nar__0382のコピー

今朝からnoteはじめます。

昨日、2019年1月4日14時からミーティング。
ダンテ「神曲」煉獄篇を宇都宮で描くことに。
いろいろ打ち合わせしていたら、一番最初に書いた企画書がでてきた。
なつかしい熱意に溢れた当初(2015年)の企画書をみていたらグッときた。このnoteには、その 【Dante 神曲 Project】のプロダクション・ノートを記していこうと思う。

少年の死体の横で、ビキニ姿の女性がサングラスをかけ日光浴をしていた。
もともとダンテの『神曲』を描こうと思ったきっかけは、シリア難民の少年の死体がリゾート地に流れついた衝撃的な写真がきっかけだった。
死体の横では、ビキニ姿の女性がサングラスをして日光浴をしていた。あまりのギャップに驚かされた。他にも国を捨て延々と行列をなして歩いて行く人々。船からこぼれ落ちるようにしてまで逃げて行く人々の姿を見て、国ってなんだろう。宗教ってなんだろう。という単純な疑問が湧いた。一神教同士の戦いの激しいなか、われわれ多神教ができることはないのだろうか? そんなことをぼんやり考えた。

机の上には、たくさんの本。
絵を描く上で大切なのは、色やマテリアル、形だけではない。私が最重要視しているのは〈テーマ〉だ。自分の思いを吸収し、なおかつ永く取り組むことができる〈テーマ〉を探していた。※1
ダンテの『神曲』は読んだことがなかったが、なぜか本棚に何種類もの翻訳の『神曲』を保管していた。ギュスターブ・ドレの版画が美しい河出新書の平川祐弘氏訳・豪華本完全版と、ウィリアムブレイクの水彩画が載っている集英社の寿岳文章訳の文庫版、地獄篇、煉獄篇、天国篇の三冊。となりには、『ファウスト』も並べてあったが、わたしは『神曲』を手に取った。

とにかく大きな絵を描かなければいけない気がしていた。
とにかく大きな絵を描かなければいけない気がしていた。そのためには、壮大なテーマが必要だった。日本的な内容を選ぶという方法もあったが、子供の頃から影響を受け、もっともっと知りたいと思っていたのは西洋の古典だった。たぶんこのプロジェクトが終わったらきっと、もっとしっかり日本を見つめることができるようになるはずだ。

今、わたしたちはまるでルービックキューブがガクンとまわるように大きな時代の転換点を生きている。 人工知能、ロボティックス、バオイオテクノロジー。激しい時代の波のなかで、このテーマを描くことで心洗われ、新たな時代を生き抜く勇気を養いたいと思う。

ということで、つづきはまた。

注※1俳優は、なかなかテーマを選べない。与えられた役柄を掘り下げ、与えられた役(テーマ)を生きるのが俳優の仕事だからだ。

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