ!!」 http://www.karakuri-box.com/~killer-q/
    >お気に入りAA→い行

Note内画像保管

連載期間:2012/06/11~2018/02/27
話数:全83話【完結】
ジャンル:シリアス、能力バトル、学生モノ、邪気眼ネタ

【簡単なあらすじ】
 現代日本、どこにでもいる普通の中学生だった「赤木 康介」は金環日食の日に『邪気眼』に覚醒したことで、同じく“眼”に目覚めた中学生たちと戦うハメになってしまう。やがて現れる秘密結社「カノッサ機関」の刺客。赤木 康介は平穏な日常を取り戻せるのか。

自分の作品をこういう紹介系には普通入れないって? うるせえ!
おれは臆面もなく自作紹介する男!

「くっ静まれ、俺の右腕……」「邪気眼を持たぬものにはわかるまい……」
 『邪気眼』
やら『カノッサ機関』やら、インターネットでよく見かける中二病ワードを作中要素として取り込みつつ、皆様も若気の至りな学生時代にしていたであろう似たり寄ったりな黒歴史妄想を大真面目に創作してみようぜ!がコンセプトな能力バトル系AA長編。

 AA技術の特色としては、エフェクトや効果音を派手めに搭載した三頭身アクションです。

第24話『ワイルドリザード』(4)’より

半人半獣に変身する能力の『七星眼』との戦い
赤木 康介は、不良中学生の辷良 二角とタッグを組んで『七星眼』に挑む

 2005年連載開始の醜いHERO、2009年連載開始のviolence333、その他これから紹介予定の先達のバトル系AA長編スレの技術を参考に作られていますが、逆に凝りすぎて何描いてんだかわかりづらっ!って部分があるとは思います。

第41話『対決』(3)より

炎熱を操る能力者との戦い
脚に炎を纏っての蹴り
接触発火

 例として挙げたのは属性エフェクトもりもり過搭載の効果音AAです。
「言われるまで効果音だと気づかなかった」という声には反省しております。

【三頭身AAアクション系総括】

 そもそも効果音に限らず三頭身AAによるアクション自体が、AAを見慣れてない人には何を表現してんだかわかりづらい……ってのはバトル系AA長編の永遠の課題かもしれません。

 でもまあ、そこらへんはさ! だんだん見慣れていってなんとなく雰囲気で伝わってくれればいいじゃん? ダメ? ワハハハハハ!

 三頭身AAオンリーのバトル表現だと限界は存在するんだったら三頭身AA以外を使えばいいじゃない、ってわけで次回は「拡大AA特化ハイカロリー系(拡大特化型)」に分類したバトル系AA長編スレの紹介をしていく予定になります。待て次回!

本当は「拡大特化型」「複合型」も全部まとめて紹介しようと思ったけど、ここまで書くのに一日費やしてモチベーションが底をつきました。
続きが気になる人はオヨビ先生に応援のコメントを送ろう!いやマジで

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?